私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

能力を過信し、進歩にしがみつき戦争を続ける米国に、どんな未来を見て集団的自衛権を結ぶのか。

2015年08月03日 | 政界

 

 本巣市 長屋神社馬駆け祭り

冷戦終結後、米国は、朝鮮戦争では引き分けたが、ベトナム戦争、アフガニスタン紛争、イラク戦争と負けが続いている。そんな米国と集団的自衛権を結び、欧州有志連合に入って行く理由が解かりません。

米国が過去の3つの戦争にきちんとした和解又は条約締結締結をしていないのに、今ここで米欧有志連合に参加することで、戦争相手国との関係で例え武力の行使をしないとしても、危険な関係になることは明らかです。

既に、ドイツはフランスとの間で、世界大戦におけるナチス政権に関し近隣関係処理を図り、アフガニスタンに国際治安支援部隊を派兵しました。その結果、50人以上の兵士を犠牲にしました。

日本は今年4月の日米ガイドライン改定により、自衛隊が外国へ派遣する範囲を拡大しました。国会において新安保法案が成立すれば、次は自衛隊に犠牲者が出ます。

思想家鶴見俊輔さんが亡くなりました。イデオロギーにとらわれない評論家ですが、日米安保条約にも反対でしました。ベトナム戦争の逃亡者の援助活動で「ベトナムに平和を市民連合」を結成して、中心的に活動されました。

鶴見俊輔さんは、「無名の庶民(岩礁)が大好きで、「岩礁」は勇気があり、追従することがなく、尾もならず、人を皆殺しにすることがありません。しかし、進歩にしがみつく米ソは、同じエリートです。戦後の日本も同じでした。自分の能力を過信しています。エリートは正しい答えを所有できるとの思い込みがあるからです。」として、新安保法案には真っ向から反対でした。

昨年5月7日の私のブログhttp://blog.goo.ne.jp/kikusono16310で「成長、速さ、富、多忙、消費を見直そう」で高度成長、時間短縮、不要な生産、無駄な消費を止め、人間性の回復を求めました。競争や資産は人への優しさをなくします。

鶴見さんは「弱い平和主義者は、憲法第9条は米国から与えられたもので、自ら得たものでないと言っていますが、岩盤である庶民は戦争により人を「殲滅」させることはできない強い第9条の平和思想家です。」と述べて、国際紛争を集団的自衛権の解釈の変更で、武力の行使を認める様なことはできないとしています。

昨日のNHKテレビ「捕虜たちの戦争」を見ました。南東アジアで捕虜となった入隊2年の日本陸軍士官は、米情報局の取調官が、捕虜士官に対して逮捕された印象から尋ねました。「自分が参画した戦争について、どう思っているか、軍隊でやっていたことを話してください。」

日本軍の様子を通訳官に話す気持ちがあるか尋ねますが、捕虜士官は最初は何も答えませんでした。そのうちに徐々に、この戦争について、自分が感じたままを取調官に話すようになります。

日本軍隊の状況、自分のやってきたことは、敵である取調官に話すことは日本兵として許せなかったので黙っていたのですが、軍隊が行っていた戦争の理不尽な、指示、行動を寧ろ正確に伝えて、これをやめさせる事ができるのでないかと考えるようになります。

レコードに吹き込まれた通訳官の尋問内容は、米軍が戦争を早く止めさせるには、どうすべきかを詳細に、聞き出していきました。この情報は、直ちに戦地で戦っていた日本兵にビラとして撒かれました。

この捕虜士官は、終戦までは米情報局通訳官として情報収集に参画しいましたが、終戦後は米国で生活した後、日本に帰国しましたが、家族には戦争について一切、何も話をしないで亡くなりました。

捕虜になって、刑を受けた人、自殺した人、施設で死亡した人、釈放されて帰国した人いろいろですが、戦争によって受けた心の傷は如何ほどであったか、考えれば考えるほど、戦争は残酷な問題を勝ち負けに関係なく、生き残った人に苦悩を与えるものだと思いました。

原爆投下の日も間もなく来ます。7月4日NHKまいあさラジオで原爆投下70年にあたり広島・長崎の原爆投下に対する世論調査結果を発表していました。その調査結果を正確に記憶していませんでしたので、インターネットで確認したが、ニュース検索結果はありませんでした。

この報道はまた揉消されてしまったのか、奇異な感じです。私の記憶では広島市、長崎市と全体の結果として、米国の広島への原爆投下を許せないとする者、仕方がなかったとする者について尋ねましたが、広島市では、許せないとする者が、40%を超えていましたが、仕方がないとする者より、少なかったことに吃驚しました。

広島・長崎への投下について、長崎と全国の調査結果では、原爆投下は許せないとする意見でした。しかし、戦争被害の大きさを示す、原爆投下の被害状況を考えても、広島において被害感情の風化が始まっていることには、いささか寂しいものを感じました。

戦後70年となり戦争を経験しない人ばかりになって、戦争を知らない総理大臣の出現したことで、70年前の戦争が再び現実的な問題として語られ始めました。街頭行動の高校生や大学生が心配ですが、新安保法案は違憲として反対しているのを見るといじらしさを感じています。

蘇生

 

 

 

 

 


日本人の平均寿命80.67歳を超えました。中高大学校同級生はまだ半数以上います。戦争を知る老人は、日本について語る場が無くなりました。

憲法は、アメリカのマッカーサーに準備してもらったかもしれませんが、一院制を二院制に、土地を国有から私有に替えたのは帝国議会草案でした。 議会の審議では自衛戦争の放棄は草案の中にあり、吉田首相も正当防衛や、国の防衛権による戦争もしないと壇上で明確に述べていました。 草案は、衆議院は反対八票の絶対多数で、貴族院の満場一致で可決しました。 ただし、衆議院では九条二項に「前項の目的を達するため」を加えて修正しました。二項は戦力を保持しないとしており、後に、自衛のための戦力が議論されることになりました。 憲法改正から68年の昨年は、安保法改正で国会や、法律家、若者、お母さんが、戦争を意識させるとして、議論されるようになりました。 平和は、日本だけでなく、世界中が戦争をしない国にしないと続きません。しっかりと政治を見て行きたいと思います。