ご隠居さん:自我や世間の枠にとらわれず、社会の潤滑油となりたいものです。 AI時代は 人間らしい自由な発想がカッコいい

年を重ね、経験を積むにつれ、その時々の思いも変わっていく。その足跡を残しておくために

出世意欲

2007年04月28日 | Weblog
日米中韓の約5700人の調査(青少年研究所)によると、
日本の高校生は、米中韓よりも「出世意欲」が低い、という結果らしい。

「偉くなりたいか?」という問いに、「強くそう思う」と答えたのは、
中国34%、韓国23%、米国22%、日本8%

この結果に対して、
新聞など「今の高校生は意欲がなくなってきている」として、いろんな観点で分析している。
少子化と絡めた問題提起といった感じが強い。

しかし、出世の意味合い(定義)が昔とはかなり違ってきていることもある。
明治以来の「末は博士か大臣か」は死語に等しい。
出世のイメージ:
政治権力者/お金持/各界の有名人/社会的な権威(大会社の社長、医者、裁判官)etc.etc.・・・これらは、余り好ましい存在ではなくなってきている。
むしろ、あくせくした手段でその結果を手に入れた悪役の印象さえある。
必ずしも「出世=偉い」ではないので、その辺を考えての回答かも知れない。

「どんな人間?どんな仕事?をやりたいか」(プロセス=結果ではなくその過程)が大切で、出世とは、その結果に過ぎない。
ゆとり教育が計画された頃は、高度成長万能・競争主義の是正ということが言われた。人格形成をめざした教育、成熟した社会を作ること、という意味ではむしろこの結果はその成功の証とも言えるかも。

自分も出世欲はなかったが、昔読んだ次の本が強く頭に染み付いている。
***参考*
『ピーターの法則―〈創造的〉無能のすすめ』1969年がダイヤモンド社
ピーターの法則とは組織構成員の労働に関する社会学の法則。
1.能力主義の階層社会に於いて、人間は能力の極限まで出世する。すると有能な平構成員も無能な中間管理職になる。
2.時が経つに連れて人間は悉く出世していく。無能な平構成員はそのまま平構成員の地位に落ち着き、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は無能な人間で埋め尽くされる。
3.その組織の仕事は、まだ出世の余地のある、無能レベルに達していない人間によって遂行される。

だから、少し出世の余裕を残して、一段下の階層で無能レベルを装い、プロセス(仕事そのもの)を大切にしょうではないか!!それが世のため人のためにもなる。・・・すなわち、”創造的無能のすすめ”

大企業病、公務員の天下りなど、社会を蝕んでいる現象をズバリ指摘している法則のように思えるが、、、

南カリフォルニア大学教授の教育学者ローレンス・J・ピーター(Laurence.J.Peter)により自著 『THE PETER PRINCIPLE』の中で提唱された。
***


それはそれとして、関連して次の点が気になる:
・大学の一般教養が軽視され、専門教育に重点が置かれてきているということ。
・高校の世界史未履修問題など受験一辺倒
・別の調査で、日本の小・中学生は「勉強に対する意欲が低い」という国際比較

ますます進化する高度成熟・メガシステム社会を生きていくには、人間力だけでなく、広い知識・考察力が必要で、こういう一般教養・見識が仕事を通じた社会とのつながり方、豊かな人生をも左右していると思う。
「ナンバー・ワン(競争?)ではなく、オンリー・ワン(自分中心?)に!」と言われるが、やはり他者との交流Communicationがある程度は必要だということを忘れてはいけないだろう。

偉い=出世というなら、NO!で結構、でもそのプロセス:どんな人間になりたいか?(生き方、仕事など)を求める覇気を若者には期待したい。














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