▲ 思いがけず冬に果実 ▲
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今は春、赤い実が出来るのは半年も先のことだ。
葉の様子からこれはシナヒイラギ。
何でもありの日本人には区別なく「クリスマスホーリー」になっている。
さすがに冬に白い花を咲かせ、今頃赤紫の果実をつけるヒイラギとは混同しないようだけれど。
(2023.04.27 森林植物園)
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思いがけない場所で、冬に果実。
シナヒイラギモチ(支那柊黐 ヒイラギモチ)モチノキ科モチノキ属 Ilex cornuta
略してシナヒイラギと呼ぶから、ややこしくなる。
シナヒイラギモチ(支那柊黐)、ヤバネヒイラギモチ (矢羽柊黐)、シナヒイラギ(支那柊)、
ヒイラギモドキ(柊擬)、ヒイラギモチ(柊黐)、キッコウバモチ(亀甲葉黐)、チャイニーズ ホーリー、クリスマス ホーリー
英名ではChinese holly、horned holly みんな一つの植物を指しているのか??と思えるほどに幾つもの名を持っているのだけれど
様々な呼び名で親しまれている…などと説明されるといい加減にしてほしいなぁ~と思ってしまう。
セイヨウヒイラギ(西洋柊、Ilex aquifolium)、アメリカヒイラギ(Ilex opaca)も同じようにヒイラギモチと呼ばれ
英名では、European holly,English hollyと書かれている。
ところで何でもありの日本ではそれらすべてをクリスマス・ホーリーと名付けて流通している。
(2024.01.09 太寺)
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▼ 葉の違いは幾つか紹介されている。ただ若い木の枝や、下部の葉、古木の葉などでは違いも出る。▼
▲ ヒイラギモチの葉 同じ場所のもので、上の画像のヒイラギモチの葉はほぼ棘の無い古木のもの ▲
▲ セイヨウヒイラギモチ㊧とアメリカヒイラギモチ㊨の葉 ▲
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【セイヨウヒイラギモチ 余談】
葉の形はヒイラギと似ているからと、ヒイラギの名前が付けられていてややこしい。
葉のサイズはセイヨウヒイラギの方がやや大きい。
葉はヒイラギ同様に革質で艶があり、若い葉では棘があるが老木になると棘のない葉が多くなる。
このことはヒイラギでも現れる現象の一つだ。
セイヨウヒイラギの葉は互生。
アメリカでは(もちろん日本でも)、このセイヨウヒイラギが育ちにくかった?のだろう
アメリカヒイラギが今では「クリスマス・ホーリー」として流通している。
日本ではと言えば、そのいずれもよりヒイラギモチ(シナヒイラギモチ)の植栽の方が盛んで
今では殆どがそれを「クリスマス・ホーリー」と呼んで飾り付けに利用している始末。
何でもありの日本ではここまで進むと、本来のクリスマスの意味もどこかに置き忘れ去られているようだし
一週間後に控える新年を祝う行事の前哨戦?のように浮かれているのが現実。
それも時代の流れですね…と鷹揚さが大事な?時代になって来ている。
余談の余談だけれどもう一つ。
ここで言う「ホーリー」は holly(hɑ́li)、つまりは 「モチノキ」モチノキ属(学名「Ilex」)の意味であり
ホーリーナイト(聖夜)のholy(hóuli/聖なる)とは発音も意味も違っているそうだから、カタカナ表記もややこしい。
何でもありの日本人はうっかり(しっかり)その違いまでも誤認?して
クリスマスイヴにはこの赤い実が似合うのよねぇ、などと得意がっている。
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▲ セイヨウヒイラギ 春の花と秋の果実 ▲
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ヒイラギモチ アメリカヒイラギ ヒイラギ ヒイラギモクセイ ヒイラギナンテン
冬芽・葉痕2022-2023 ブログ記事一覧-HAYASHI-NO-KO (goo.ne.jp)
本当にヒイラギって色々あるのですね。
ホーリーナイト(聖夜)末の息子がキリスト教の幼稚園に3年通いました。
たまたま越してきたところの近くにあったのがひかり幼稚園でした。
親子で色々と勉強しながら、とても楽しかったな~と記憶に残っています。
クリスマスの頃にはいつもこのヒイラギでした。
リースもたっくさん作りました。
思い出のヒイラギです。
懐かしさでいっぱいになりました。
ありがとうございました。
赤い果実がもてはやされるのでしょうね。
幾つもの宗教が日本には入り込んでいるのでそれぞれに祝う習慣も違っていたりして
そのこと自体が「国際的」にはなっているのでしょうか。
海外で頻発している争いの根源には、宗教の違いがあるようですが、訳の分からない【新興宗教】だけは願い下げにしたいですね。