全国で感染拡大が止まらない。
なかでも急激に感染拡大する北海道。
これまで先手先手の対策を講じてきた鈴木理事だった。だが、今回は後手後手になり過去最多を更新し続ける。なぜ、後手になってしまったのか。答えは明確だ。五輪テストマラソンが邪魔をして後手になった。
五輪テストマラソンが行われたのは5月5日。だが、その時にすでに過去最多の感染者を出していた。それなのに「蔓延防止」の措置すらなされていなかった。
テストマラソンが終わった5日の午後、マラソンが終わるのを待っていたかのように、急遽、蔓延防止措置の要請を北海道は決定した。
五輪組織委と感染拡大との板挟みになった鈴木知事が、政治的に追い込められた裏事情が読み取れる。誰もが「やっぱりな」と思った。
これは、命と五輪が天秤にかけられ、五輪が優先されたということになる。
だとすると、今の北海道の感染被害は政治による「人災」だといえる。
一手の遅れが致命傷になる感染対策。その一手を迷わせ遅れさせたのは、五輪最優先の菅内閣の政治的な思惑ということだ。
みんなでもたれ合っているだけで「五輪ストップ」の声は政権与党からは上がらない。決断もせず責任も取らない政治。風見鶏となってキョロキョロするだけの政治稼業屋ばかりが永田町に蔓延しはびこる。
国民の忍耐力と賢さだけで感染と闘っている。