譲り受けた。けっこう高価なもので、
この友人が出張などで宮古島を離れるときだけ
借りていたものだったが、置き場所がなく
なったと言う理由で私の手元にやってきた。
中国では床の間に硯、墨、筆を置き、日本では、
古来より刀を置く。沖縄では、サンシンを置くと
言われている。
こんな話もある・・・
沖縄では、破産したときに、まず家屋敷、
土地を売り、そして次に墓を売る
そして最後にサンシンを手放すと言う。
それほど、サンシンと言うのは家宝であると
いうわけだ。沖縄ブームでサンシンを買って
帰られる方が多いが、本土の人は、最初は安物を
買いそしてある程度奏でるようになれば、
次に高価な物を買う。
サンシンは捨てることのできないものだから、
買うのなら最初から高価なものを買う。
たとえ引くことができなくても家の家宝と
なるものだから飾れば良い。
値は音色とも言われている。
サンシンを託されたのは良いが、さてさて、
どうしたものか?
酔っ払ったときにまねごとが出来るだけ、
このサンシンのために飾る床の間もない。
オバァにこのサンシンの話をすれば、
「サンシンがお前を選んだのさぁ」と言うだろう。
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