ウリヅンとは、琉球のオモロ言葉で、大地がうるおい、麦の穂が出る時節の
3月4月のことをいう。今、沖縄のどこにも青々と波打つ麦畑は見られないが、
昭和の時代まで新緑の麦畑が沖縄各地で見られたそうだ。
大陸高気圧から寒波の吹き出しがアジア東部海域に及び、
そこで小低気圧が発生すると沖縄地方は、始め暖かい南の風にさらされ、
のちに寒冷な北風にさらされる。この天気は2月のはじめころから起きるが、
3月4月5月と続くにつれて南風が優勢になり北風の日が少なくなっていく。
南風の強まる時期を昔の人は経験から知っていた。
昔は八重山、宮古島から沖縄本島への航海はこの南風を利用したという。
一方北風に変わるよ寒さが戻る。3月中旬の二月風まわり以後あたりから
寒さは次第に遠のくが寒さの終わりは4月下旬頃でこの寒さを
「別れ寒さ(わかれびーさー)」と呼んでいる。
琉球の古い文献には3月中旬から5月上旬までを「うりずん」としている。
その期間中に経験する灰色の雲で覆われ暖気を感じる花曇りの日を「うりずん」
好天の日を「若夏」と昔の人は分けて使っていた。
海開き終わってもまだ寒さは残っているが、トライアスロンをさかいに
「若夏」がやってくる。もう、厳しい寒さは終わり、夏がやってくる。
海水温もどんどん上がり海のシーズンが到来する。
沖縄はうりずん、若夏の季節である。