「長生きできますように」と毎朝、手を
合わせて祈るようになった。
神様にこの声が聞こえたのか、男は身体が衰え
足腰が不自由になり寝たきりになっても
長生きした。ある日から
「早くあの世へ行かせてください」と
祈るようになったそうだ。
彼の最後の言葉は「健康を祈るべきだった」
長寿の島として知られている沖縄県。
80歳、90歳で現役で頑張っている人も
珍しくはない。しかし、この小さい宮古島にも
たくさんの老人施設や病院がある。
そこには、寝たきりで、向こうへ行くのをまるで
待っているようなオジィやオバァが
たくさんいるのも事実だ。
私に親切に釣りを教えてくれた、宮古島で一番!
といわれたオジィがいた。いつものように
漁に出かけたが、身体の調子が悪いと
いつもより早く帰港した。
翌日、漁協でその話を聞いたので、近所に
住んでいたこともあり、様子を見に
行こうと家をでたら、オジィの家の前に黒い服を
着た人がたくさんいた。
最後の漁から帰ってきたときに、船は陸揚げ
されていたそうだ。
釣りも上手だったけれど、終わりも上手だった。
「ピンピンコロリ」と誰にも迷惑をかけずに
行けるものなら、行きたいものだ。
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