刈谷・万燈祭
加計学園や森友学園をめぐる問題で、安倍政権から「記憶がない」「記録がない」との答弁が繰り返えされている。
国会閉会中の衆院予算委員会での学校法人「加計学園」の建設計画についての審議で、安倍首相が従来の答弁で述べていた政府が獣医学部新設を加計学園に決定した日について、これを、首相が議長をしていた国家戦略特区諮問会議で加計学園の申請を認めたのは1月20日であると述べました。
公平・公正であるべき行政判断が「首相の意向」や官僚の「忖度」で歪められていないかを解明している時期に、予算委員会では、関与を指摘された政府関係者がすべてを明らかにしなければならないのに、閣僚は学園への働きかけをすべて否定し、「加計ありき」をうかがわせる文書の存在を否定し、財務省局長は証言を拒否しました。
首相は、6月5日に参議院において「今治市に獣医学部を新設したいという加計学園の意向は、国家戦略特区に今治市と共に申請を出した段階で承知した。」と述べましたが申請は2年も前です。 更に、6月16日にも参議院で「構造改革特区で申請されたことについて、承知している。」と述べています。 首相の答弁は、加計氏への便宜供与を否定するための、辻褄の合わない無理な答弁です。 加計学園の加計理事長は、首相が「腹心の友」と呼ぶ30年来の友人で、安倍内閣発足後、15回食事やゴルフを共にしています。 首相の「加計ありき」や獣医学部新設の根拠の疑念は深まるばかりです。 閉会中審査では証人喚問でないため、政府側は、都合が悪いことは「記憶にありません。」「記録にない。」「知らない。」の連発でした。証人喚問が必要です。 加計学園は事業主体に決まる前から、予定地のボーリング調査を開始しました。どうしてできたのか。首相秘書官が15年春に今治市職員と官邸で面会したことや、記録について首相秘書官は「記憶がない。」で逃げています。 首相自ら責任なしとして正直に事実を語らなければ、政府関係者も説得力ある説明はできません。 そうでなければ、国家戦略特区の認定手続きを白紙に戻すべきです。 国民の大多数は、安倍政権は隠蔽体質であると見ています。都議会選挙や、仙台市長選挙の自民党敗北で、安倍政権の支持率が35,8%に低下しました。 7月28日には、遂に稲田防衛相が、日報の開示・隠蔽問題の責任で辞任しました。安倍首相の任命責任が出てくるでしょう。 PKO部隊の日報隠蔽問題を巡る特別防衛監査報告が出て、稲田防衛相は日報の関する隠蔽了承を否定しましたが、監査結果はこの件を「可能性は否定できない。」と自らの主張を明確にしなかったため、閣僚辞任で責任を取ったのです。 自衛隊の日報のデーター報告が問題になったのは、南スーダンの国連平和維持活動部隊が、昨年の7月首都ジュバで起きた激しい「戦闘」が記録された日報を稲田防衛相は「衝突」と言い換えて国会に説明してきました。 この時期は、新安保法の成立後の自衛隊の海外活動で、PKO関係者が武装集団に襲われた際に防衛に向かう「駆けつけ警護」が問題になった時期で、ジュバ紛争での「戦闘」が起きていることが国会や国民に伝われば、PKO参加5原則に照らして自衛隊員派遣自体が困難になりかねない。 国民や国会にも重要な判断材料を隠して行われることになり、結果として派遣延長や「駆けつけ警護」の付与という政策決定がなされたのです。 自衛隊と稲田防衛相の責任は重いと思います。自衛隊の隠蔽体質は、国民に対する背任行為です。 防衛相は安倍総理の秘蔵っ子であり、首相の集団的自衛権の行使の足かせにならないように、日報データーの存在を隠蔽しようとしたのです。 政権のこうした自己保身のためにする行為は、国民の生活や自衛隊員の安全を守る義務を軽視することになります。辞任した稲田朋美氏は政権の犠牲者だったのかもしれません。 参院の閉会中審査では「記憶にない」「記録はない」と虚偽答弁ばかり繰り返していました。首相は自ら加計学園・森友学園問題解明のため、9月には早急に、野党から臨時国会開催要求に答えなければなりません。 役人の政治家への過剰な「忖度」。資料の「消滅」。「総理のご意向」と圧力。噴出している首相と官僚の関係、「政と官」の関係が安倍一強政権になり顕著になり過ぎました。 日本国憲法第15条の「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とあります。役人、官僚=公務員は、官邸=首相の命令だけに従っていればよいのでしょうか。 問題がある公務員=官僚は、官邸=首相の言いなりでは困ります。公務員は全体の奉仕者です。日本国憲法は同じく15条では「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」としています。 公務員のうち官僚が今の地位にあるのは、任命権者である官邸=首相が人事権を持っているからです。首相や任命権者の意向に反する意見や証言することはできません。公務員は地位と身分を失うことになります。 選挙で政権が代われば、安倍政権への奉仕者が「文書がない」「記憶がない」と言っていたことが、新政権によりすべてが明らかになります。この選挙こそが国民の選択なのです。しかし、同じ自民党を国民が選択したときには、政権が代わっても、旧態依然の官僚支配が続くでしょう。 野党政権を作るにはどうしたらいいでしょうか。実は、今の安倍政権は公務員による官僚支配政治でなく、選挙で選ばれた議員による理想的な政治主導内閣です。 この理想的内閣が衆院で3分の2の多数を取ったことで、国会では政権は野党の意見を聞くことなく、重要法案であっても強行採決で「新安保法制」「共謀罪」などの成立を図りました。 国民全体の奉仕者安倍政権は、政治主導で内閣に新規に人事局を作り、官僚など公務員の人事権を総てを握り、総理大臣と内閣人事局長が統括することで、各省庁の次官や局長級を思うままに掌握しています。 その思い上がりが一強安倍内閣の支持率を、7月には遂に30%台まで落下させました。政治主導の失敗例です。 東京都知事選を見れば、小池百合子議員は、自民党員でありながら自民党都議都政を痛切に攻撃しました。安倍政権の加計学園・森友学園や稲田元防衛相の自衛隊の政治的利用発言などの失政が重なったことが支持率を下げたのです。 首相が支持率低下の原因を深刻に反省しないと、内閣改造くらいでは支持率は上がらないでしょう。この時期には、民進党が新党首を選出して、野党共闘を円滑に組めば勝ち目が出てくることもあるのでないかと思われます。 蘇生
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