
テレビの画面ではよく見かけることがあるのに、実物はほとんど見たことがないものって考えるといくつも思いつきますよね。私にとっては東京湾にかかるレインボーブリッジもそのひとつ。
新幹線で東京へ行ってもこの橋を見ることはありません。2018年に恩賜浜離宮公園に行きましたが、その時の写真を確認しても、そこからレインボーブリッジの方向はビル群にさえぎられて橋までは見えません。
そのレインボーブリッジを徒歩で渡れることに気づいたのは、1年くらい前のことだったと思います。橋フェチを自認する私のこと。海の上にかかる橋に歩道があると気づけば歩いてみたいと思うものです。みんなそうですよね。えっ、みんな同じ気持ちじゃないの?
山手線の田町から南へ歩いて行けば橋にたどり着く、くらいの知識だけを持って、田町の改札口を出たのでした。在来線に並行する東海道新幹線の写真を撮って、南方向に歩きます。
この辺りを芝浦というらしい。東芝の発祥の地が芝浦、つまり東芝は東京芝浦電気の略だと昔聞いたことがあります。東京モノレールの下を潜って、やがて水辺が近くなってきます。工場や倉庫が立ち並んでいるところだろうと思っていたら、マンションも結構多い。
やがてループ状の高架橋と、ピラミッドみたいなビルの間を通って、レインボーブリッジ遊歩道の入り口にたどり着くのですが、ここで気をつけたいのは、道路右側の歩道を通るべきであること。上の写真、車道の左右に歩道がありますが、右のほうを歩かねばなりません。右のほう私は左側を歩いていましたので、車道を横切って、ガードレールを跨ぐはめになりました。
遊歩道の入り口はアンカレイジにあります。事前知識なしに進んでしまったので、サウスルート(車道の南側の歩道)に入ってしまいましたが、反対側のエレベータに乗っていたら、ノースルートを通るようです。芝浦側では、エレベータの選択が分かれ道です。自転車の場合は、芝浦側からはサウスルート、台場側からはノースルートと一方通行になっています。また遊歩道上は、押して歩かなければなりません。
レインボーブリッジは二階建ての構造です。二階部分は首都高速11号台場線、一階部分の中心にはゆりかもめ、それを挟むように一般道(湾岸道路海岸青梅線)、そしてその外側が遊歩道になっています。アンカレイジ部分から扉をあけて歩道に出ると、まず一番の印象はレインボーという言葉の響きとは裏腹に、古びた埃っぽい空間であること。1993(平成5)年8月26日開通だそうですからそろそろ30周年。名前はレインボーのままでも古さは否めませんね。車道と歩道の間は丈夫なガードレール。そして外側空間との間はしっかりと金網が張ってあって安全に作ってあります。金網の目は一眼レフのレンズよりも少し細かいくらい。コンパクトカメラはこの網目にレンズを突っ込むことができますが、立派なカメラだと外の景色は撮りづらい。台場側の上陸までここから1523mあるそうです。
その日は結構な風が吹いていました。高い高い!晴海ふ頭に着岸する大型線がこの橋を潜って行くわけですから高さを確保しなければなりません。橋げたまでの高さが52mあるそうです。右手の後にはきれいなループが海の上に張り出しています。一般道と間にゆりかもめの軌道。地上からここまでの高さを稼いでいるわけです。羽田に着陸する飛行機が高度を落としていく。それも二機同時に飛んでいるのが見えるということは滑走路が二本あるということでしょう。
前方、橋の到達地側にはこれもよく見たことのある(ただし画面でだけど)フジテレビの社屋。その手前には緑で覆われた島がいくつか。少し右手に視線を移すと、東京国際クルーズターミナルの向こう、海の上にパラボラアンテナのようなものが浮いています。これはなんだろうと調べてみると、風の塔というらしい。東京湾アクアラインのトンネル部の換気のための設備だということがわかってきました。二本の塔が立っていて高い方が90m、低い方でも75mあるというのだから驚きです。海ほたるというものがあるのは知ってましたが、風の塔は知りませんでした。
(つづく)
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