「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

(アフリカ)なぜ?フランスの旧植民地国家で軍事クーデターが多いのか?<2023年8月

2023-09-02 12:39:29 | アフリカと中東

「アフリカのどこかの国で軍事クーデターが起きました。」
これまでは、「また腐った独裁政権が仲間割れしているんだろうな?」と、この程度にしか思いませんでした。

しかし、全部旧フランスの植民地から独立した国家です。
そして、そこにワグネル(=ロシア)が食い込む構図があります。ワグネルはロシアがアフリカ諸国に食い込むための非合法機関です。名前は民間のワグネルで実質はロシアの組織です。いわばロシアが隠れ蓑に使うためにワグネルを作り出したと言えます。
ところが、ワグネルが増長してロシア政府のコントロールが効かなくなったのが、ワグネルの反乱事件です。反乱は外部からは、意味不明な解決がなされました。

つい最近は、ニジュールで軍事クーデターが起きました。

そして、今度はガボンで軍事クーデターが起きました。
『アフリカ・ガボンでクーデターか 軍高官らが政権掌握と大統領選の無効を主張』
2023年8月30日
https://www.bbc.com/japanese/66654820
『アフリカ中部ガボンでクーデターか 軍高官グループが権限掌握を宣言』
2023.08.30 Wed posted at 18:45 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208459.html
『ガボンでクーデター未遂、政府が「事態は収拾」と発表』
2019.01.08 Tue posted at 17:03 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35130970.html

ガボンでは、1月にもクーデター未遂が起きていて今度は、軍の多くが参加してクーデターが成功しつつあるようです。

単に聞くと軍事クーデターが悪いように聞こえます。
しかし、ガボンで民主的な政府が出来たことがなく、今の大統領は初めての文民大統領であるとされます。しかし、果たして選挙が公正に行われたのかは、かなり疑問です。そして大統領には、不正疑惑もあります。
「2021年10月にはパンドラ文書に名前が載っていることが公表された。それによれば、タックス・ヘイヴンであるイギリス領ヴァージン諸島にある目的不明の2つのペーパーカンパニー(2021年時点で解散済)を支配下に置いていた。」
かなり、怪しいですね?
やはり、こんな点がクーデターを招く大きな原因のようです。

ニジェールの場合は、もっとフランスの露骨な介入が見られます。
ニジェールには、確認できるだけで世界第3位のウラン鉱山があります。東部では油田が発見され2014年には石油製品が総輸出額の25.9 %を占めて第2位の輸出品になっています。ブルキナファソの国境に近いリプタコ地方においては金が産出-輸出されている。

当然、フランスはウラン鉱山の利権を持っています。民主的とされるそれまでの大統領は、フランスの意を受けていた可能性が大きいでしょう。
フランスは、1500人のフランス軍を派遣しています。ニジェールが平和な国であれば、軍隊の覇権など必要ないはずです。どうして1500人のフランス軍が駐留しているのか?大きな疑問ですね?

フランス大使、ニジェール離れず 軍事政権の出国命令に従わず
2023.08.30 Wed posted at 13:38 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208430.html
ニジェール軍事政権、フランス大使に48時間以内の出国を命令
2023.08.26 Sat posted at 17:36 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208295.html

軍事政権は、フランス大使を追い出そうとしています。追い出そうとしているのは、フランス大使だけです。

『アフリカの旧フランス植民地で発生したクーデターとしては過去3年間で8件目となる。
しかし、こうしたクーデターのほとんどは、ガボンより北のサヘル地域で起こっている。
サヘル地域では、イスラム主義者の反乱を受け、民主的に選ばれた政府が市民を守れないという不満が高まっている。』

アフリカ・ガボンでクーデターか 軍高官らが政権掌握と大統領選の無効を主張
2023年8月30日
https://www.bbc.com/japanese/66654820

ニジェールのクーデター政権、3年以内の民政移管を約束、地域共同体は拒否
2023年8月21日
https://www.bbc.com/japanese/66566962

ブルキナファソ、軍が全権掌握 将校が発表
2022年1月25日
https://www.bbc.com/japanese/60121456

西アフリカ・マリで大統領らを軍が拘束か 国連が解放呼びかけ
2021年5月25日
https://www.bbc.com/japanese/57236849
マリでは2022年8月、駐留仏軍が完全に撤収した。

中央アフリカのクーデター指導者、選挙を3年以内に設定
2013年3月26日 13:47 発信地:バンギ/中央アフリカ [ アフリカ 中央アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/2935785

「クーデターの時代」のアフリカ(前編):ロシアと中国の積極関与と欧米の影響力低下
https://www.spf.org/iina/articles/sakane_08.html

世界全体で2021年1月から2022年2月までに、9件のクーデターもしくは騒擾が発生した
アフリカのマリ、チャド、ギニア、スーダン、ブルキナ・ファソ

結局、アフリカの軍事クーデターのほとんどは、旧フランスの植民地であった国々で起きており、傾向として反フランスとフランス追放が見られます。

フランスが植民地のようにフランスの利権を守ろうとしたのが、一番大きな理由のように見えます。経済的に政治的に弱い国ばかりですから自分たちでは、フランスを追放できません。ワグネル(=ロシア)はフランス追放のための道具であったことになります。
ワグネル(=ロシア)がこれらの国々に食い込んだのではなく、これらの国々がワグネル(=ロシア)の助力を得てフランスを追放した構図が見えてきます。

これらの国々が、なぜフランスを追放したのか?
普通に考えるならフランスが、これらの国々にとって不都合な事をしていたからでしょうね?

一番不都合な事は、浸透しつつあるイスラム過激主義に対して何ら有効な対策を取れなかったことです。
フランスを追放した後のワグネルは、イスラム過激主義との戦いを指導し時には参加してロシアは武器を援助しました。

フランスの旧植民地国家で起きている軍事クーデターは、本当の意味での独立を達成するための手段ではないかと見えます。

つまり、フランスはこれらの国々に対して植民地収奪に近いことを、これまでやってきたのではないか?との疑いが浮上してきます。

事情が分からない限り、これらの軍事クーデターを悪として否定することは出来ないことになります。

真の意味での独立を達成する手段であるならば、善であることになります。

欧米の色眼鏡を通して見える事が正しいとは、限りません。

ワグネルに依存の西アフリカ・マリ プリゴジン氏の「死亡」でどうなる
2023年8月29日
https://www.bbc.com/japanese/video-66636979

コラム
2023年8月31日4:01 午後2時間前更新
コラム:クーデター頻発するアフリカ、外国の資源争奪助長も
https://jp.reuters.com/article/gabon-election-breakingviews-idJPKBN30607B



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