棋楽庵の九州将棋ふまわり日記

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■早咲World-No.005 コンパル春祭り将棋大会A級準決勝-対竹永国弘戦(S63.3.20)

2006年07月02日 | ◆早咲World
★早咲World-No.005 
 コンパル春祭り将棋大会A級準決勝 対竹永国弘戦
 (昭和63年3月20日)

[自戦解説:早咲誠和]

▲早咲誠和
△竹永国弘



▲7六歩    △3四歩  
▲6六歩    △6二銀(A)  
▲7八飛(B) △8四歩  
▲6八銀(C:第1図)
        △8五歩  
▲7七角    △4二玉  
▲4八玉    △3二玉  
▲3八玉    △5二金右 
▲2八玉    △5四歩  
▲5六歩    △5三銀(第2図)


(A)飛車先不突で先手の様子を見る。
(B)三間飛車を選択。  
(C)石田流を目指すと棒金が嫌だったのだろう。


▲3八銀(D) △3三角
▲5八金左   △2二玉  
▲1六歩    △1二香(E)  
▲6七銀    △1一玉  
▲7五歩(F) △2二銀  
▲6八角    △9四歩  
▲9六歩    △8四飛  
▲1五歩    △3一金  
▲9八香    △4二金寄(第3図)



(D)先手は美濃囲いに決定。
(E)後手は居飛車穴熊を目指す。このあたりは18年前とはいえ現代と遜色ない運び。
(F)三間飛車から後手の棒金がないのを見越して石田流へ。
 

▲4六歩    △3二金寄(G) 
▲4七金    △6四銀(H)  
▲5七金(I) △5五歩  
▲同 歩    △同 銀  
▲7六飛    △6四銀  
▲5六金    △4二角  
▲6五金(J:第4図)





(G)後手の穴熊が完成。ここまで組むと強く戦うことができる。先手としては1五歩、
   9六歩、9八香等余分な手が多すぎる。序盤は後手リード。
(H)機敏な一手。固めるのではなく飛・角・銀で攻めるのが正しい感覚。
(I)△5五歩を受けるためとはいえ、これでは辛い。後手ペースに。
(J)この指し方は今では考えられない。若さというものだろう。


        △8六歩(K)  
▲同 歩    △8七歩  
▲7七角    △3三角(L)  
▲6四金(M) △同 歩  
▲8五歩    △同 飛  
▲6五歩    △8八歩成(N:第5図) 






(K)手筋の突き捨て。居飛車はこの歩を突く時期が少し早いかなと思うくらいで問題な
   い。
(L)落ち着いた手。先手としては手の施しようがない。
(M)ここから暴れるが意味がない。
(N)大きな一着。


▲8六歩    △8四飛  
▲3三角成   △同 金  
▲7四歩    △8九と  
▲7三歩成   △8七角  
▲5六飛    △6五角成 
▲5一飛成(O)△5五桂  
▲6六歩(P:第6図)





(O)苦しいながらも手順に竜を作ったのは戦果か。
(P)この歩で馬が消えては後手面白くない。


        △3八馬  
▲同 金    △6七桂成 
▲5三角(Q) △4一金打(R) 
▲7一竜    △8六飛  
▲7四角    △8八飛成 
▲4一角成   △同 金  
▲同 竜    △4七銀(S:第7図)





(Q)穴熊に対してこの角は攻防によく効く。
(R)当然の一手。穴熊は堅さが命。
(S)通常はこれで後手勝勢だが。


▲3九金打   △3八銀成 
▲同 金    △5七成桂 
▲3九銀    △4七銀(T)  
▲3一銀    △3八銀成 
▲1七玉(第8図)







(T)攻めずに△3二銀とすると▲3一銀(参考A図)で逆転。















        △3一銀(U)  
▲同角成(V) △4四角(W:第9図)










(U)危ない手。△3二金打が堅い受け。
(V)ありえない手。ここは▲同竜(参考B図)とすれば難解。後手玉は必死なので先手
   玉を詰ますか攻防の角を抜くしかないが秒読みでは困難。
(W)以下は手駒と盤上の駒を目一杯に使って即詰み。序盤の失点が大きかったようだ。
   竹永さんは穴熊を指しこなして中学生名人を一蹴した。















▲2六金    △同 角  
▲同 歩    △2七金  
▲同 玉    △3七成銀 
▲同 玉    △3六銀  
▲同 玉    △3五金(最終図)  
まで、108手で竹永さんの勝ち






この対局の数日後、私は14歳で大分県王位戦の決勝で安藤耕平氏を破っての初優
勝。当時の最年少A級優勝記録となり、また最年少での県代表(宗像王位=現西日
本久留米王位戦)となった。

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