毎年、畑でタカノツメを一本だけ育てます。せいぜいスパゲティの辛味付けとかコーレーグースづくりとか、その程度なので一本分の実があれば一年間は十分に足ります。
ところが、昨年収穫したタカノツメは辛味が頼りない。土の滋養が足りないのかサイズも小さい。一人前分のスパゲティに3本使っても、効いているのかいないのか、はっきりしない様子。また、コーレーグースも辛いと思うほどにはならない。誰かにこの話をすると、そもそも販売時までに苗が入れ替わったんじゃないのと言う。唐辛子系統は、苗を見ただけでは正確な品種はわからないもの。あなたが一本だけ買った苗はタカノツメではなかったのではないかというわけです。
昨年の夏以降、収穫しては洗濯ネットに入れ、収穫しては…もちろん、洗濯ネットはタカノツメ専用に買ってきたものです。それなりに赤い実がたまったので、辛くないからといって、捨てるには忍びない。じゃ、一味唐辛子を作ってみよう。今年は遅かったといわれる梅雨入りの翌日に作業を始めたのでした。
乾燥したタカノツメ(と思っている赤い実)からまずヘタをとる。そして中身の種を抜くのですが、どのようにしたら短時間で効率的にできるか。やっていくうちに、これがよかろうと思ったのは赤い実をよくもんで、種が自由になったのを確認して指で二つに割る。半分になった身から種をぱらぱらと落とす。この方法が早いようです。ハサミで切ることもやってみましたが、効率的ではありません。何しろ敵は小さい。身長?3cm程度ですから。色の悪いヤツは捨てていく。
2時間ほどかかって、種を抜くところまでは終了。ヘタと種を捨てた赤い皮をフードプロセッサに入れて、スイッチオン。轟音を立てながら少しずつ一味唐辛子になっていきます。唐辛子の香りも出てくる。いい感じ。
少しつまんで、口に入れてみる。確かに辛味は頼りない。いや、後から少しずつ辛味が追いかけてきます。んっ?もしかしたら結構辛味は強いかも。最初は「私辛くなんかないわ」と知らん顔していて、ゆっくりじんわり辛味が押し寄せてきます。
できた一味唐辛子をジップロックに入れてチャックをしておしまい。
ところがそれから数時間たって、右手の人差し指あたりにヒリヒリ感がやってきた。作業を終えてから何度も石鹸で手を洗っているのに。カプサイシンは皮膚の奥深く入り込んでいるのでしょうか。何かをつまんだりして指先に圧力がかかるとヒリヒリする。それに指先に多少の熱を感じます。うっかり、皮膚を掻いたりしたらひどい目に遭いそうです。粘膜等にも気をつけなきゃ。風呂に入っても、皮膚深く入り込んだカプサイシンは流れ落ちない様子です。
それでようやく思い出したことがあります。タカノツメの代わりにハバネロでコーレーグースを作った時の記録を記事にしていました。カプサイシンは手ごわい。
翌朝、指先にはまだ熱っぽい感じが残っています。作業は手袋とマスクを忘れないように。
その夜、帰宅したらジップロックに入れて保管してある自分の部屋が、もわっと唐辛子臭に包まれている。空気感染という言葉がありますが、カプサイシンって、空気中を漂うのか。甘く見てはいけませんね、カプサイシン。
そうだ、会社にもっていって、辛い物好きの若いもんに分けてあげよう。
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