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鳥羽までは何度も電車に乗っているはずです。でも、クルマで行くことのほうが多いかもしれません。志摩スペイン村だってクルマのほうが便利です。前回電車で鳥羽へ行ったのは…ええと、10年以上は前か。鳥羽から先の志摩線は乗ったことはないはずです。これも賢島へ行ってみようと思う理由のひとつ。
五十鈴川で乗り換えた賢島行き普通電車は2両編成のワンマンカー。塗装も見慣れないクリーム色と緑色の二色塗。志摩線開業90周年の復刻塗装だそうです。
そういや途中の青山町でもクリーム色と紺色の二色塗装の車両を見かけました。昔の近鉄特急のカラーリングだというわけで、記念塗装はファンにはうれしいのでしょうが、私のように素人は、「えっ、どうなってるん?」と慌てることになります。
休日の朝とはいえ車両には5,6人の乗客。池の浦まで進んでやっと山の間に海がちらっと見える。鳥羽に到着するとほとんどの客は降りてしまいました。鳥羽でしばらく停車らしい。車窓から鳥羽の駅前を眺めてみると、様子は30,40年の間ほとんど変わっていないように思えます。潮風に吹かれて色あせた建物たち。隣のホームに名古屋から近鉄特急が到着しましたが、終着駅なのに6両から出てきたのは10名ほど。コロナ禍のせいか寂しい休日の鳥羽駅です。
数人だけを乗せて2両編成は出発。昔、ぶらじる丸って船が鳥羽に係留されていたよなと思い出しました。1996年に中国へ引き取られていったらしい。25年ほど前にいなくなったぶらじる丸を思い出すほどに、私の鳥羽の風景は更新されていないのでしょう。
志摩線というネーミングの割には線路が海から遠い。山に囲まれた谷を走っていく様子です。田植えをしたばかりの水田もある。前半は駅間距離が短い目。地元の集落を結ぶ鉄道なのでしょう。普通電車は一時間当たり2本。しかし、ほぼ全線が複線化している志摩線、近鉄特急が走るのがメインの路線です。志摩線とほぼ並行して走る国道167号線沿いに、水中翼船を目印に置いた土産物屋さん。これは昔からありましたよ。季節柄、あちらこちらで紫陽花の花が咲いているのが見えます。また線路際にはオレンジ色のピンポン玉くらいの実がついた木、枇杷の木です。
昔、まだ学生時分に鳥羽マリーナへ連れて行ってもらったことがあります。的矢湾で水上スキーをしたことがある。3度目で水上の人になれました。後にも先にも水上スキーなんて体験はこの一度だけです。その鳥羽マリーナは駅でいえば、鳥羽よりも志摩磯部のほうが近い。
志摩線全体でいえば、鳥羽を出てから賢島まで小さな山をふたつ越える計算です。一つ目の山は五知駅辺り。国土地理院地図では標高45mほど。ここから下って、志摩磯部駅辺りで標高1mほど。車窓から湾の向こうにパルケエスパーニャが見えます。再び標高を上げて志摩横山駅の手前で27mほど。鵜方駅で下って最後の賢島で10mくらいに上がるという様子です。
(つづく)
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