ご隠居さん:自我や世間の枠にとらわれず、社会の潤滑油となりたいものです。 AI時代は 人間らしい自由な発想がカッコいい

年を重ね、経験を積むにつれ、その時々の思いも変わっていく。その足跡を残しておくために

南方熊楠展

2018年02月03日 | 私生活 雑感
一昨日、凡人には破天荒?ともいえる生き方をした南方熊楠を、現代の知の源泉Googleに対比した企画展に行ってきた。
入り口に小学生が整列待ち、中学生の男女が三々五々で社会学習?、一人見の学生など若い人たちが多いのは意外だった。
「森羅万象」を研究した南方熊楠が、植物採集に夢中になったアメリカ(1887-1891)から、イギリス(1891-1900)に渡り、大英博物館に入り浸り、ジャンルを問わず好奇心に任せて調べまくった足跡。
そこで出会った研究者達との交流が、彼の才能を大きく開花させて行く。

残されたノート(ロンドン抜書)に、精緻な観察とダイナミックな発想が溢れ出ている。[user_image 7e/3f/fba1ecfecb3f90e6f75c81c69lddd6c0a.jpg]
まさに思考の源泉、データベース化されたGoogleの世界のようです。
それにしてもその記憶力と短期間に身に着けた語学力には感心する。
自然採集のサンプルを外国文献で自分なりに体系化し、一見 他人には雑然と見えるような資料の数々。
学問的な成果としては、まとまったものがないという。
わずかに、「南方二書」、これは神社合祀反対運動を訴えて、民俗学者柳田国男との書簡をまとめたもの。
日本の自然保護運動の草分け的な業績となっているらしい。
もう一つ、数千枚にも及ぶ「菌類図譜」があり、最近の発見が第二集としてこの展示で初公開されていた。
「一切智」=一切のものについて完全に知る智慧(仏教語) 熊楠の生涯はこの一語に尽きると総括されている。
今後、熊楠の業績が多面的に研究されるにつれ、熊楠マンダラともいわれる世界が見えてくるかもしれない。アインシュタインが、相対性理論を、これと対極の量子理論を含めた統一理論にまとめようとして、夢半ばで亡くなったという逸話をふと思いだした。
Net社会、PCやスマホで何でも好きな情報が手に入る今、真贋の見極めができなくなってきている。
自分の直感と好奇心を磨き、根っこを生やした生き方をしたい、と反省させられた展示でした。
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