ご隠居さん:自我や世間の枠にとらわれず、社会の潤滑油となりたいものです。 AI時代は 人間らしい自由な発想がカッコいい

年を重ね、経験を積むにつれ、その時々の思いも変わっていく。その足跡を残しておくために

非キリスト教的資本主義の精神

2007年02月25日 | Weblog
先日「ホワイトカラー・エグゼンプション」法案の提出が引っ込められた。
残業代ゼロ法案という悪いイメージで簡単に切捨て。
お役所好みの横文字が悪い?意味としては「知的労働の時間裁量制」といったところか・・・

報酬を「労働時間」ではなく「その成果」で決める、というもっともな考えが否定されてしまった。(対象となるのは、知的労働のホワイトカラーだが、どうも過酷な労働者WorkingPoorの問題と置き換えられた感が強い)

金融、先端技術など国際的な競争が激化していく中、日本的な働き方、雇用環境では地盤沈下は目に見えている。わが国の大企業にも、定時出退社、チームワーク優先、情実人事など個人の能力や組織の活力を蝕む伝統がまだまだ根強く残っている。

ドイツ、フィンランドなど北欧諸国(ルター系プロテスタントが多い)では、「労働時間は短く/仕事は効率よく/個人の楽しみを豊かに・・」
という考え方が強いという。
個人所得・国際競争力(IT、ブランド他)だけでなく、政府の清潔度や子供の学力テスト比較でも上位にあり、米国、日本を上回る。
ドイツに海外勤務した友人の話でも、
定時になると夫婦でオペラ観劇、演奏会、休日はスキー・山歩きなどOutdoorで楽しむ。そういう生活が当たり前という。一般的にもそんなイメージがある。
これこそ成熟した文化、21世紀の個人と社会の活力を生むスタイルだろう。

*この考え方の対極として、マックスウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」があるという。改革派プロテスタント/禁欲的労働→神による救済→結果として資本主義の発展・・・厳格なカルビン系:英国、米国、オランダの言わばガツガツした労働観*

同じプロテスタントでも上記の穏便なルター系:ドイツ、北欧諸国の場合は、宗教心旺盛とは言えないがレジャー精神に富んでいる。
よく働き、よく遊ぼう!
非キリスト教的な資本主義精神とでも言えようか。

一方、日本的資本主義精神(山本七平著)では、「どんな仕事も仏行!ただひたすらに魂を込めて打ち込む」二宮尊徳のような労働観が隅々まで浸透している。
働くこと、そのこと自体が何者にも代えがたい美徳??
これが休日ちょい出、居残り残業など労働時間で個人を評価することにもつながっているのだろうか。

何でもかんでもイッショクタにして考えては、新しい時代に合った労働観を創造することは難しいだろう。





















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