ご隠居さん:自我や世間の枠にとらわれず、社会の潤滑油となりたいものです。 AI時代は 人間らしい自由な発想がカッコいい

年を重ね、経験を積むにつれ、その時々の思いも変わっていく。その足跡を残しておくために

世間次第

2011年03月08日 | 私生活 雑感
菅内閣は、前原外相の辞任で完全に死に体。
日本の社会は、大きな問題への対処は「世間」次第、マスコミが牛耳っている感がある。
古来はもちろん現在でも、日本には「世間」はあっても「社会」という概念は無きに等しい、という。
明治になって、社会という言葉が文章の中で使われるようになったが、会話では世間という言葉が身近によく使われる。
「渡る世間に鬼はなし」「世間に顔向けできない」etc.
西欧に言う「社会」は、個人が前提であり、個人の尊厳は譲り渡すことのできないもので、その個人が集まったものが「社会」をつくるとみなされる。
日本人は長い間「世間」を基準に物事を判断してきており、世間もそれなりに個人の位置に気を配ってきた。世間の内部では、なるべく競争は排除され、その中で掟を守っていれば、能力は余り問われず、何とかなってきた。
会社人間、お役所仕事も根強く残っていて、問題にされている割に一向に良くなっていない気がする。
これも世間という組織の空気とか常識が、個人の自由と尊厳を奪っていると言えないだろうか。
夏目漱石の「坊ちゃん」も「吾輩は猫である」も、世間に対する個人の問題を描き出そうとしたものと言われる。
世間知らずの坊ちゃん、猫からみた人間社会(世間)のおかしさに時代を超えて共感することが多く、普遍的なテーマでもある。“個人“が確立していたイギリス社会と日本の現実とのギャップに対するうっ憤を、小説を通して”世間”にぶっつけた。「智に働けば角が立つ・・・(草枕)」にもそれが出ている。
いろんな“世間”にはそれぞれ厳しい掟がある。葬祭の場合、長幼の序、贈与・互酬の原理があるという。
“半返し”は代表的な慣習。
何か問題が起きると、「世間に顔向けできない」として家族の悲劇さえ引き起こす。
日本的な誠実さ・思いやりという美徳の裏に、この世間による監視があるとしたら、何と窮屈なことか。
「世間とは、人が互いに関わり合って生活している場。この世の中。・・・」とある。
狭い生活の場では、世間=社会でしかなかっただろう。
人間関係のあいまいさの中でしか、自分を認識できないという日本人の特徴は今でも根強い。
その上、会社などはっきりした組織から外れたときの“世間”は、もう崩壊しており、相互の監視も無きに等しい状態が進行している。教育、地域にあふれる“モンスター、オバタリアン”や“独居老人”などもその極端な例だろう。
一方で、没個性的な中高年は、若い世代から見て魅力がない。
とくに常識にとらわれた男社会(世間)が、高齢化社会を暗いものにしている気さえする。
その点、女性の発想は柔軟で自由、老いても活気がある人が多い。
ただし、彼女たちは世間を超えただけで、共通の社会規範を求めている気配はない。
ヨーロッパでの“個人”は、絶対的な神との関係(契約)で自分を形成した上で社会を認識するから、人権が守られると言われる。いくら対立があっても、宗教文化に支えられた共通の土俵があるから、どことなく信頼と安心がある。
経済は落ち目でも、イギリスの個人主義を見習って、“偉大な斜陽国“の仲間入りができるか、そんな高齢大国になれるとしたら悪くはない。
世間に縛られるだけでなく、その先に個人を生かす普遍的な”社会”というものを意識していたい。
ちょうど、今日の新聞で、アメリカの前沖縄総領事(メア氏)の発言が問題になっている。
後任への引き継ぎで、「合意をゆすりの手段に使う」「本音と建前に注意しろ」と言ったらしいが、外国人の目には分かりにくい文化なんだろう。
本音は”世間”を基準にし、建前はその場しのぎでコロコロ変わる。つまり共通の社会をめざした合意形成ではない。
そういうことを言いたかったのではないか。
彼は「日本文化は余りにも本音と建前を重視するので、真実を言うことで批判され続けている」とも言っているとか。

*3/13 追記
3/11東日本大震災
地震崩壊、大津波、原発放射能漏れ、火災・・・詳細がはっきりするにつれ、とんでもない事態に!
まだ、余震が続き、原発爆発の可能性が増大している様だ。
3/12官邸と原子力安全・保安院(これは経済産業省の組織)のTV発表は、いかにも日本的。
余りにも世間体(組織という)ばかりを気にしすぎていた感じだ。
あいまいな言葉で、リスクを避ける表現で,
知りたいことは何も伝わらなかった。
東電、官邸、保安院、県も、自分たちの責任とか立場を超えて、事実を基に、最善を尽くす謙虚さが欲しい。
同時並行的に、時々刻々と進行する事実を共有して問題解決にあたることが、その後の協力を得るためにも必要だと思う。
この震災は、命と社会の問題を通して、今までの我々の価値観を大きく変えることになるだろう。
関東大震災がそうであったように。






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1 コメント

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村石太事件と世界と日本経済 (ジョンレノン&ジョージハリスン&リバーフェニックス)
2011-03-09 14:22:08
前原で検索中です
国会では 民主党・前原さんの中学2年の頃の付き合いの在日からの献金により法律違反で辞任
(違反という罰則 罰金 違反 事件の金額の問題?)強制と志願
前原さんの奥さんは 創価学会員ですね。奥さんは 公明党支持者かなぁ?
飲食店に創価学会(公明党)も多いですね。(多いという言葉の割合)
飲食店 商店 ほか のトラブル問題。
国会どうなるかなぁ。消費税が 気になります。国会の行方を 推理したいですね。
シナリオなき 策略なき 政治 茶番劇じゃない。
ということで 名古屋市議選はじまります
税金で 生活する?政治家 公務員
国の財産を一般企業にする。民営化大企業と天下り。一般企業の危機。
民営化後の消費税値上げ 国家赤字増加
世界では 内乱もありますね。
日本経済 諸外国の株投資家 日本の企業株 日本製品
日本は 島国ですね。輸入 輸出。
国の政治的歴史と事件と世界の歴史 そこにある事実と繰り返される事があるだろうか
鳩山元総理の 母親からのおこづかい。
国民は 娯楽と仕事と生活の中で。
せいじ研究会(名前検討中 前原さんの人生 本売れるかなぁ。印税について~ 書籍の値段について~ 
政治研究会(名前検討中 ホッシャク金問題 メール事件とはいかに
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