落語のお勉強に天満天神繁昌亭に行きました。
まずは、繁昌亭の南側にある大阪天満宮へお参り。神社仏閣へは「行く」ことはあっても「参る」ことの少ない私です。信心がないからなのですが、今年正月にたくさんお参りしたからでしょうか、手を合わせてみる気になりました。こちらは天神さんです。私にはもう手遅れですが、頼りない二人の息子にわずかでも知恵がついたら…。静かに手を合わせたのでした。朝の天満宮はボーイスカウトが集合の練習をしていたり、本殿では神職たちが朝のお勤めをしています。地元の人でしょうか、一人でやってきては丁寧にお辞儀をして手を合わせ、またすぐに帰る人の多いこと。信仰が根付いているのですね。私は初詣で基本セットとなった、絵馬を撮影しました。
それから、この天満宮の北側に位置する常打ちの寄席、天満天神繁昌亭へ行きました。2006年9月に開席(オープンしたことを寄席では「開席」というらしい。MS-IMEにもこんな単語はありません)だそうですから、5年とちょっとの歴史ですね。私は初めて訪れましたが、ネームバリューの割には小さな小屋です。客席数も200余。ちっちゃいとも言えるし、高座と客席が近いとも言えます。2階席も含めてこの数です。1階席から見上げると、2階席がぐっと前方に迫ってきているように見えます。緞帳には天神祭の船渡御の絵。安野光雅さんの絵のタッチに似ていると思いましたが、まったく別の人の絵らしい。
私がお勉強に行ったのは朝席と呼ばれるもので、団体貸切公演です。その中身が上方落語入門講座。通常は学校の児童生徒対象に行う講座のようです。90分で落語解説、寄席囃子紹介、そして落語が2席。登場したのは桂米左さんと露の団姫さん、それにお囃子の花登益子さん。落語は「時うどん」と「皿屋敷」。この日の大阪市内の最高気温が5度ほどの寒い寒い日でした。こんな日に幽霊の噺はどうかなとは思いますが、囃子解説とリンクしている演目が選ばれたのでしょう。入門講座にふさわしい演目ですね。90分の間に、客席が笑いとか打ち解け度みたいなもので、あったまってくるのが感じられます。楽しかった。
落語という芸能がどんどん身近になっているように思います。常打ちの寄席が作られ(関西で60年ぶりらしい)、こうして存在していますし、講演会などの場で、講演ではなく落語の公演が行われる機会も増えたように思います。そんなに落語に強い思い入れのあるほうではない私が年に1,2度聞く機会があるというわけですから、きっとどんどんメジャーな芸能になっているはずです。
繁昌亭の後は昼ご飯を食べるために、天神橋筋商店街を北向きに歩きました。日本一長い商店街だとか言いますが、確かに長い。ここがどこかわからなくならないための目印でしょうね、アーケードには鳥居の模型が一定間隔で吊り下げてあって、まとまりごとに色が変えてあります。2.6kmに600店舗が軒を連ねているといいますから確かにすごい商店街です。
その中で一同の意見が一致した店は「ビフテキのHibio」というお店。近頃少々耳から遠ざかっているビフテキという耳触りのいい響き。店内に入るとボトルキープでしょうか、焼酎の4合瓶も並んでいます。料理人は帽子からユニホームまで真っ白の出で立ち。昭和の香りという雰囲気です。ステーキランチ1050円を食べました。写真にスープとコーヒーがついています。ボリュームにはやや欠けるものの、いい気分でお店を出ました。
ここから扇町公園を横切って梅田に行き、さらに御堂筋を本町まで歩きました。やはり街歩きは楽しい。
地下鉄に乗る時、改札口の横に置いてあった広報用の冊子、「ノッテ オリテ」を帰りの車内で読んでいたら、繁昌亭客席天井の提灯の話題が載っていました。天井を埋め尽くすかの数の提灯。気付かなかった。こんなふうになっていたんだ。繁昌亭の外側にはたくさんの提灯があるのに気付いていましたが、客席の天井を見上げるのを忘れていました。うっかりです。それだけ高座に集中していたということにしておこうっと。
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