立ち止まって景色を眺めたりシャッターを切ったりして、回りの人たちからもおのぼりさんであることがはっきりわかる私。この遊歩道を行き来する人たちにはパターンがあることがわかりました。一つ目のグループは散策そのものが目的である人たち。橋フェチかもしれませんしデートかもしれません。2つ目はフィットネスの人たち。自転車の人もジョギングの人もいますが身体を動かすことが目的です。もうひとつが、地元の人で日常の中に橋の利用がある人たちです。外国人らしき人たちもいます。
橋の中央部にやってきました。中央部を過ぎたはずと振り返ると下り斜面に変わっていることがわかります。吊り橋は中央部が一番高いのです。海面から橋げたまでの高さが52m。思い出すのは全日空61便ハイジャック事件のこと。確か、犯人はこの橋の下を潜れと指示したはず。その時の機材、ボーイング747-400の尾翼高は19.4mあるらしい。ヘリコプターやセスナ機ならともかく、高さ52mの空間に背丈20mほどの機体を潜らせることになるわけです。どんなに操縦の腕がよくても、そんなことできる?素人考えですが。実際に潜ることはなかったのですが、犯人はこんなことを真面目に要求して機長の命を奪った。1999年7月のことです。
さて、前方に緑で覆われた島のようなものが見えます。江戸時代末期に、黒船の脅威を感じた幕府は侵入者を制覇するために砲台を設置した、そのための島が品川台場であるということは知っていたのですが、もちろん実際に見るのはこれが初めて。当時の台場はすでに埋め立て地の中に埋もれているものと思い込んでいました。それを今、まったくのふつうの人間が徒歩でやってきて見下ろしている。台場を作った人たちは、百数十年後にこの台場が橋を歩く人たちから見下ろされると思っただろうか。不思議な感覚です。最初に見えるのが第六台場。上陸はできないようです。第六台場の後方にある細長い島が鳥の島(旧防波堤)というそうです。芝浦側のアンカレイジから台場側のアンカレイジまで16分。吊り橋はここまで。
台場側のアンカレイジを過ぎると橋は左にカーブします。そこまで来ると見えるのが第三台場。ここはいわゆるお台場と陸続き、台場公園と呼ばれる上陸可能な台場のようです。人々が第三台場を散策しているのが小さく見えます。屋形船がお台場海浜公園から出てきました。隅田川を中心に営業する屋形船なのでしょう。
芝浦側から徒歩で海を渡った私たちはアンカレイジを過ぎてからが結構長い。つまりこういうことです。徒歩の人たちにとっては、芝浦側はアンカレイジの中をエレベータで橋げたまで一気に上げてもらう。一方、台場側は徒歩でアンカレイジまでゆるやかに歩いて高さを稼ぐ。だから芝浦側からやってきた人たちは、お台場側アンカレイジで橋は終わりと思い込むのですが、さらに700mほど歩かなければ上陸できません。お台場のビルの間から一瞬見えたのは東京ゲートブリッジ。2匹の犬が向かい合っているようなかたちの橋です(世間では恐竜が向き合っているような、と捉えられているらしい)。この橋にも歩道があることを知りました。歩いてみたい!但しこの橋は片側から歩道に入って海を渡っても、その先で地上には降りられないようです。多分、災害時の緊急用に歩道が作ってあるのでしょう。それに、この橋へは徒歩の者にはアプローチが悪いようです。いつか制覇したいものです。
緩やかな歩道を歩いて、台場側へ上陸。立ち止まったり写真を撮ったりしながらではありますが、芝浦側のエントランスからお台場上陸まで33分の橋フェチでした。このレインボープロムナードには両端に警備員さんが配置されています。お台場側の警備員さんにゆりかもめの乗り場を教えてもらって、お台場海浜公園駅から新橋に戻ったのでした。レインボーブリッジを渡ってからの大きなループ。ぐるっと一周する間の景色の変化がとても楽しい。
新橋到着。念願叶いました。楽しかった。
(4月下旬訪問)
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