京都府宇治市にあり、西国三十三寺の御詠歌にも登場する有名なお寺。
御詠歌なんてものに無縁なまま大きくなりましたが、祖父母や父が亡くなってから急に御詠歌が近しくなりました。とはいっても、ソラで詠めるほどには仲良くなれず部分的に知っている程度です。
その御詠歌の十番に三室戸寺が登場します。また、宇治市を代表する観光地でもあるようで、宇治橋付近まで行くと道路標識に案内が出て来ます。いっぺんどんなところか見て見たい(お参りしたいとは言わないところが信心のなさを表していますね)とずっと前から思っていました。しかしながら当方、人の多いところが苦手で気遅れてしてしまうタチ。
このたび例によってご主人様が、「紫陽花を見に行く」と言いだし、お供したのでした。
紫陽花もピークを過ぎたころ。平日とはいえ、そこそこの参拝客。1200年前に創建されたという古刹にしては小さな谷に境内と庭園があるお寺でした。紫陽花の色が華やかな大庭園を右手に見ながら本堂まで歩いて行く。最後は石段で、花を見ながら極楽に行くかのような配置です。
石段が終わったら左手に手水。ここに紫陽花や咲き始めた蓮の花が添えられています。こういうのを花手水というそうな。「インスタ映え」を意識した演出なのでしょうか。和風ではなくむしろ洋風の花の楽しみ方のような気がしますがどうなんでしょうね。手水の向こうにかけられているのは絵馬ですが、ハート型でピンク、紫陽花のデザイン。若い人にはウケるんでしょうね。
たくさんの鉢植えの蓮の花越しに本堂が見える。これまたうまい演出だと思いました。本堂から石段を下りると大庭園。確かに半端ではない紫陽花の数。何も知らない私のこと、まったく知らなかったのですが、紫陽花だけでなく、石楠花、躑躅、蓮に、秋には紅葉と、年に何度も「見頃」のあるお寺だったのです。さきほど、「古刹にしては小さな谷に境内と庭園があるお寺」と書きましたが、ぐるっと歩いて思うのは、谷にあって、山に囲まれているせいで、周囲の町や喧騒と切り離されているとも言えます。ここは極楽浄土!
よく、「商売の上手な寺」(この寺のことではなくって、一般的に)とか揶揄する人がありますが、神社仏閣においても生きていかねばならないわけで、その時代その時代にいかに多くの「お参り」を集めるかは大切なこと。それに参拝者からしても、魅力ある寺に行きたいと思う。
昔々習った、「竹取物語」。竹の中にいた、「三寸ばかりなる人」かやがて大きくなって、その娘に「なよ竹のかぐや姫」と名付けたのは、三室戸斎部の秋田という人でした。この秋田さん。この寺とは関係ないんだろうな、たぶん。
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