「聞く力がある」ことを自負してきた岸田総理。
その聞く力がある総理へ一通の「手紙」が届いた。差出人は赤木雅子さん。
思いと心を込めた手紙には、森友事件で「改ざん」を命じられ、抵抗し深い苦悩の末、自ら命を絶った夫の死に至る再調査を望む訴えが書かれていた。
これまで財務省は内部調査を行ったとして公表している。だが、その調査報告書には赤木さんの自死のことは書かれていない。違法な命令によって「殺された」という重大な犯罪行為について、触れようともしない内部調査は調査とは呼べないデタラメなものだ。
改ざん、隠ぺいがどのように組織的なされたのか、そしてその違法行為によって自死に追いやられた事実はどうであったのか。そこはまさに森友事件の核心の部分である。
違法な改ざん命令によって、夫の命を奪われた赤木雅子さんにとっては、夫の死に至る真相を明らかにしてほしいのは当たり前の願いだろう。
安倍は勿論のこと、菅政権では「再調査はしない」と門前払いしてきた。
総裁選中に「必要であれば」と調査の意志をしめしていた岸田総理だった。だからこそ、赤木さんが手紙を書かれた思いはよくわかる。岸田総理の良心と聞く力に期待されたのだろう。
だが、再調査について野党の代表質問に答えた岸田総理は「再調査の必要はない」と安倍菅内閣の言い分を踏襲した。
世論調査では、「再調査すべき」と7割近い国民が答えているのに、聞く耳を持たない政治に逆もどり。
岸田総理の自慢する「聞く力」とは、ただ「聞き流す」ということなのか。
またしても、腰砕けの有言不実行ぶりをさらしている岸田総理だ。