虹の国へ-日々を楽しんだり嘆いたりしちゃったりして-

平成21年度3次隊青年海外協力隊として
南アフリカ共和国での活動記録

全校生徒200人のファームスクール-通算18校目-

2010-08-02 21:47:15 | 南ア-学校-
今日も朝5時から
地味にバスを待ち、マレラネ地区の小学校へ。

今週は木曜日まで、朝5時発が続きます。

マレラネファームスクールの中で、
もっとも大きな黒人学校で、
全校生徒が約200人もいます。

というのは、このファームスクールの中で、
唯一マレラネの街から徒歩圏内で行ける学校だからです。

マレラネの街は、
大型のショッピングモールがあるくらい、結構都会です。
そのため、この学校も他の黒人学校と比べると結構都会な感じがしていました。

しかし、実際に訪問してみると、
予想を裏切るほど、結構田舎の学校でした。

クルーガー国立公園の近くということもあり、
学校の周辺は、山がすぐ近くに見えました。



また、教室の一部は、壁がなく(壊れているわけではありません。)、
後ろのクラスの声がまる聞こえでした。



この学校は、交通の便がよいため、
来年開く算数科のワークショップの際に、
使用させていただくことも多いだろうと思うので、
また近いうちに来ようと思います。

私立学校を選ばざるを得ない理由

2010-08-02 12:45:07 | 南ア-学校-
前々回から3回シリーズで書いている、
公立学校と私立学校の格差についてですが、
前回の最後に疑問で終わりました。

その質問は、

『なぜ一部の保護者は高いお金を払ってまで、
質の低い私立学校に通わせているのでしょうか?』

でした。

さて何故でしょうか?

私の考えるに、理由はいくつかあります。

①言語の問題。

おそらくこれが一番多いのはないでしょうか。
この地域の公立学校は、一校を除き、すべて現地語(SiSwati)で授業が行われています。
(ちなみに、その一校は、今週伺う予定です。)

そのため、モザンビーク(ポルトガル語)からの移民の子どもたちや
国内の他地域からの言語を話す子どもたちにとって、現地語のみでの授業は困難を極めます。

日本であれば、公立でもできる限りの対応をしてくれますが、
南アでは、そういった配慮はありません。

そのため、そういう子どもたちは、私立に通うしかありません。
(私立の多くは、英語教育に力を入れているため、大概英語で授業がなされています)

②保護者の安心の問題。

一部の保護者にとって、私立学校に高いお金を払っているのだから、
高い教育を受けられると勝手に判断している方もおられます。

実際、私立に行かせられるだけの保護者の方は、
大体、子どもたちが学校に通っている時間は、仕事に行っており、
学校でどのようなことが行われているのか、知らないのが現状です。

これってホントにお幸せなことです。

まあ私のようにこうやっていろんな学校を見て回っているから
このような現状を知っているわけで、一般の方々は、
知る由もないのですが。

というわけで、
私は、私立学校に訪問する予定はありません。

公立だけで手いっぱいです。

地方に見られる公立と私立の格差-ソフト面-

2010-08-02 12:43:50 | 南ア-学校-
地方に見られる公立と私立の格差について、
前回は、ハード面を中心にかきました。

今回は、ソフト面。

特に教員の採用について。

日本では、公立学校の選考試験と私立学校の選考試験は、
互いに独立しており、教職志願者は、両方とも受けられます。

それは、南アも同じ。

しかし、南アの場合、
教職志願者は、まず必ずと言っていいほど、公立学校の教員を目指します。

何故でしょうか?

それは、待遇が全く違うからです。

特に給料。

正確なことはわかりませんが、
私立学校の先生の給料は、公立学校の先生の約70%だと言われています。

また、学校によっては、健全な運営がなされていないところもあり、
数か月給与が支払われないこともしばしばあります。

そのため、私立学校の先生方の授業のやる気は、いまいちだと聞いています。

実際、一部の私立学校では、
先生が授業をしょっちゅうサボっていなくなり、
生徒が放置されているケースがあるとの報告も受けています。

したがって、教員は、公立学校の先生の方が明らかにましだと言えます。

と、ここまで述べたところで、みなさん、
疑問がわかないでしょうか?

それは‥

『なぜ一部の保護者は高いお金を払ってまで、
質の低い私立学校に通わせているのでしょうか?』

ということです。

これは次回書きます。

地方に見られる公立と私立の格差-ハード面-

2010-08-02 12:21:33 | 南ア-学校-
今日は、南アの地方に見られる公立学校と私立学校の格差について。

私の配属先のMalelaneCircuitには、
25校の公立小学校があり、約10校の私立小学校があります。

私は、公立小学校にのみ巡回するので、
原則として私立小学校には顔を出しません。

しかし、南アにいる以上、公私の関係を述べざるを得ない気がしますので、
今回から3回にわけて、公私の学校の違いについて述べていきたいと思います。

今回は、ハード面。

百聞は一見に如かずと言いますので、
写真をご覧ください。

最初に公立学校から。

この学校は、前にも紹介したのですが、日本の援助によって建てられた校舎です。



次にその学校のすぐ隣(徒歩1分)にある、私立学校。

この学校のような設備が私立には多いです。



日本が建てた学校だから違うんでしょと言われると困るので、
もう一枚、同じ地区の南ア政府によって建てられた、公立学校の写真を載せておきます。



どうです、やはり違うでしょ?

理由はいろいろあるようですが、
一番の理由は、やはり
私立の学校が独立採算制で運営されているからだと思われます。

公立学校の授業料については、また次回以降に書きたいと思いますが、
私立学校の学校運営は、基本的に生徒の保護者からの授業料および寄付金によって成り立っています。

もちろん、私立学校に通わせるには、公立学校よりもお金がかかります。

しかし、設備投資にまでお金をかけられないのが現状のようです。