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金融緩和?

2012年12月31日 | 私生活 雑感
自民党の最大のテーマは、「金融緩和による経済対策」
これにより、物価上昇目標2%・デフレ脱却をめざすという。
しかも、無制限緩和だけでなく、日銀法改正や建設国債の直接買い取り まで視野に入れていると言われる。まるで、戦前の戦費調達・財政赤字穴埋めに政府⇒日銀へ国債引き受けを目論んでいるかのようだ。
戦時中は、政府が厳重に価格統制をやっていたが、終戦後は無秩序にインフレが進行した。



(現金の量:1940~45年で11.6倍、 超インフレ:1945~49年で物価が60倍に)
大概の家に、戦費調達の債権が紙くずになって残っているはずだ。(僕の実家にも、支那事変からの債権が何種類もある)
阿倍首相以下、60-70代の政治家は、戦後のインフレ、新円切り替え、預金封鎖、財産税など、ムチャな金融政策が実際に行われたことをイメージできているのだろうか?

「彼らはなにひとつ学ばず、なにひとつ忘れなかった」
この名句は、フランスの王政復古で、ナポレオンを見限り、ルイ18世を担ぎ出したが、超党派に宰相の座を追われたタレーランが言った言葉という。
自民党は、戦前・戦後だけでなく、3年半前の失政から何も学ばず、権力のうまみだけは忘れていなかったのだろうか。

今、先進国は金余りの状態、とくにアメリカはドル札を大量に刷って、中国、日本、EUにばらまき、超金融緩和の状態を続けている。
これを解消するために、自国での身を切る覚悟「実質的な増税」と「強制的な歳出削減」を決めたが、2012/6月期限を、2012年末(つまり今日12月31日)まで延長することで、「量的緩和第3弾」の発動は見送られている。
「実質的な増税」: 前大統領ブッシュ政権下で導入された大型減税策が2012年末で期限切れとなる
「強制的な歳出削減」: 2013年1月から大規模財政赤字削減が強制発動される
(国防費を中心に10年間で最大1兆2000億ドル)
しかし、現状でこの決定が実行されると、アメリカ経済は失速状態に陥り、あたかも「財政の崖」から転落すると言われている。
民主党は歳出削減による弱者問題、共和党は富裕層の増税、それぞれに抵抗して合意点が見つからない状態で、今日12月31日の期限を迎えている。
** 2013/1/1深夜、この「崖」回避法案は、上院そして下院の採決、オバマ大統領の署名で、何とか危機を凌いだ **
** ローマ法王ベネディクト16世も、新年ミサで「規制なき金融資本主義にみられる利己・個人主義的な傾向」を批判した**

つまり、日本は「財政破たん」のEU諸国や「財政の崖」に見習って、大幅な金融緩和競争に加わり、不利益を被らないようにしよう!という感じだろうか?? 日米関係の重視方針か?
ズッコケ競争の行きつく先は、大恐慌しかないはずだ。

<先日の経済誌での記事>
EU諸国で、唯一健全財政と言われるドイツの国会で、
アメリカに中央銀行に預けている金塊を、引き上げるべき、という意見が出始めているとか。
もしかしたら、他国の金に手をつけている?
他にも、イギリス、フランスの中央銀行に預けているそうだが、中央銀行間の信頼は、ここまで薄らいでいる、という。

*2013.5.2毎日新聞:
ドイツが国内外の保有金計3,391tonの中、米300ton/仏374ton計674ton(約270億€=3.8兆円)に預けていた金塊を、2020年までに回収する方針とのこと。通貨ユーロの信用不安と英仏の銀行管理への不信からという。
「有事の金」が現実味を帯びてきたか?


<エリザベス女王の記事>
イングランド銀行(英:中央銀行)が発行する紙幣には女王の肖像画が印刷されているが、女王夫妻が案内された金庫の一つに、金の延べ棒が240個(約3.6兆円分)
女王「2008年のリーマン・ショックは、なぜ誰も予想できなかったのでしょう?」
幹部「各国の金融制度が複雑に絡み合ってきているから・・・」と理由を説明。
すると、女王はうなずきながら「金融界の人々が少し、だらしなくなってきたのでしょう」
金融バブルと金融専門家に対する、一般国民の不信感を代弁していて、さすがだと思う。

経済にしても、エネルギー・原発問題にしても、
現状を肯定するだけでは、中途半端な方向しか見いだせないのではないだろうか?
ほんとうの豊かさ・幸せとは? 経済、生産と消費、エネルギーの関連は? と言った、個人的な問題を解決するような社会科学の発展に期待したい。

「人にはどれだけのモノが必要か」鈴木孝夫著(慶大教授)
石油資源は有限、使い捨て型の大量生産・大量消費が世界規模で広がれば世界は滅びる・・・
これを避けるための個人で実践できること:
買わずに拾い、捨てずに直す!
この著者の奮闘は2008年、住まいのある目黒区の「資源ゴミ持ち去り禁止条例」で止む無く終わってしまったとのこと。
ゴミに混じる個人情報、ゴミ回収業者の利害が背景と言う。
文明の病はおかしな形で表れる。
この本は、トルストイの民話「人にはどれほどの土地がいるか」に触発されて、70年代石油危機の渦中で構想が生まれたという。
この民話の主題は「欲望と節度」
主人公は、欲望に任せ、広い土地を得ることに労力を使い、そのムリが祟って死んでしまう。
彼にとって、最後に必要とされたのは、埋葬された穴の大きさだけの土地だった。
実に 考えさせられる話ではないか!


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