あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
今年の3月で「若手教員研修」が終了し、4月からは「中堅教員」と呼ばれるようになるようです。そんな私ですが、実は昨年後半で50歳になりました。定年までの教師生活はあと10年、ということになります。以前勤めていた会社を辞める直前の状況と比べると、はるかに楽しくヤリガイのある毎日を過ごしているため、正直、「もっと早く教員になっていれば良かったな」と思っています。ですので、現在、教員への転身を迷っている方には「なるなら早い方がいいよ」というアドバイスを贈らせていただきます(教員適性があり、教員に転身した方がいい諸条件を満たしている方向け限定ですが^^;)。
さて、昨年12月に支給された冬のボーナス(期末手当および勤勉手当)と12月給与によって、2013年の年収が決定しました。以前勤めていた会社での最高時年収より2割以上少ないのですが、辞める頃の、業績悪化によって大幅に減らされた年収よりは上です。それを思えば「ありがたい」と感じています。
その額をはっきり書くのは差し控えますが、「東京都教員に転身した場合の給料」は、「東京都 教員 給料」などとネット検索すれば簡単に見ることができる資料で算出できます。算出に必要な資料は下記の2点です。
1.(東京都)教育職給料表
http://www.saiyou.metro.tokyo.jp/ninnkyuu/24121kyuuryou/24121kyuuryou_pdf/24121_kyouiku.pdf
2.(東京都職員の)給与の算出方式
http://www.saiyou.metro.tokyo.jp/ninnkyuu/kyuyomemo2541.pdf
この2点を使って、仮に38歳の民間企業正社員Aさん(大卒、民間企業勤務経験通算15年、扶養手当対象家族なし)が東京都職員に転身し、フルに1年間働いたと仮定した場合の年収を計算してみましょう。
まず1の教育職給料表の額ですが、「教諭」の「職務の級」は2級です(3級以上になるには採用後に昇任する必要あり)。号給は、新卒の場合が9号給で、平均的な勤務評価の場合は1年で4号給ずつ上がっていきます。高等学校卒業以降に有用な経験がある人の場合は、一定の基準でこの号給に「前歴加算」が行われ、民間企業正社員の場合は「民間勤務年数の8割の期間を東京都教員として勤務した」と想定して加算されます(正規教員は10割、非正規職員は5割、無職は通算10年まで5割)。Aさんは民間企業勤務経験通算15年ですので、その8割の12年分(1年で4号給昇給と計算して48号給分)が大学新卒の9号給に加算され、57号給となります。つまり、Aさんの初年度の給料表額は「2級57号給」の303,200円となり、この額を用いて、2の算出方式で実際の給与額が算出されるのです。
基本的に教員の年収は例月給与(毎月の給料)と期末・勤勉手当(6月と12月のボーナス)の合計です(他に、対象者には各種手当が加算)。例月給与は「給料の月額+特別調整額(管理職手当)+扶養手当+地域手当+住居手当+その他の手当」で計算されます。特別調整額は、教員の場合は教職調整額で、原則として給料月額の4%です。また、地域手当は、勤務地が都内区市町村(島しょ地域を除く)の場合「18/100」つまり「18%」で、これは「給料の月額+教職調整額」の18%です。Aさんの場合は扶養手当対象家族がないので扶養手当は出ず、34歳以下対象の住居手当も出ませんが、その他手当の中の「義務教育等教員特別手当(2級57号給では4,410円)」は毎月出ます。
Aさんの場合、例月給与は「303,200+12,128+0+56,759+0+0+4,410」となり、例月給与は376,497円となります。期末手当の年額は「(給料の月額+扶養手当+地域手当+職務段階別加算額+管理職加算額) ×支給率×支給割合」の2.6か月分、勤勉手当の年額は「(給料の月額+地域手当+職務段階別加算額+管理職加算額) ×期間率×成績率」の1.35か月分です。というわけで、Aさんが1年フルに働いた場合の年収は、例月給与(376,497円)×12=4,517,964円と、期末手当(372,087円×2.6=)1,018,126円と、勤勉手当(372,087×1.35=)502,317円の合計で6,038,407円と計算できます。もしAさんに扶養手当対象家族がいる場合は、妻一人の場合は(13,500円×14.6か月=)197,100円、妻一人小学生1人の場合は(19,500円×14.6か月=)284,700円が加算されます。
結論として、38歳の民間企業正社員が東京都教員に転身してフルに1年働いた場合、年収は約600~630万円、ということになります(特殊勤務手当等は除く)。ただ、実際は4月からの勤務ですし、最初の6月のボーナスの支給割合は50%に満たないので、暦年での最初の年の年収は450万円前後でしょう。なお、7月までは前歴加算5割で算出した給与、期末勤勉手当が支給されるので注意が必要です(前歴加算の資格確認期間のためで、8月の給与で不足分が精算されます)。2年目になると、Aさんが標準的な勤務をしていた場合は2級61号給となるので給料表額が8,400円上がり、義務教育等教員特別手当も160円上がるので、年収は少なくとも136,320円上がる、という仕組みです。
同様の方法で30歳の民間企業正社員(民間企業勤務経験通算7年、扶養手当対象家族なし)が転身して1年間フルに働いた場合の年収(2級29号給と想定)を計算すると、480万円前後となります(家賃を払っている場合、34歳までは住居手当を月15,000円支給されるので年収が18万円上がり、500万円前後になります)。
では、私の時と同じ47歳の民間企業正社員(民間企業勤務経験通算24年、扶養手当対象家族なし)が転身した場合、2級85号給となり、1年間フルに働いた場合の年収は700万前後になるか?というと、実は「前歴加算の上限」があって、そうならないのです。前歴加算の上限は2級77号給(給料表額341,500円)なので、東京都の教員に転身した場合の最高年収は675万円前後(扶養手当他を除く、採用された最初の年の1年間フル勤務換算額)となりますのでご注意ください。もちろん、年収額は翌年以降少しずつ上がっていきますが、号給は上になるほど上がる金額は少なくなっていきます・・・・。
給料について長々と書いてしまいました。現在、東京都教員への転身を考えている方の参考に少しでもなれば幸いです。それでは。
※下の参考資料(国税庁・民間給与実態統計調査結果)を見ると、平均よりは上のようです。特に女性はかなり上です。
http://nensyu-labo.com/heikin_nenrei.htm
今年の3月で「若手教員研修」が終了し、4月からは「中堅教員」と呼ばれるようになるようです。そんな私ですが、実は昨年後半で50歳になりました。定年までの教師生活はあと10年、ということになります。以前勤めていた会社を辞める直前の状況と比べると、はるかに楽しくヤリガイのある毎日を過ごしているため、正直、「もっと早く教員になっていれば良かったな」と思っています。ですので、現在、教員への転身を迷っている方には「なるなら早い方がいいよ」というアドバイスを贈らせていただきます(教員適性があり、教員に転身した方がいい諸条件を満たしている方向け限定ですが^^;)。
さて、昨年12月に支給された冬のボーナス(期末手当および勤勉手当)と12月給与によって、2013年の年収が決定しました。以前勤めていた会社での最高時年収より2割以上少ないのですが、辞める頃の、業績悪化によって大幅に減らされた年収よりは上です。それを思えば「ありがたい」と感じています。
その額をはっきり書くのは差し控えますが、「東京都教員に転身した場合の給料」は、「東京都 教員 給料」などとネット検索すれば簡単に見ることができる資料で算出できます。算出に必要な資料は下記の2点です。
1.(東京都)教育職給料表
http://www.saiyou.metro.tokyo.jp/ninnkyuu/24121kyuuryou/24121kyuuryou_pdf/24121_kyouiku.pdf
2.(東京都職員の)給与の算出方式
http://www.saiyou.metro.tokyo.jp/ninnkyuu/kyuyomemo2541.pdf
この2点を使って、仮に38歳の民間企業正社員Aさん(大卒、民間企業勤務経験通算15年、扶養手当対象家族なし)が東京都職員に転身し、フルに1年間働いたと仮定した場合の年収を計算してみましょう。
まず1の教育職給料表の額ですが、「教諭」の「職務の級」は2級です(3級以上になるには採用後に昇任する必要あり)。号給は、新卒の場合が9号給で、平均的な勤務評価の場合は1年で4号給ずつ上がっていきます。高等学校卒業以降に有用な経験がある人の場合は、一定の基準でこの号給に「前歴加算」が行われ、民間企業正社員の場合は「民間勤務年数の8割の期間を東京都教員として勤務した」と想定して加算されます(正規教員は10割、非正規職員は5割、無職は通算10年まで5割)。Aさんは民間企業勤務経験通算15年ですので、その8割の12年分(1年で4号給昇給と計算して48号給分)が大学新卒の9号給に加算され、57号給となります。つまり、Aさんの初年度の給料表額は「2級57号給」の303,200円となり、この額を用いて、2の算出方式で実際の給与額が算出されるのです。
基本的に教員の年収は例月給与(毎月の給料)と期末・勤勉手当(6月と12月のボーナス)の合計です(他に、対象者には各種手当が加算)。例月給与は「給料の月額+特別調整額(管理職手当)+扶養手当+地域手当+住居手当+その他の手当」で計算されます。特別調整額は、教員の場合は教職調整額で、原則として給料月額の4%です。また、地域手当は、勤務地が都内区市町村(島しょ地域を除く)の場合「18/100」つまり「18%」で、これは「給料の月額+教職調整額」の18%です。Aさんの場合は扶養手当対象家族がないので扶養手当は出ず、34歳以下対象の住居手当も出ませんが、その他手当の中の「義務教育等教員特別手当(2級57号給では4,410円)」は毎月出ます。
Aさんの場合、例月給与は「303,200+12,128+0+56,759+0+0+4,410」となり、例月給与は376,497円となります。期末手当の年額は「(給料の月額+扶養手当+地域手当+職務段階別加算額+管理職加算額) ×支給率×支給割合」の2.6か月分、勤勉手当の年額は「(給料の月額+地域手当+職務段階別加算額+管理職加算額) ×期間率×成績率」の1.35か月分です。というわけで、Aさんが1年フルに働いた場合の年収は、例月給与(376,497円)×12=4,517,964円と、期末手当(372,087円×2.6=)1,018,126円と、勤勉手当(372,087×1.35=)502,317円の合計で6,038,407円と計算できます。もしAさんに扶養手当対象家族がいる場合は、妻一人の場合は(13,500円×14.6か月=)197,100円、妻一人小学生1人の場合は(19,500円×14.6か月=)284,700円が加算されます。
結論として、38歳の民間企業正社員が東京都教員に転身してフルに1年働いた場合、年収は約600~630万円、ということになります(特殊勤務手当等は除く)。ただ、実際は4月からの勤務ですし、最初の6月のボーナスの支給割合は50%に満たないので、暦年での最初の年の年収は450万円前後でしょう。なお、7月までは前歴加算5割で算出した給与、期末勤勉手当が支給されるので注意が必要です(前歴加算の資格確認期間のためで、8月の給与で不足分が精算されます)。2年目になると、Aさんが標準的な勤務をしていた場合は2級61号給となるので給料表額が8,400円上がり、義務教育等教員特別手当も160円上がるので、年収は少なくとも136,320円上がる、という仕組みです。
同様の方法で30歳の民間企業正社員(民間企業勤務経験通算7年、扶養手当対象家族なし)が転身して1年間フルに働いた場合の年収(2級29号給と想定)を計算すると、480万円前後となります(家賃を払っている場合、34歳までは住居手当を月15,000円支給されるので年収が18万円上がり、500万円前後になります)。
では、私の時と同じ47歳の民間企業正社員(民間企業勤務経験通算24年、扶養手当対象家族なし)が転身した場合、2級85号給となり、1年間フルに働いた場合の年収は700万前後になるか?というと、実は「前歴加算の上限」があって、そうならないのです。前歴加算の上限は2級77号給(給料表額341,500円)なので、東京都の教員に転身した場合の最高年収は675万円前後(扶養手当他を除く、採用された最初の年の1年間フル勤務換算額)となりますのでご注意ください。もちろん、年収額は翌年以降少しずつ上がっていきますが、号給は上になるほど上がる金額は少なくなっていきます・・・・。
給料について長々と書いてしまいました。現在、東京都教員への転身を考えている方の参考に少しでもなれば幸いです。それでは。
※下の参考資料(国税庁・民間給与実態統計調査結果)を見ると、平均よりは上のようです。特に女性はかなり上です。
http://nensyu-labo.com/heikin_nenrei.htm