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3.11福島原発震災の後、さすがに原発推進・原発ルネサンスの声はきかなくなった。
菅首相は、「脱原発」「再生エネルギー20%目標」を置き土産に今月末辞任する。
しかし、今日のNewsでは、
民主与党47都道府県の幹部アンケートでは、賛成26(26/47=55%)に留まり、衆院を通過した「再生可能エネルギー固定価格買い取り法案」でも、わずか0.5円/1KwHr以下(月額150円)に落ち着く見通しという。
またも、現状を変えないで、産業界と家庭に心地よいその場しのぎの対応に終わりそうで、失望している。
一体、日本が原発に力を入れるようになったイキサツはどういうことだろうか?
第一次石油ショック(1973)の後、当時の田中首相が突然「発電税」を言いだし、翌1974年「電源3法」をきっかけに、原発マネーで建設が加速したという。
誰も危険な原発に受け手はないから、交付金などの迷惑料(当時の中曽根通産大臣)で、過疎地に立地。
これまでに分かっているだけでも、2.5兆円、原発21市町村の財政規模は数倍から数十倍に膨らんでいるという。
全国54基の平均で、1基当たり1384億円(50年間)の原発マネー、最近では「プルサーマル受入れ」「定期間隔の拡大」
「稼働30年以上」などの加算があり、”不安”に比例した補助になっている。
まさに原発マネーは麻薬と同じ。川柳に「高レベル ほしがる町議の低レベル」
九電のやらせメールで問題になった玄海原発の町長は「薄っぺらいベニヤ板に乗せられていたようなもの」と絶望感を表現している。(8/9毎日新聞)
そもそも、”蒸気をつくるだけ”のために、不安だらけの巨大システム「原子力発電」を使う必要があるのだろうか?
原発のことを少し分かるようになって、いつもこの疑問がわき起こる。
40年くらい前の石油ショックのときは、確かにすがる気持ちで原発に飛びついたのだろう。
科学技術の開発・進歩で何とかなる!エンジニアとしても挑戦し甲斐のある分野。
欧米からの技術導入で、原発開発も国、電力会社、設備メーカーがそれなりにモノにしてきたことは確かだろう。
①1995年高速増殖炉”もんじゅ”運転開始(敦賀市)、その3ケ月で火災事故→民主政権になり14ケ月ぶりに運転再開(2010.5月)
*この技術は水の代わりにナトリウムを使用するため危険大(炉心溶融2-3回発生)、アメリカ1984断念、英・独・仏・露も重大事故続発により断念している”悪夢の原子炉”と言われるそうだ>
②2006年3月六ヶ所村再処理工場で使用済み核燃料からプルトニウム抽出→高レベル放射能廃棄物のガラス固化での作業不能Stop状態。
*仏:電子レンジ方式を改良して日本独自のオーブン方式が災い、運転再開のメドは立っていないという。
このためか、六ヶ所村には、受け手がないままの各電力会社から出る使用済み核燃料が、大量に”一時保管”されている。
(福島第1原発の原子炉建屋にも中間プールとして3000本以上あり、この冷却が一難題)
③そのためか、資源のリサイクル”プルサーマル”が言いだされている。
従来のウラン燃料用の軽水炉で、6ケ所村の再生工場で取り出したプルトニウムを混合燃料MOXとして使う技術。
これには、運転中放射能の危険性と使用済みMOX燃料の廃棄物の危険性の増大という大きな問題があるという。
MOX発熱量が大きいため、地下埋設までに約500年間の冷却が必要という。
現在は、玄海原発のサイト内に”一次保管”で冷却監視しかない。
これまでの使用済み核燃料は、仏・英の再処理工場で処理後、高レベル放射性廃棄物として、六ケ所に戻されているが、あくまでも一次保管、最終処分地の候補(北海道)の見通しは無い状態という。
原発は”トイレのないマンション”と言われるのも納得。
とにかく、原子力技術の難解さと未熟さ、建設と運転がうまくいったとしても使用済み核燃料の気の遠くなるような監視(何100万年?)、これだけでも原発を続ける気が知れない。
この上に、巨大システム運転でのミス頻発、そして世界有数の地震国のハンディ”原発震災”を、今回経験したばかりのはずだ。
原発のこと、とくに地震列島日本のことを、もっとよく知らなくては”脱原発”も”再生エネルギー”もうさんくさく思えてしょうがない。
追記)2011.9.12
原発大国フランスの低レベル核廃棄物処理施設の溶融炉で爆発事故:死者1名、負傷4名
独、伊に続いて、脱原発への動きが加速されると思う。
仏世論調査でも、77%が脱原発を選択。
菅首相は、「脱原発」「再生エネルギー20%目標」を置き土産に今月末辞任する。
しかし、今日のNewsでは、
民主与党47都道府県の幹部アンケートでは、賛成26(26/47=55%)に留まり、衆院を通過した「再生可能エネルギー固定価格買い取り法案」でも、わずか0.5円/1KwHr以下(月額150円)に落ち着く見通しという。
またも、現状を変えないで、産業界と家庭に心地よいその場しのぎの対応に終わりそうで、失望している。
一体、日本が原発に力を入れるようになったイキサツはどういうことだろうか?
第一次石油ショック(1973)の後、当時の田中首相が突然「発電税」を言いだし、翌1974年「電源3法」をきっかけに、原発マネーで建設が加速したという。
誰も危険な原発に受け手はないから、交付金などの迷惑料(当時の中曽根通産大臣)で、過疎地に立地。
これまでに分かっているだけでも、2.5兆円、原発21市町村の財政規模は数倍から数十倍に膨らんでいるという。
全国54基の平均で、1基当たり1384億円(50年間)の原発マネー、最近では「プルサーマル受入れ」「定期間隔の拡大」
「稼働30年以上」などの加算があり、”不安”に比例した補助になっている。
まさに原発マネーは麻薬と同じ。川柳に「高レベル ほしがる町議の低レベル」
九電のやらせメールで問題になった玄海原発の町長は「薄っぺらいベニヤ板に乗せられていたようなもの」と絶望感を表現している。(8/9毎日新聞)
そもそも、”蒸気をつくるだけ”のために、不安だらけの巨大システム「原子力発電」を使う必要があるのだろうか?
原発のことを少し分かるようになって、いつもこの疑問がわき起こる。
40年くらい前の石油ショックのときは、確かにすがる気持ちで原発に飛びついたのだろう。
科学技術の開発・進歩で何とかなる!エンジニアとしても挑戦し甲斐のある分野。
欧米からの技術導入で、原発開発も国、電力会社、設備メーカーがそれなりにモノにしてきたことは確かだろう。
①1995年高速増殖炉”もんじゅ”運転開始(敦賀市)、その3ケ月で火災事故→民主政権になり14ケ月ぶりに運転再開(2010.5月)
*この技術は水の代わりにナトリウムを使用するため危険大(炉心溶融2-3回発生)、アメリカ1984断念、英・独・仏・露も重大事故続発により断念している”悪夢の原子炉”と言われるそうだ>
②2006年3月六ヶ所村再処理工場で使用済み核燃料からプルトニウム抽出→高レベル放射能廃棄物のガラス固化での作業不能Stop状態。
*仏:電子レンジ方式を改良して日本独自のオーブン方式が災い、運転再開のメドは立っていないという。
このためか、六ヶ所村には、受け手がないままの各電力会社から出る使用済み核燃料が、大量に”一時保管”されている。
(福島第1原発の原子炉建屋にも中間プールとして3000本以上あり、この冷却が一難題)
③そのためか、資源のリサイクル”プルサーマル”が言いだされている。
従来のウラン燃料用の軽水炉で、6ケ所村の再生工場で取り出したプルトニウムを混合燃料MOXとして使う技術。
これには、運転中放射能の危険性と使用済みMOX燃料の廃棄物の危険性の増大という大きな問題があるという。
MOX発熱量が大きいため、地下埋設までに約500年間の冷却が必要という。
現在は、玄海原発のサイト内に”一次保管”で冷却監視しかない。
これまでの使用済み核燃料は、仏・英の再処理工場で処理後、高レベル放射性廃棄物として、六ケ所に戻されているが、あくまでも一次保管、最終処分地の候補(北海道)の見通しは無い状態という。
原発は”トイレのないマンション”と言われるのも納得。
とにかく、原子力技術の難解さと未熟さ、建設と運転がうまくいったとしても使用済み核燃料の気の遠くなるような監視(何100万年?)、これだけでも原発を続ける気が知れない。
この上に、巨大システム運転でのミス頻発、そして世界有数の地震国のハンディ”原発震災”を、今回経験したばかりのはずだ。
原発のこと、とくに地震列島日本のことを、もっとよく知らなくては”脱原発”も”再生エネルギー”もうさんくさく思えてしょうがない。
追記)2011.9.12
原発大国フランスの低レベル核廃棄物処理施設の溶融炉で爆発事故:死者1名、負傷4名
独、伊に続いて、脱原発への動きが加速されると思う。
仏世論調査でも、77%が脱原発を選択。
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