社会人から教員に ~40代後半での教員採用試験体験記~

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合格発表後のこと

2011-02-23 19:32:00 | 教員採用試験
合格発表は金曜日で、翌週の月曜日に自宅あてに「通知書」が郵送されてきました。そこには受験校種・教科、受験番号、氏名、性別の下に「平成23年度東京都公立学校採用候補者選考の結果、あなたを採用候補者名簿に登載することと決定したので通知します。」と書かれており、教育長名での押印が。PDFでは受験番号しか掲載されていないので、これを見て「間違いない、本当に合格した」という実感がわいてきました。

その後は以前ブログにも書いたように、11月10日に日比谷公会堂で採用説明会が行われ、「あいさつ及び講話」「講演」の後に、採用までの流れや手続き等についての説明があり、12月3日までに「採用候補者申告カード」や「健康診断書」等の書類を提出するよう指示がありました。この時、私のように社会人特例選考で受験して合格した人は、在職証明書も提出しなければなりません。

この書類は受験申込みの際は必要ないので、試験を受けること自体は勤務している会社に内緒でできるのですが、合格した場合はこの時点で書類作成を依頼する必要があります。「あの~、在職証明書をお願いしたいのですが」と人事部門に頼んだ場合、ほとんどの会社では「よろこんで!」などとは言わず、訝しげな表情で「なぜそんなものが必要なのですか?」と聞いてくるはず(^^;)。なので、勤務先に内緒で受験して合格した人は「いかに円満退社を認めてもらい、在職証明書をゲットするか」に苦労するようです。

私の場合はすでに転職支援制度に応募して承認されていたので問題ありませんでしたが。

さて、私は24年以上民間企業に勤めていたので、教員への転身については、以前からチャレンジを伝えていたごく一部の方々以外からはだいぶ驚かれました。合格発表の前は退職理由を「やりたい仕事にチャレンジするため」としか言えなかったので、13年以上担当していた広報のスキルを活かした転職活動をすると思った方が多かったようです。「40代後半という年齢では(教育)公務員の受験資格がないのでは?」と聞かれたことも多く、社会人特例の制度を何回説明したことでしょう(笑)。

職種柄、社内外の非常に多くの方々とお付き合いがあったため、退職ご挨拶メールを出すだけで一苦労でした。とはいえ、メールがない時代だったらより多くの手間や費用がかかったはずです。

いただいた返信のほとんどには「驚いたけれど、あなたは教員に向いていると思う」、あるいは「あなたのような経歴の方が教員になるのはとても有意義なこと」という内容が書かれていて、非常に嬉しく感じました。その後、ありがたいことに各方面から声がかかり、20回以上の送別会兼激励会を開いていただきましたが、そこで改めて感じたのは、特に子供を持つ人の中に「社会人としての経験を積んでから教員になる人が増えて欲しい」と思っている方が多かったことです。同時に、そうした考えを持つ方々からは「ご苦労されると思いますよ」という警告(?)もいただきました。

とはいえ、私としては「なるようにしかならない。苦労も多いかもしれないが、喜びもあるだろう。とにかく頑張るだけ。」という気持ちで、近いうちにくるであろう面談連絡を待つ日々を過ごしております。

選考区分別倍率を考察

2011-02-15 04:48:00 | 教員採用試験
2月も15日となり、採用説明会資料に「2月中旬以降、順次紹介を予定」と書かれていた採用面談の連絡がいつ来てもおかしくない時期に突入しました。各種ネット情報を見ると今年の連絡は例年より遅くなりそうとのことですが、とにかく待つしかない状況ですので、しばらくは携帯電話が手離せない日々が続きます。

というわけで教採関連での進展はあまりないので、今回は、非公開情報である「平成23年度東京都公立学校教員採用候補者選考の選考区分別倍率(小学校&中高共通)」を考察してみました。この考察に使った資料は、一次試験および二次試験の合格発表日から一週間程度HPに掲載されていた合格者受験番号一覧PDFと試験会場での受験番号掲示、判断材料は自分や友人の受験番号および体験情報等です。あくまで「私的考察」であり、かつ、数字はある程度前後に幅のある「概数」となりますのでご注意ください。

まずは6桁からなる受験番号の分析から。頭2桁は「校種・教科・科目等」で、たとえば「10」は小学校、「43」は中高国語です。3桁目以降が選考区分と個人番号になりますが、5桁目と6桁目は純粋に個人識別用途なので、選考区分考察のポイントになるのは3桁目と4桁目です。そして私は受験番号下4桁の範囲を下記のように分析しました。

A・0000~4999:一般選考、B・5000~6999:特例ア~カ(何らかの形での教員経験者)&障害者特別選考、C・7000~7999:特例キ&ク(前年&前々年の合格者)、D・8000~8599:特例コ(前年期限付・採用有)、E・8600~8899:特例ケ(前年期限付・採用無)、F・8901~9599:特例サ(社会人経験者)、G・9600~9999:大学推薦?

分析に自信がないのがBの5000番台とGで、大学推薦の対象である校種(大学・短期大学・大学院)別に番号が分けられている可能性もあります。逆に、AとFは確実で、その他の選考区分についても相当高い確率で当たっていると思います。

この番号分析をもとに、「校種・教科・科目等」別の「選考区分別応募者数および合格者数」を推測し、「応募者数ベースの合格倍率」を計算してみました。本来は公表データと同じく「受験者数ベースの合格倍率」を出したいのですが、「選考区分別の正確な受験者数」がわからないので・・・・。参考数値として、「校種・教科・科目等」それぞれの「応募者数ベースの合格倍率」を計算して記載しておきます。

小学校(受験者数ベース:3.8倍、応募者数ベース:4.4倍)
A:7.0倍、B:6.2倍、C:2.0倍、D:1.2倍、E:4.1倍、F:10.6倍、G:2.5倍

中高国語(受験者数ベース:5.9倍、応募者数ベース:6.9倍)
A:9.8倍、B:4.4倍、C:2.5倍、D:1.2倍、E:2.2倍、F:17.0倍、G:1.0倍

中高地歴(受験者数ベース:15.3倍、応募者数ベース:18.5倍)
A:37.3倍、B:2.0倍、C:2.7倍、D:1.1倍、E:3.5倍、F:75.0倍、G:1.0倍

中高公民(受験者数ベース:14.5倍、応募者数ベース:17.2倍)
A:25.9倍、B:2.0倍、C:1.0倍、D:1.0倍、E:2.2倍、F:28.6倍、G:1.0倍

中高数学(受験者数ベース:4.5倍、応募者数ベース:5.3倍)
A:6.7倍、B:6.3倍、C:3.0倍、D:1.3倍、E:2.1倍、F:10.0倍、G:1.0倍

中高物理(受験者数ベース:3.5倍、応募者数ベース:4.2倍)
A:5.2倍、B:3.7倍、C:1.0倍、D:1.2倍、E:3.0倍、F:7.5倍、G:なし

中高化学(受験者数ベース:3.8倍、応募者数ベース:4.6倍)
A:5.1倍、B:7.0倍、C:3.0倍、D:1.7倍、E:1.4倍、F:10.0倍、G:1.0倍

中高生物(受験者数ベース:3.3倍、応募者数ベース:4.3倍)
A:6.0倍、B:2.6倍、C:なし、D:1.1倍、E:2.0倍、F:6.7倍、G:なし

中高英語(受験者数ベース:5.6倍、応募者数ベース:5.3倍)
A:6.9倍、B:4.5倍、C:3.5倍、D:1.2倍、E:9.0倍、F:11.5倍、G:なし

中高音楽(受験者数ベース:10.0倍、応募者数ベース:12.1倍)
A:18.1倍、B:2.0倍、C:2.0倍、D:1.3倍、E:4.3倍、F:30.0倍、G:なし

中高美術(受験者数ベース:5.6倍、応募者数ベース:6.7倍)
A:8.5倍、B:7.0倍、C:なし、D:1.3倍、E:1.5倍、F:8.0倍、G:なし

中高保体(受験者数ベース:10.4倍、応募者数ベース:11.3倍)
A:19.6倍、B:12.5倍、C:2.5倍、D:1.0倍、E:2.8倍、F:21.4倍、G:なし

しつこいようですが、この数字は「私的考察」で、かつ、数字はある程度前後に幅のある「概数」です。それを考慮に入れても、少なくとも今回は「社会人経験者特例での合格が最も狭き門だった(中高美術以外)。」ということは言えそうです。また、「一般受験の倍率も、全体の倍率よりかなり高い。それは、社会人特例以外の特例の倍率が低いから。」ということも確認できました。

とはいえ、私(社会人特例)も含め、予備校で共に学んだ友人たち(一般選考)の多くが、最も倍率が高かった「校種・教科・科目等」で合格しているのも事実です。どんな高倍率の試験にも言えることですが、しっかり勉強し、適切な対策をすれば、合格は近くなるはず。今年以降受験する方に、この分析が少しでも参考になれば幸いです。

※参考ページ
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr101022j.htm#1-2
http://www.kals.jp/kouza/kyouin/about.html#pagelink01
http://www.tokyo-ac.co.jp/kyousai/ky-data_33a_kou_kanto.html#tokyo

合格!

2011-02-05 04:37:00 | 教員採用試験
ようやくPDFが開き、私の目に入ってきたのは、「小学校 名簿登載」と題された、6ケタの数字の羅列。そう、結果発表は「小学校→中・高等学校共通→小・中学校共通・・・・」という順に掲載されているのです。小学校の合格者は1300人以上のため、掲載は5ページ半もあります。相変わらず震える手でページを送り、ようやく「中・高等学校共通・地理歴史」にたどりつきました。こちらの合格者数は小学校より二桁少ないので、PDF上で占めるスペースもわずかなものです。

自分の受験番号は「数字」ではなく、すでに「形」として記憶しているので、すぐに「あ、似てる」という「形」が目に飛び込んできました。

「・・・・あった!」

形も数字も間違いなく私の受験番号が画面に映っていました。

私は思わずキーボードに額が触れそうになるほど前かがみになり、「ふぅ~」とため息をついたので、右隣の後輩は「何事か」と思ったことでしょう。

前回は少し端折った書き方をしてしまいましたが、実はこの時点で私は会社に退職届を提出していました。合格発表の前に、私の役職や年齢層を対象にした転身支援制度が突然凍結されることになり、共働きの妻の了解を得て、思い切って凍結前に駆け込みで応募していたからです。私は席を立ち、妻に携帯メールを送りました。タイトルは「合格した」。本文はなし。すると、妻も勤務中のはずなのに、すぐに返信がきました。

「おめでとう」。

気にしてくれていた、そう思うと、何か熱いものがこみ上げてきました。

・・・・こうして、私の「教員採用試験」が終わったのです。


次回以降は「教員採用試験体験記」としては後日談の範疇となりますが、よろしければお付き合いくださいませ。また、「採用面談体験記」としてはリアルタイム日記となりますので、こちらの方もどうぞよろしくお願いします。面談の連絡は「2月中旬以降、順次紹介を予定」とのことなので、今は「まな板の鯉」状態。中学・高校のどちらかもわからないので、とりあえず両方の教科書を読むなどして準備しつつ、専業主夫をやっております。それではまた。