身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

都市に住む現代人であっても地球への敬意を大切に。 松田 照之

伐採された菊名池公園の大木

2011年01月26日 07時09分22秒 | 2-4.菊名池
一昨日の記事のとおり、昨日、菊名池公園に昔から生える大きなイチョウの木が伐採されました。
今日以降、園内の元生えていたすぐ近くに移植されるそうです。


管理行政の方とお話をしましたが、木を伐らないでとの電話が多数あったそうです。
業者さんも、このように公園に昔から生えている立派な木は切れないと判断したのでしょう。
最終的に「最小限の伐採をし、その後移植する。」という業者さん側の提案が採用されることになりましたが、
伐採作業の依頼が来たときには「そんなことはできない。」と断ったそうです。
(このようなわけで根元からは伐られず、5mくらいの高さは残されています。)


昨日、行政の方との話をさせていただいたのですが、このイチョウの木に関して、新たに次のことを要望しました。
また、ただ要望するだけでなく、私自身も協力はできると申し出ています。


1.木を伐らないでとの電話は具体的にどんな内容で、何件くらいあったのかくらいは公表するべき。

私の要望だけでなく、これらの電話や業者さんの提案などもあって、根元から伐られずに済んだのですから、
このようにイチョウの木は大切に思われているのだということを隠さずに公表するべきだと思うからです。


2.イチョウの木の移植後、この木の幹周・高さ・推定樹齢、伐採の経緯などを示したパネルを設置してほしい。

ただ移植しただけでは、どうして伐採された状態でここにこんな大木があるのかが、当事者やその周辺の人しかわかりません。
後の世代も含めた公園利用者や近隣住民に、そのことが伝わるような説明文の書かれたパネルは現地に必要だと思うからです。




伐採後のイチョウの大木
根元からの伐採は免れたとはいえ、その姿は痛々しいです。
右に見える低い茶色の鉄柵が境界。ギリギリではありますが、しっかり公園内に入っています。伐採せずに済ませることはできなかったのでしょうか。


伐採当日、このような張り紙がしてありました。
私も同じ気持ちです。昨日はあまり眠れませんでした。


このような張り紙もしてありました。
そのとおり、埋め立て前から生えている大木で、菊名池公園のシンボルツリー的な存在でした。
いや、「でした」と過去形で言ってはいけませんね。
これだけの高さになってしまいましたが、ある程度の高さが残っているのですから、
これからもシンボルツリー、池の主であり続けてほしいと思います。


公園管理が北部公園緑地事務所から港北土木事務所に変わり、
自然や生きものも、土木で扱うモノのようにしか扱われなくなってしまった感じがあります。
そういう体質は横浜市にも変えてもらわないと困ります。
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菊名池公園の大木伐採

2011年01月24日 18時37分38秒 | 2-4.菊名池

2010年12月12日撮影 菊名池公園のイチョウの大木


大変残念なことなのですが、菊名池公園に昔からあるイチョウの大木が明日、伐採される予定です。

菊名池公園の樹木の大部分は、昭和40年代の菊名池の埋め立て(現在のプールや広場の部分)および平成初期の大規模な改修工事の際に植えられたものですが、このイチョウの木はその前からここに生えているものです。

昨年12月に親しくさせていただいている樹木医の方と測定をしたところ、胸高の幹周3m16㎝、高さ26mでした。
また、樹勢は十分にあり健康そのもの。樹齢は約130年~150年。幹が途中で3本に分かれた、変わった樹形をしているということでした。

通常、幹周150㎝を超える樹木は「大径木(たいけいぼく)」と呼ばれ、マンション建設などの「環境影響評価(環境アセスメント)」の際に保護の対象となります。

このような大きく昔からある木がなぜ伐採されなければならなくなったのか。
それは公園内に生えているとはいえ、境界ぎりぎりに生えていて、隣地の民家の建て替えの邪魔になるということらしいです。

大木は人間よりも長く生きているということで、大事にする慣習が日本にはあります。
ところが、近年はそれが変わってきて「大事にする慣習が日本にはありました」といわなければならなくなってきたとすれば、それは非常に残念なことです。
(本当は、ただ残念ではすませられないことだと思います。)
この木は、菊名池の埋め立ても、大改修も、昔から菊名池を見守ってきた、菊名池公園のシンボルツリーともいうべき木なのですから。

このことを知り、せめて伐採後の株は移植することや伐採部分をただ捨てるのではなく有効利用することを要望しました。
今後、見守っていくつもりです。

伐採せずに、移植する方法もあるようなのですが、無理だったのでしょうか…。
「株式会社 富士植木」のホームページに大木の移植工技術が載っています。
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今年も菊名池に冬の水鳥が渡ってきました

2010年10月24日 15時29分17秒 | 2-4.菊名池
この夏、北国に帰らず、菊名池でヒナをかえした個体がいたことで話題になったキンクロハジロ。

その冬の渡り鳥、キンクロハジロたちが今年も菊名池にやってきました。
カモたちは昼間も起きていることはありますが、基本は夜行性です。
よく鳥目といって、鳥は夜は目が見えないなどと言われますが、それは間違い。
鳥は目が良くて、渡り鳥は夜のうちに飛来するのです。

10月11日(月)には、菊名池でヒナをかえしたオス1羽・メス羽とそのヒナ1羽のほか、3羽のキンクロハジロを確認しました。
この3羽がこの秋に渡ってきた個体でしょう。
そのほかにオナガガモという、やはり冬鳥(冬に渡ってくる渡り鳥)のカモがオス・メスそれぞれ1羽いました。

10月23日(土)にはキンクロハジロは27羽になり、菊名池で生まれたヒナも成長して大きくなっているので見分けがつきにくくなっています。

キンクロハジロの数は例年2月ごろにピークを迎え、100羽以上となります。
これから秋が深まり冬が来るにつれ、数が増してくることでしょう。


10月11日の菊名池
手前の3羽がこの秋に飛来したキンクロハジロ、奥の3羽が菊名池で春・夏を過ごしたキンクロハジロとそのヒナです。


10月23日の菊名池
キンクロハジロの数は全部で27羽です。菊名池でヒナをかえしたオス・メスとそのヒナは、見分けが難しくなっています。
手前に見える野草はチカラシバ。穂の出た様子が秋らしく園芸店で売られていることもありますが、地面さえ残っていれば生える野草です。昔は横浜でも、このチカラシバでわらじを編んだそうです。
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菊名池公園のドングリの木

2010年10月17日 19時16分43秒 | 2-4.菊名池
今、菊名池公園にドングリの木の実(ドングリ)がなっています。
ドングリにも色々な種類があることは、みなさんも知ってらっしゃると思います。
それぞれの木に名前がありますが、写真はコナラという木のドングリです。

写真はコナラのドングリです。
菊名池公園内には、このコナラのほか、クヌギ、シラカシ、スダジイ、マテバシイといったドングリの木が生えています。
池側にある、これらの木のほとんどは1990年代前半に行なわれた菊名池公園全体の大改修の時に、武蔵野の雑木林を復元する目的で植えられたものです。

明治以前は都道府県制度がなく、日本各地は~~国として区分されていました。
武蔵野の雑木林は、国木田独歩の「武蔵野」という小説の中に描かれていますが、菊名池一帯もこの武蔵国でした。

雑木林は里山の林で、クヌギやコナラを主体に色々な木が生えている場所です。
昔は今のように都市ガスや灯油はありませんでしたから、里山の雑木林のクヌギやコナラで炭を作ったり、焚き木を拾ったりして燃料にしていたのです。
それは人間も利用していましたが、色々な小鳥や小動物、草花や昆虫たちも生息する、自然と人とが共存した場所だったのです。

つまり、菊名池公園内で池の周囲にあるコナラやクヌギの生えた一帯は、雑木林復元ゾーンなのです。
1995年ごろの菊名池公園の大改修直後は、2mくらいの苗でドングリはなりませんでした。
それから何年もたち、これらの木も大きく育って、いつのころからかドングリが実るようになったのです。



コナラ


クヌギ


スダジイ


マテバシイ

*コナラは菊名池公園内。それ以外のドングリは菊名池公園外で撮影しました。


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菊名池の自然環境の変遷<概要>

2010年08月23日 17時36分52秒 | 2-4.菊名池
2008年3月28日の記事でもふれましたが、1990年代まで、菊名池は市街地にありながらも大変良好な自然環境を有してきました。
それがブラックバスやブルーギルなどの外来魚、そしてハスなどが人々によって投入されたため、菊名池の生態系を支えてきたヒメガマの茂みが消失。昔から菊名池に生息していた小型魚介類も絶滅してしまったようなのです。

私はこのことが大変残念でならず、菊名池の自然環境の変遷についてまとめることにしました。
菊名池の近所に在住していることや、10年ほど自然環境調査や自然環境保全の仕事をしていたことなどがあり、菊名池の自然観察データなども個人で持っているからです。

過去に記録した菊名池の自然観察データや集めた資料を探しているうちに、押入れから菊名池についての古いパンフレットが出てきました。
それは、昭和61年に当時の横浜市緑政局と㈶緑の協会によって作成された菊名池公園案内のパンフレットです。

これは菊名池の変遷について公式に記述された資料として貴重なものですし、菊名池がどんな池かという重要な部分が簡潔にまとめられています。
菊名池の自然環境の変遷<概要>として、このパンフレットから抜粋します。



以下、パンフレットからの抜粋・・・・・・・・・・・・

 この「菊名池」には千三百年余の昔より大竜神が鎮座し、里人は菊名池大明神とあがめたてまつったと伝えられています。また最近までは灌漑用水として、付近の農民の生活に寄与していた村有の池でもありました。

 ところが昭和30年代からの周辺の急速な宅地開発に伴い、池の汚染が進んだことから、地域の人々の要望もあり、池の一部を埋め立てて、こどもの遊び場や周辺園路を造り、昭和33年に公開されました。

 しかし、雨水と湧水で保たれていた池の水も、後背地の急激な開発による湧水の減少と、大量の生活廃水の流入等で、汚濁が進み、悪臭が発生するようになりました。
 
そこで、池を埋め立てて、①大プールとこどもの遊び場とする。②野球場と小プールとする。③池を1/3残し、他は大プールとする。の3案が地域ぐるみで検討され、③案が採用されることとなりました。それに基づき整備が進められ、48年度に完成。現在の姿となったのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「菊名池公園 公園のあゆみ」
(昭和61年(1986年3月 ㈶横浜市緑の協会)
 より、菊名池に関する部分のみ抜粋
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冬の渡り鳥キンクロハジロが菊名池で繁殖

2010年08月22日 17時14分21秒 | 2-4.菊名池
毎年冬鳥(冬の渡り鳥)として菊名池に飛来するキンクロハジロが、この夏、その菊名池で繁殖したようです。
私は知人の野鳥の会の会員から19日に連絡があり、昨日行ってみました。

オスとメスの成鳥が1羽ずつ、そして雛が1羽確認できました。

キンクロハジロはカモ目カモ科。水中に潜ってエサを採る海ガモ類です。
日本で見られるほとんどのカモの種類は冬鳥(冬の渡り鳥)です。

菊名池のキンクロハジロも同様で、毎年10月に群れで飛来し4月ごろまで過ごします。
といっても、その数はこの期間中変動します。当然、秋に飛来しはじめる頃は数は少なく、2月ごろにピークになり、それ以降は次第に数が減っていきます。

これまで、羽根を痛めて飛べなくなったような個体が菊名池に残るということは何度かありましたが、繁殖したのは初めてです。

珍しいことではあります。
でも、喜ばしいことがどうかは慎重になる必要があると思います。
生息環境を人工的にしたり、野生生物にエサを与えるということは、自然環境や野生生物にとって良くないことです。
こうしたルールが都市公園ではなかなか守られず、野生生物たちに悪い影響が出始めてるのかもしれません。

今年は国際生物多様性年で、地域地域で多様な自然を保全していくことが環境省によりアピールされています。
また、今日はさきほどNHKで「ちょっと変だぞ日本の自然」という番組をやっていました。やはり地域地域で郷土の自然環境と共存していく必要があるという内容でした。

これらの出来事を機に、このブログでもしばらく菊名池の自然環境の変遷などについて取り扱っていきたいと思います。



菊名池で繁殖したキンクロハジロ
オス成鳥、メス成鳥、そして雛が確認できました。


カルガモも雛をかえしていて、3羽の雛を確認できました。
カルガモは冬鳥(冬の渡り鳥)ではなく、留鳥といって一年中菊名池や近辺に生息しているカモです。


菊名池の東岸からの全景です。

以前の菊名池の記事でも少しお話ししてきましたが、菊名池はここ十年ほどで、大きく自然環境が変わってしまいました。
かつてはカマ(ヒメガマ)の茂みがあり、それが菊名池の生態系を支えていました。
しかし人々がブラックバスやブルーギル、そしてハスを入れたりしたため、ガマの茂みはなくなり、昔から住み続けていたテナガエビも菊名池から絶滅してしまったようです。
毎年子育てをしていたバンも姿を消してしまいました。

しかし、こうして池が残っていること。そしてこのように生きものたちが何かと話題を投げかけてくれること。
これらのことを思うと、まだ希望は持てるかもしれません。

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菊名池の水生生物、絶滅か!?

2008年03月23日 20時41分13秒 | 2-4.菊名池
今、菊名池で再整備工事が行われています。
突然のことで驚きましたが、水生生物調査に立ち入らせてもらいました。

調査は3月15日と22日に1時間から2時間、1~2人がかりで水生生物の捕獲に努めました。
結果はブルーギルの幼魚ばかりで、数年前まではたくさんいたモツゴ(クチボソ)やスジエビは1匹も捕獲できませんでした。


菊名池は25年前から5~6年前までが過去最も自然環境の良好な状態で、その指標として、バンという水鳥が毎年子育てをしていました。
それは、その背景として水生植物のガマが水質浄化の役割を担っていたのとともに、モツゴやスジエビなどの小魚や小エビの隠れ家となり、良好な生態系が成立していたからです。

10年くらい前に誰かが投げ入れたハスが増え広がってガマの茂みを駆逐し、これらの機能が失われるのとともに、ブルーギルやブラックバスが在来の水生生物である小魚や小エビを食いつくしてしまったのでしょう。

ところが再整備は、菊名池の自然が良好だった状態に回復させるのが目的ではないそうです。
町なかで良好な自然環境が残された貴重な池の自然だっただけに、たいへん残念です。
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ハスが菊名池を変えてしまった…。

2006年09月13日 07時58分25秒 | 2-4.菊名池
9月9日、菊名エコクラブ町なか自然教室「菊名池のしぜん観察」を行ないました。
私自身、菊名池のしぜん観察をするのは久々だったのですが、菊名池の変わりように驚いてしまいました。

一面覆ったハスのために、水の中の生きものたちまで変わってしまったようなのです。

菊名池には何年か前までは、昔から生息している小魚2種類や小エビ2種類が見られました。
ブルーギルやブラックバスも、かなり前から見られました。
これらの魚は、元々住んでいた小魚たちを食い尽くしてしまうことで有名ですね。
それでも、菊名池にはガマの茂みがあったために逃げて隠れることができたのでしょう。菊名池に元々いた小魚や小エビは、住み続けることができていたのです。

それが、ハスが現れてから変わってしまったのです。
まず、ハスが広がる勢いに負けて、ガマの茂みがなくなっていきました。
次に、ガマの茂みの中に住み着いていた、バンという水鳥がいなくなってしまいました。
そして、とうとう水の中の生きものたちまで小魚や小エビはいなくなり、ブルーギルやブラックバスに置き換わってしまったのです。

昔はガマが茂り、小魚や小エビ、そしてそれらを食べる水鳥も住み着いていて、町なかにしては豊かな生態系を形成していた菊名池。このようになってしまい、残念です。
菊名池らしい自然の再生が望まれます。

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菊名池の改修

2006年08月20日 12時08分08秒 | 2-4.菊名池
菊名池がこの秋に改修されます。
詳しくは下記、港北土木のホームページをごらん下さい。

http://www.city.yokohama.jp/me/kohoku/doboku/osirase/news/17nendo/kikunaikekouenchousa.html


菊名エコクラブは現在、篠原園地を拠点に活動していますが、その前身は「菊名池ネイチャークラブ」で、菊名池を拠点に活動していました。
大きな活動としては「菊名池 ハスの収穫祭」という環境イベントを行いました。

http://www.townnews.co.jp/020area_page/01_thu/01_koho/2002/09_26/koho_top1.html


ところが菊名池では、このような活動を定着させることが困難だっのです。
現在の菊名池は、自然環境の保全活動がしにくい社会的環境にあるということができます。

とはいっても、菊名池はやはり、町なかに残された貴重な自然。野生の動植物たちの貴重な住み場所となっています。
こうした生きものたちのためにも、今回の改修がどのように行われるかは注目する必要があります。

菊名エコクラブでは、今回の改修工事に対して意見書を提出しようと考えています。
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