1月16日の日曜日、高尾山に行ってきました。冬のシモバシラを見るためです。
シモバシラはシソ科の多年草で、冬に枯れた茎から霜柱が発生するためにこの名があります。もちろん花も咲きます。花期は秋ですが、今の時期に行くというのは名の由来になっている霜柱を見るのが目的です。
前回見てからもう10年以上が経っていることもあり、見に行きたくなっていたのです。
高尾山には複数の登山道があり、今回は1号路を登りました。途中、タツナミソウの一種コバノタツナミが花を咲かせていたり、ヤブコウジが実を成らせているのも見ることができました。
コバノタツナミ(タツナミソウの一種)
ヤブコウジ
シモバシラの生育地点へと向かう途中で、ミヤマフユイチゴの実も見ることができたのが嬉しかったです。
というのは、小学生の時に通っていた横浜市の小学校の敷地内で、このミヤマフユイチゴが実を成らせているのを見て食べた思い出があるためです。冬で寒いのに実を成らせていたことから私の興味を引き付け、登校班の列からサッと抜け出し、実を採り口に入れ、列に戻ったということだけよく憶えています。
当時の背景としては街にもまだ雑木林や藪や草地が普通に残っていた時代で、子供たちは学校が終わると池で魚釣りをしたり雑木林で虫探しをしたりして遊んでいました。そうした中で、木苺を食べたりということもあったわけです。
何年生の時かまでは憶えていないのですが、とにかくそれ以来、地元でミヤマフユイチゴを見ることはありませんでした。
ミヤマフユイチゴ
フユイチゴは野生の木苺の仲間です。野生の木苺はほかにも色々な種類があります。他の木苺類が春頃花を咲かせて初夏に実を成らすのに対し、ミヤマフユイチゴは秋に花を咲かせ、冬に実を成らせるのです。
山頂近くで霜柱を見ることができました。シモバシラの霜柱への期待が高まります。
山頂に到着し、山の反対側へ抜けてしばらく歩き、シモバシラの生育地点に到着。
溶けかかって小さくなっていましたが、シモバシラの霜柱を見ることができました。
冬のシモバシラ
来シーズンにまた見に行きたいと思います。花の写真を撮りに行くのも忘れないようにしたいです。
ありがとうございます。
たとえば今は、冬の寒さに耐えて春を待っています。
そして春は、周辺の植物が成長して背が高くなったり新梢で陽光が遮られる前に花を咲かせ、周囲の木々の葉や背の高い草花で日陰になる前に実を成らせて枯れてしまいます。
このように気候や周囲の環境に合わせながら、代々命をつないできたのです。
こうした生きものたちの自然に持つ力に、私たち人間も恩恵を受けているはずです。