島根県松江市にある李白酒造有限会社の2種の日本酒を比較してみようとする企画です。
いつも前置きをしていますが、自分のための飲んだお酒の記録です。客観的に伝える力量はないので、アテにしないでくださいね。
李白もやまたのおろちも私にとっては、思い入れ深いお酒です。李白は、6年ほど前でしょうか、出張で松江に泊まったとき、コンビニに4合瓶が置いてあったのを買ってホテルの部屋で飲んでみました。1200円か1300円くらいだったと思います。嫌な言い方ですが、価格的にも期待はしていなかったのですが、常温で飲んだこの李白が、なかなかよいレスポンスだったという記憶が李白との最初だったと思います。もし、銘柄が中国の酒飲みの詩人、李白でなかったら、私はこの酒を素通りしていたかもしれません。月を取ろうとして溺死したという逸話のある李白。そして自分が今宍道湖のほとりにいるということ。出来過ぎの感があります。
一方、やまたのおろちは、2015年の秋、松江で夕日を見て、その後の居酒屋で飲んだ日本酒のなかで覚えていたのがやまたのおろちという銘柄だけ。ところが、この二種の銘柄が私の中で、同じ醸造所から生まれたものであると結びつかなかったのは、きっと私の中でヤマタノオロチは出雲市辺りのものであると思っていたからに違いありません。宍道湖へ西側から流れ込む斐伊川にヤマタノオロチが住むと伝えられていることを何十年も前に勉強しました。冷静に考えれば出雲市も松江市も出雲の国ですから、やまたのおろちという名の日本酒を松江市で醸していても不思議ではありません。
長い前置きになりました。
今回登場するのは、李白 純米吟醸 超特撰。
そして、やまたのおろち 超辛 特別純米。
まずは共通する部分から。どちらも度数は15度。どちらにも「冷や又は冷やして、燗の場合はぬる燗で」と書かれています。
李白は山田錦100%を55%の精白度。やまたは酒造好適米100%を58%ま精白度。
冷で飲んでみました。
李白は、辛口ですがふくよかでおだやかな上品な味。やまたは香りが強く、辛口で力強い。なにがなんでも辛口こそ味わうにふさわしいという方は文句なしに、やまたでしょう。ビールのCMではありませんが、辛さ、キレというなら超辛を売りにしているやまたを選ぶべき。辛さにもほどがあるぞという方は、李白がよろしいかと思います。
あくまで比較しての話ですから、どちらもきりっと引き締まっていておいしいねという範疇での話ですよ。
ところがです。後日、やまたを冷蔵庫で冷やしてみました。もっと辛口になると思いますよね。なぜかまろやかになって、辛口の激しさが消えるのです。わからないものですね。
それで、今度は「冷やして」対決。冷やしても、果実のような香りはしっかりと届く李白。きりっと引き締まった、嫌みのない味、上品です。
一方のやまた。面白いほど「水」です。そっけない。アルコールも冷やしている分、食道を通ってもしばらくは感じず、あとから「水だと思って飲んだらお酒だった」と感じるくらいです。
比較をしてしまうので、こんなレポートになってしまいますが、きっとやまたもおいしい。松江の夜に飲んだときは、「辛口でうまい」と思ったもの。
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