2024.07.28
侵攻885日目、ポクロウシク方面のロシア軍はノンストップで攻撃を続ける
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/885th-day-of-invasion-russian-forces-continue-nonstop-offensive-in-pokrovsk/
東部戦線全域でロシア軍が徐々に進撃しつつあります。
ここにきて急速に進撃しているのが、既に何回か書いた通り「アウデイーイウカ~ポクロウシクPokrovsk戦線」です。
既に地図上の直線距離で半分強、ロシア軍が西に進撃しています。
ここ10日くらいは、連日km単位の進撃をしています。
現在は、プロレスProhresを突破したロシア軍が、その線路沿いの西の拠点であるセルヒウカSerhiivkaの市街地の端まで東と南の2方向から進出しました。
それほど間を置かず市街地を攻撃し始めると思います。
その少し南の大き目の拠点のゼランヌZhelanneの端までは、1km弱まで迫っています。
話を聞くとプロレスProhres~ボフチェ~メジョフMezhoveにかけてウクライナ軍の防衛ラインがあったようです。
あっと言う間にプロレスProhresを制圧されて(ほぼ戦わずに撤退したようです)、その周辺を短期間に制圧しながら線路沿いを西に進撃して、現在の状況があります。
プロレスProhres制圧から7日くらいしかたっていないと思います。毎日、km単位で進撃しては速いわけです。
つまり、この付近のウクライナ軍の防御は、ほぼ崩壊状態にあると言えます。
この進撃状況を見るならゼランヌZhelanneを攻撃しつつセルヒウカSerhiivkaを目標に攻撃すると思います。
その西3km程度の先がフロデイフカHrodivkaです。
フロデイフカHrodivkaは、デイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskの東にあり外郭の防衛ラインを形成する都市だと思います。
ゼランヌZhelanneの先は、ノヴォホロデイフカNovohrodivkaでやはり外郭の防衛ラインを構成する大きな市街地です。
この進撃速度ならドネツク州西部の最後の大拠点であるデイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskにロシア軍が迫るまで、それほど長い時間は必要ないかもしれません。
せいぜい2~3か月後には到達するのではないか・と思います。
ここまでロシア軍の進撃スピードが速いのは、防衛ラインがあったとしても、そこを突破していること。
ロシア軍が、守備のウクライナ軍の推定3~5倍の兵力を一気に投入して、力攻めをしているからだろうと思います。
これをやられると予備兵力の枯渇しているウクライナ軍には抵抗のしようがありません。
当然、兵力が多い分火力も比例して多くなります。
ロシア軍は、ある程度の犠牲覚悟でフロデイフカHrodivkaとノヴォホロデイフカNovohrodivkaまで突破してしまおう・という作戦のようです。
余りにもロシア軍の進撃が早く、ウクライナ軍はどこで食い止めるつもりなのか心配になります。
散在する小さな拠点は放棄して、後方の大きな拠点に兵力と火力を集めて、そこで防衛しないとロシア軍の進撃は止められないように思います。
大きな貯水池が二つあります。
もう、その東西にある小さな拠点は防衛と言う意味では重要性はなくなりました。
地図上で見ると大きな拠点は、フロデイフカHrodivkaとノヴォホロデイフカNovohrodivka、その南のセリダブしかありません。
ウクライナ軍が防衛する心算があるのなら、この3拠点を中心に防衛ラインを形成して防御するしか方法がないように思います。
今のように拠点ごとに戦えば、拠点ごとに各個撃破されるだけです。
ウクライナの大統領府とウクライナ軍参謀本部を見ていると、その危機を認識しているのかどうかが分かりません。
何だか劣勢の戦況の責任逃れをしているようにしか見えません。
これでは前線で戦って戦死しているウクライナ兵が哀れと言うしかありません。
時間を稼いでも戦況は悪化するだけだからです。
※この方面は、劣勢から敗勢に悪化したと評価するべきだと思います。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27