ブダペストは、美しい街並で知られる都市ですが、僕の最大の目的はここで日本人宿に泊まることです。日本人宿というのは、世界中に存在する日本人の溜まり場になっている宿で、安い宿泊料金で、日本語の小説やマンガ、旅の情報ノートが置いてあるというかなり魅力的な宿です。アジアや南米には結構あるのですが、ヨーロッパには存在が少なく、この旅では一度も泊まっていませんでした。でもブダペストには有名な日本人宿「ヘレナハウス」があることをネットで知っていたので、今後の東欧旅行の情報収集と英語疲れを癒すためもあり、泊まることにしたのです。(せっかくの2週間の語学留学はなんだったんだ、という意見もありますが)
ロンドンからの飛行機は1時間半も遅れて飛び立ち、ブダペストに着いたのは夕方の6時くらいでした。ネットで調べた住所を頼りにバスと地下鉄を乗り継いで宿のあるはずの場所へ行き着いたのですが、それらしきサインは全くありません。ヘレナハウスはプライベートルームなので、マンションの一室を旅行者に開放しているだけで、ホテルとしての体裁がないみたいです。入り方が分からないのでこの日の宿泊はあきらめ、幸い道の向かいにユースホステルがあったので初日はそこに泊まることにしました。そこの宿泊客はさすがに白人ばかりだったので、語学留学の成果を発揮するチャンスがいきなり到来です。夕食はオーストリア人(20:ウクライナでドイツ語教師)と、翌朝の朝食はカナダ人(熟年:社長をしていたビジネスを売って、世界中を旅行中)と一緒に食べたのですが、やっぱりスピーキングはそんなに上達していませんでした。。。まあ、仕方が無いので気長に伸ばして行きたいと思います。ヘレナハウスへの入り方はネットカフェで調べました。(なんと、mixiにヘレナハウスのコミュニティがありました。)
翌朝10時頃、ヘレナハウスへ。宿には日本人がまだベッドでごろごろしています。ああ!なつかしい、この感じ!昔、バルセロナやクスコで日本人宿に泊まったことがあり、このゆるい感じがとても気に入っていて、いつか僕もこういう宿でゆっくりしたいなあ、と思っていました。(当時は1週間の旅行だったので一泊であわただしく出て行ってました。)午前中は久しぶりの日本人との会話に狂喜し、午後はこの宿はランチがついているので、それを食べ、昼過ぎまでだらだらと過ごしました。ああ、一気に英語を忘れそう。
重い腰を上げて観光へ。ブダペストはさすがに有名な観光地だけあって街並は美しいです。ドナウ川、くさり橋、王宮の丘と行きましたが、かなり良い雰囲気です。ただ、オフシーズンだからなのか観光客は少ないし、活気もあまりありません。たまに旅行者との間でプラハとブダペストが似ているので、二つを比較する話をするのですが、訪れる時期にもよるのでしょうが、僕は町が小さくて旅行者が多く活気に溢れるプラハが好きです。特に夜景は圧倒的にプラハの方が綺麗です。ブダペストは、新しい建物が観光地にまぎれて林立しているし、車道が多くて交通量も多くて、そこはあまり好きではありません。と、悪口を書いたりしてしまいましたが、ブダペストは物価も安いし、町も美しい良いところです。基本的には好きです。気温が低いところは嫌いだけど。
静かに流れるドナウ川
王宮の丘に登っている途中に「きしもとさん!」と声をかけられ、何かと思ってキョロキョロしていると、同宿の韓国人の女の子が上から声をかけてきてくれていたのです。びっくりしました。彼女は10年以上日本に住んでいたことがあるらしく(彼氏も日本人。その彼氏はオーストリアに留学中で、彼に会うためにこの旅行に来たそうです。)日本語がぺらぺらで、一緒に観光しながら韓国の文化などについていろいろと話を聞けました。韓国人はやっぱり赤ちゃんのころからキムチを食べるとか。
寒さに震えながらくさり橋のライトアップを観光し、宿へ戻りました。
宿では日本人数人+その韓国人の女の子で、深夜まで旅の話やくだらない話でだらだらとしゃべり、「ああ、日本人宿っていいなあ」と思いながら、英語を忘れつつ、心地よい眠りにつきました。