林道の入口にある樹液酒場。
ジモチュー(地元虫)たちから、
スナック樹樹(じゅじゅ)と呼ばれ、
連日賑わっている。
「樹液の提供は◯時まで」なんて、
時短要請は、ここにはないしね。
ママは、オオスズメバチ。
チーママは、コガタスズメバチ。
しっかりと店を切り盛りしている。
店のBGMは、鳥たちの歌声。
今の時期は、
シジュウカラとホオジロがヘビロテ。
たまにコジュケイが、
「ちょっと来~い、ちょっと来~い!」と、
客引きをしてくれてる。
それに誘われたわけじゃないけど・・・
アカタテハさん、ご来店!
「あ~ら、赤さん、お久しぶり~!」
「あ~、すずママ、元気だった~?
あれ~、黒さん、
もう出来上がっちゃってるの?」
「そ~なのよ、
黒さんたら、店開けた途端に来て、
ず~っと飲んでんのよ!」
クロコノマは、吞兵衛なのであった。
「あ~、今日も疲れた~」
と、ぼやくルリタテハ。
「早く家帰って1杯やりたいな~!」
「あ、そうだ。
すずママのとこで、
1杯引っ掛けてから帰るか!」
「すずママ~、1杯だけ飲ませて~!」
「おや~、瑠璃さん、
1杯と言わず、飲んで行けばいいのに~?」
「いや~、カミさんがうるさくてさ~」
「あらっ、日陰さん、いつ来てたの~?
そんな端っこじゃなく、
こっちでみんなと一緒に飲みましょうよ!」
「あ、いや・・・
今日は四星の奴が、
ちょっと相談事があるって言うから・・・」
「ちょっと~、黒さん!
いったいいつまで飲んでんのよ~!?」
「も~、店閉めるんだけど~」
「そろそろ帰ってくれないかな~?」
「あ・・・ ハ、ハイ・・・ 帰ります・・・
すずママ、怒らせると怖いから・・・」
「そ、分かってればヨロシ~!」
こんな会話が繰り広げられていたら、
楽しいだろうな~と・・・
オバサンの勝手な妄想デス。