クリスマスの朝、
アケビコノハを見つけた。
壁に止まったまんま、動かない。
越冬しているんだね。
あとで、写真撮りに来よう!
数時間後、
デジカメ持って見に行ったら、いない。
あれ~、越冬してたんじゃなく、
た~だ、止まっていただけなのか~、
と思いながら、ふと足元を見たら・・・
落ちてた!
朝、その姿を見ていなかったら、
絶対気づいていない。
踏んづけていたかも~!
だって・・・ こんなですもん。
枯葉にしか見えない見事な擬態!
まったく動かない。
死んじゃっているのかな~?
しばらくしたら・・・
左側の足が少し動いた。
良かった~、生きてた!
なぜ落っこちてしまっていたのかは、
わからないけれど、
落っこちても、越冬モードのままで、
仮死状態だったのだろう。
右側の足も動き出した。
可愛いモフモフあんよ。
白い水玉模様つき。
左の触角は、どうしちゃったんだろう?
自分の足でしっかり立てたら、
元の場所に戻そうと思ったけれど、
これが、なかなか・・・
どうしよう?
仕事は今日までなので、
仕事場に置いて帰るわけにはいかない。
自宅に連れて帰るか・・・
でも、今夜は車中泊するし~。
え~い、一緒に車中泊だ~。
午後、車に積んでから、
ずっとブランケットで包んでいた。
夜になって見てみたら、
翅を広げていたので、一安心。
で、この写真を友人たちに見せたら、
案の定ドン引きされてしまった(笑)
翌日、お昼過ぎに帰宅。
この子は、夜行性の蛾だから、
昼間は翅を閉じてじっとしている。
暖房の入っていない部屋に置いて、
夜まで待った。
もし、この子が、
我が家で越冬するならば、
このまま春まで置いておこうと思った。
夜になって見に行くと、
翅を広げ、動き回っている。
暖房が入っていなくても、家の中。
この子にとっては暖かく、
越冬モードにはならないようだ。
やはり、外に出すしかないな~。
とりあえず、狭いプラスチック容器から、
飼育ケースに引っ越してもらうことに・・・
なかなか出てこないので、しばし放置。
お引越し完了。
あ、左の触角、ちゃんとあるね~。
しばし観察しながら、どうするか考えた。
よし、決めた!
作業開始!
って、大した作業はしていないけれど・・・(笑)
このダンボール箱の中に、
飼育ケースの蓋を外して入れ、
ベランダに置くことにした。
この中で越冬するならば、それで良し、
どこか別の所へ行きたければ、
どうぞご自由に・・・だ。
また、翅を広げていた。
これが見納めだね~と、
写真撮っていたら、いきなり・・・
コテッ!と・・・
ちょ、ちょ、ちょっと、なに~~~!?
死んだふり~?
あとで調べたら、
ネット上に結構あった。
アケビコノハの死んだふり作戦(笑)
まあいい、
そっちがそう出るなら、そのすきに・・・
この角度から見ると、お魚みたい。
うへへ・・・(笑)
なんか思わず笑ってしまう。
ケースに戻したら、パッと翅を広げた。
威嚇のつもりかな?
さて、そろそろお別れ。
この中で、越冬してくれる保証はない。
深夜、寒いベランダに出した。
翌朝、そっと覗いてみた。
やっぱり、いなくなっていた。
ベランダじゅう見て回ったけれど、
どこにも、その姿はなかった。
昨日から、雪が降っている。
どこか気に入った場所で、
越冬してくれればいいけれど・・・
ふと、有名な詩が口をついて出た。
太郎を眠らせ、
太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、
次郎の屋根に雪ふりつむ。
三好達治(1900 - 1964)の詩「雪」
いろんな解釈があるだろう。
詩の解釈は自由だ。
私は・・・
生きとし生けるものすべてに平等に、
雪は降り積もる、と・・・
太郎、次郎が人間とは限らない。
冬眠するクマ、越冬する昆虫たち、
雪は、そんな生き物たちにも降り積もり、
そして眠らせる、と・・・