「北の山・じろう」日記

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ドネツク南部戦線は、ロシア軍がウクライナ軍の防衛ラインを突破<ウクライナ紛争2024/09/24

2024-09-24 15:39:52 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.09.23
ロシア軍がポクロウシク方面でクルティ・ヤルを占領、ヴフレダル方面でも前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-occupy-kurti-yar-in-the-pokrovsk-region-and-advance-towards-vhledar/

ウクライナ紛争ぼっ発後、ずっと双方の戦況発表を観察し続けてきた航空万能論の管理人が、このようにコメントしています。
『現在の東部戦線全体の動きは「この戦争中で最も激しい」と断言してもよく、DEEP STATEとRYBARが1日に報告する動きの量は本当に異常だ。』

特に2022年、ウクライナ軍がハルキウ州反撃作戦を成功させた後は、戦争は塹壕戦に移行しました。
塹壕戦は、それほど双方の兵士が大きく前進することは出来ません。
精々1日数百メートル前進できれば、いい方です。
前線が動かない方が多いです。
「膠着状態」と表現されるのが、これを示しています。

それが一変したのが、ロシア軍がアウデイーイウカ要塞を攻略した後です。これ以後、特にアウデイーイウカ西の郊外で大きくロシア軍の前進が見られるようになりました。
ウクライナ軍が、クルスク侵攻作戦のために精強部隊を引き抜いた後は、それが酷くなりポクロウシクPokrovsk戦線では、ウクライナ軍の防御が崩壊してロシア軍がポクロウシクPokrovskの東10km未満の地点まで2か月くらいで前進しました。
これが、現在のポクロウシクPokrovsk戦線です。

兵力を引き抜いた影響は非常に大きく東部戦線全体でウクライナ軍が劣勢になりました。
ポクロウシクPokrovskはドネツク州の物流の拠点です。
ポクロウシクPokrovskからドネツク州のウクライナ軍への補給が行われていました。
ポクロウシクPokrovskがロシア軍の砲撃範囲に入り、砲撃が激化するとポクロウシクPokrovskの物流拠点としての機能が失われました。

つまりウクライナ軍はポクロウシクPokrovskを経由しない補給路を使って補給しなければなりません。
北部ドネツクは、量は減るでしょうがハルキウ州から補給が出来ます。
ところが南部ドネツクは、ポクロウシクPokrovskを経由しない補給路はありません。
道路を使って細々と補給するしかありません。
こうして南部ドネツク全域が補給困難に陥りました。

特に酷いのがドネツク東南にあり補給路の一番先端に当たるヴフレダルVuhledar方面です。

この方面は、ヴフレダルVuhledarが強力な要塞として機能してロシア軍の西への進撃を防いできました。
幹線道路T-0524の東に前線があり、ウクライナ軍が何とか防御してきました。

ところがクルスク侵攻作戦のために精強部隊を引き抜いかれた後は、当然ながらウクライナ軍は弱体化し、そこに補給量の減少が加わってウクライナ軍は、後退するしかありませんでした。

ヴフレダルVuhledarから北のコスティアンティニフカKostyantynivkaにかけて有ったウクライナ軍の防衛ラインは、完全にロシア軍に突破されました。

補給事情は更に悪化しています。そこに防衛ラインの突破が加わるとウクライナ軍は、防衛不可能に陥ります。
ロシア軍は、更に幹線道路T-0524を超えて西に進撃中です。
もうロシア軍は、完全にウクライナ軍の防衛ラインの内側に進出していますので、防衛ラインはありません。
後は兵力と火力で優るロシア軍が、ひた押しに進撃するだけです。

ポクロウシクPokrovsk戦線で起きたウクライナ軍の防御の崩壊の初期と同じことが、ドネツク南東部戦線でも起きています。
防衛ラインを完全に突破されれば、守りようが無いと言うことです。守ろうと思えば、ロシア軍より多くの兵力を投入するしかありません。クルスク侵攻作戦に予備兵力の全てを投入したウクライナ軍には、増援部隊を派遣することは不可能です。

ヴフレダルVuhledar方面のロシア軍がヴフレダルVuhledarの西と北に向かって進撃をはじめました。
ポクロウシクPokrovsk戦線で起きたのと同じで1日km単位の進撃です。
ウクライナ側には、相当西と北まで後退しないと拠点になりそうな大きな集落はありません。
略図だとマリンカMar'inkaのかなり西にあるルートN-15沿いのアンドリイフカAndriivkaやバハテイルBahatyr付近まで後退する必要があるかもしれません。
その手前にあるクラホヴェKurakhoveはロシア軍の勢力範囲に近すぎて無理だと思います。

略図を見ると分かりますが南ドネツクのかなり広い範囲です。広いですからロシア軍が、アンドリイフカAndriivkaやバハテイルBahatyr付近まで前進するには3か月~6か月くらいかかるかもしれません。
6か月後には、多分ロシア軍はここまで到達すると思います。
もっと早い場合も当然、あります。
もう、こうなってはウクライナ軍がドネツク州中部と南部を防衛するのは、限りなく困難です。

これが自爆作戦のクルスク侵攻作戦がドネツク州のウクライナ軍にもたらした効果です。
クルスク侵攻作戦の成功を今なお主張するゼレンスキーを、どう思います❓
(私個人は、本当はロシアの代理人でないか・と疑っています・・)


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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