ウクライナ軍、南部前線で突破口拡大か 要衝トクマク接近をうかがう
2023.08.26 Sat posted at 11:10 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208287.html
南部ザポリージャ戦線とは、オレホボОріхів(オリヒウ)を攻撃開始地点として、途中のトクマクТокмакからアゾフ海側の拠点都市のメリトポリМелітопольを目指す攻撃ルートです。
先週、トクマクТокмакを中心とする防御網の外郭防衛ラインのロボティネ村Robotyneを攻略した模様です。その後、イギリスが供与したチャレンジャー2戦車を含む新規の旅団を投入して更に攻勢をかける見通しを書きました。
ロボティネ村Robotyneの更に南側にトクマクТокмакの外側(北側)の強固な第1次防衛ラインが形成されています。今回の記事にあるノボプロコピウカ村Novoprokopivkaは南4km位の位置にあり、完全に第1次防衛ラインにあると思います。その東10km位にあるベルボベVerboveも同時に攻撃中のようですから、複数個所から第1次防衛ラインを攻撃中だと思います。
前にも書きましたが、この外側(北側)の第1次防衛ラインの突破に成功すると、トクマクТокмакを守るのは北側5kmくらいの位置にある第2次防御ラインとトクマクТокмакの周囲を囲む防御ラインしかなくなります。
外郭防衛ライン、第1次防衛ライン、第2次防衛ラインと三層に構成されている防御網のうちの二層目を攻撃中である事になります。
イギリスが供与したチャレンジャー2戦車はウクライナ軍は14両しか保有しない虎の子の戦車です。その戦車を保有する旅団を投入したと言うことは、ウクライナ軍は勝負をかけています。虎の子の戦車を犠牲にしてでも第1次防衛ラインを突破する覚悟だと思います。
ここを突破してしまえば、第2次防衛ラインとトクマクТокмакは、155ミリ榴弾砲で砲撃されます。砲の数も砲弾の数も多いですから、こうなるとロシア軍はかなり苦しくなると思います。
トクマクТокмакは、このエリアの広域の防御網の中心ですからトクマクТокмакまで破壊され突破されると、このエリアの防御網は機能しなくなります。
これまでは遅々としてウクライナ軍の攻撃は進みませんでしたが、ここまで進出するとスピードは徐々に速まると思います。雪が降る前にトクマクТокмакを攻略することは可能だと思います。
尚、この方面の攻撃は幹線道路のルートTー0408を南に下りながら行われていますので、地図上でザポリージャ州のトクマクТокмакかオレホボОріхівを探してルートTー0408沿いを探すと地図上で位置が確認できます。
ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/