身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

菊名池で水鳥バンが7年ぶりの子育て

2011年06月25日 21時32分46秒 | 2-4.菊名池
6月25日(土)の9時ごろ、菊名池でバンという水鳥がひなをかえしているのを確認しました。
バンはツル目クイナ科の水鳥で、菊名池でひなをかえすのは実に7年ぶりのこと。

菊名池の大半は1970年代に埋め立てられてプールと広場とになりましたが、埋め立て前に隣接した湿地に生育していたヒメガマ(水生植物の一種)が生き残り、それが少しずつ増え広がって茂みになっていきました。
このヒメガマの茂みをよりどころに、菊名池に埋め立て前の昔から生息している小エビや小魚、トンボ類などが繁殖。
こうした自然環境を好む水鳥バンが1988年から生息し始めて以来、毎年ひなをかえし子育てをしていました。

ところが1998年にハスが投入されると急激に増え広がり、2007年には池の全面を覆うまでになりました。
このために2006年にはヒメガマは菊名池から絶滅。
ハスの茂みではバンは巣作りができなくなってしまい、菊名池で16年も続けられてきたバンの子育ても2004年を最後に見られなくなっていました。

それから数えて7年目。この夏、バンの家族が戻ってきてくれました。
しかし今月12日にプールから移動してきたカルガモ親子もバンと同じ浮島の茂みを利用しており、決して以前のように住みやすい環境ではありません。
カルガモの親鳥とバンの親鳥とが、互いに威嚇し合う場面も見られました。
自然環境が良好だった頃の菊名池のように、十分な広さのヒメガマの茂みが戻ってきてくれれば良いのですが…。
それでも、バンの家族が戻ってきてくれたことは大変嬉しいことです。



1988年から16年にも渡って、毎年夏に繰り返されてきた菊名池でのバンの子育て。
2004年を最後に見られなくなっていました。
それが今日、再び菊名池で子育てをしているのを確認しました。ひなの数は6羽でした。
2004年から数えて7年ぶりのことです。


しかし以前と比べて決して生息に好適な環境とはいえません。
今月12日に同じ公園内のプールから引っ越してきたカルガモ親子と、同じ場所を利用しているからです。


昨年、菊名池では本州の平地では前例のないキンクロハジロの子育ても見られました。
これらの鳥たちが同じ場所を子育てに利用するとなると、来年もバンが繁殖してくれるかどうかは、心配なところです。


カルガモの親鳥とバンの親鳥とが互いに威嚇し合う場面も見られました。
バンの生息に好適な自然環境が回復したから、バンの家族が戻ってきてくれたということでは決してないと思います。
この狭い浮島の茂みになんとか順応して子育てを始めたと考えるのが妥当でしょう。
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プールのヤゴ救出終了

2011年06月19日 21時28分32秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出
菊名池公園プール、千草台公園プール、入江町公園プール、篠原園地のプール。
以上4つのプールで予定していたヤゴ救出、本日全て無事に終了しました。
菊名池公園プールは初めて行われたにも関わらず、どのプールも10~15名、5家族ほどの参加があり、プールの生きものたちの説明を聞きながら楽しんでいただけました。

今年の傾向として、千草台を除いた3プールでギンヤンマの幼虫が例年に比べて多かったということがありました。
プールにはヤゴ(トンボの幼虫)以外の生きものもたくさんいますが、篠原園地のプールではヒドラという淡水に住むイソギンチャクの仲間が見られ、これは他の3プールでは見られませんでした。
また、千草台プールにはプール近辺にアマガエルが生息しているようで、アマガエルの鳴き声が聞かれました。

近年では身近な自然が少なくなっていますし、こうした自然とふれあう機会も減っています。
参加者の方々に自然の生きものたちとふれあいながら、楽しく自然について理解していただけるように、今後もプールのヤゴ救出を続けていきたいと思います。


菊名池公園プールでのヤゴ救出の様子


千草台公園プールでのヤゴ救出の様子


入江町公園プールでのヤゴ救出の様子


篠原園地のプールでのヤゴ救出の様子



入江町公園プールで見られたハクセキレイ
ヤゴはプールの底にたまった落ち葉にまぎれているので、網で落ち葉ごとすくうのがヤゴ捕獲のコツです。
ヤゴ救出が終わったあと、ハクセキレイがやってきました。
ヤゴを捕獲するために取った落ち葉がプールサイドに置いたままになっています。
ハクセキレイはこの落ち場の中に混ざっている虫を食べるために、来ているのです。


篠原園地のプールで見られたカルガモ
カルガモもプールにいる虫や藻などを食べにきます。
ヤゴ救出前に見られましたが、ヤゴ救出のために人が入ると逃げていきました。


篠原園地のプールで見られたヒドラ
淡水生のイソギンチャクの仲間で、5㎜~1㎜くらいの大きさです。
小さい方のプールの壁一面に付着していました。
写真はペットボトルに入れての撮影です。


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2011年 菊名エコクラブの関わる今年のヤゴ救出

2011年06月09日 22時17分58秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出
今年もプールのヤゴ救出の季節がやってきました。

野外プールには人間が使っていない秋から春の季節、色々な生きものたちがやってきて住みつくようになります。
春から初夏のの野外プールをのぞいてみると、植物プランクトン、動物プランクトンを始め、カエルの子供のオタマジャクシやトンボの幼虫(ヤゴ)などがプールの中に住んでいるのです。

ところが、夏のプールシーズンの前になるとプールの準備のために、これらの生きものたちは流されてしまいます。
そこで、全国的に学校や自然保護団体などによって行なわれるようになってきたのが、プールのヤゴ救出です。

2011年の今年、菊名エコクラブが関わるヤゴ救出の予定は以下のとおりです。


6月11日(土)10:00~12:00 千草台公園プール
雨天の場合は、12日(日) 14:00~16:00に延期
㈱オーエンス、菊名エコクラブ共催


6月12日(日)10:00~12:00 菊名池公園プール
雨天の場合は、18日(土) 14:00~16:00に延期
㈱オーエンス、菊名エコクラブ共催

6月18日(土)10:00~12:00 入江町公園プール
雨天の場合は、19日(日) 12:00~14:00に延期
㈱オーエンス、菊名エコクラブ共催

6月19日(日)14:00~16:00 篠原園地の野外プール
篠原台町自治会、菊名エコクラブ共催
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