2024.08.28
ポクロウシク方面の戦い、ロシア軍がノヴォホロディフカ全体をほぼ占領
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-pokrovsk-russian-troops-occupy-almost-the-entire-novokhorodyvka/
前の日記でウクライナのクルスク侵攻作戦の目的を推測しました。違う言葉で言うと「ウクライナ軍の転進」です。
これを胡麻化すために相当情報が操作されていると思います。(ドネツク州放棄とは言えないでしょう❓)
そんな事情があり、大っぴらに住民避難が急がれています。
①CNN
ロシア軍迫るウクライナ要衝の住民、当局の目逃れ強制避難回避の動きも
2024.08.23 Fri posted at 11:00 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35223089.html
②航空万能論 2024.08.16
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-rapidly-approach-pokrovsk-city-military-governor-urges-residents-to-evacuate/
ポクロウシク市軍政長官は15日から緊急避難を呼びかけています。
ポクロウシクの人口が約7万人。
①の記事だとポクロウシクとミルノフラド、その他39の村落の合計で、まだ約5万9000人の地域住民が残っているようです、23日。
何故、このエリアから住民避難が強制されているかと言うとロシア軍が迫っているからではなく、ウクライナ軍の撤退が迫っているからだろうと思います。
ロシア軍の動きを見ていても、デイミトロフМирноград(ミルノフラド)とポクロウシクPokrovskに接近しましたが、そこからは急いでいないように見えます。ウクライナ側の動きに合わせて住民避難が、大体終わるまで待っているような気配があります。
何が何でも突撃!では、ないですね。
おそらく(ウクライナ軍の転進=ポクロウシクPokrovsk放棄)を察しているからでは、ないかと思います。
一方でポクロウシクPokrovsk戦線に投入されているロシア軍は、まだそれほどロシア軍が前進していない段階で約4万人と推測されています。今、更に他のアイドリング中の戦場から引き抜かれた戦力が投入されているようです。
加えて大きな貯水池とVovcha Rivberの東側を掃討していたロシア軍もVovcha Rivber西側の攻撃に参加していると思います。
大きな貯水池とVovcha Rivberの西側にいるロシア軍は、さっぱり話題になりませんが大軍団と言うべき兵力だろうと思います。
それに対してこの方面のウクライナ軍は、1万人少々のようです。7月のどの時点かでウクライナ軍は、撤退を指示されていると思います。
つまりウクライナ軍としても(転進)を予定している以上、兵力の温存を図っていると思われます。
大きな貯水池とVovcha Rivberの西側でウクライナ軍が、ほとんど戦っている気配が見えないのは、これが理由だろうと思います。
その意味でロシア軍は、デイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskへの進撃は、やや時間調整のように見えます。
その代わり幹線道路E-50への南下は早かったです。
幹線道路E-50の北側は、もう大体ロシア軍が制圧しました。残っているのは、少しです。
一部の部隊は、道路を超えてメムリクMemrykを制圧したようです。さらに多くの部隊が道路を超えて南下すると思います。
目指すのはマリンカの西にある大きな貯水池の北岸です。
ハリツイニフカHalytsynivka~リシフカ~ウクライナスク~ヒルニクHirnyk~クラヒウカという集落が目先の目標だと思います。
ここまでロシア軍が南下すると、その東のウクライナの支配地は草刈り場(守れない土地)になります。
マリンカMar'inkaのロシア軍と合流して更に南や西を目指す流れでしょうね。
もう一方向あります。やはり幹線道路E-50を超えた部隊の一部が西に向かい、セリダブSelydove(南の方の大きな市街地)の郊外に到達しました。セリダブSelydove攻略に向かっています。
こうやって見てくるとロシア軍の動きは、単にデイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskの制圧だけを目的としたものではありません。
取り敢えずは中部ドネツクをドネツク州とドニプロペトロウシク州の州境まで突破して、その後州境の付近まで含めて大きくドネツク州南部に向かって南下することを目的としているようです。
事実上、中部ドネツクから南部ドネツクまでロシア軍が制圧するための軍事行動が、既には始まっていると言えます。
ウクライナが事実上、ドネツク中部を放棄したことでロシア軍のこのような大きな軍事行動が可能になりました。
ドネツク中部・南部とクルスク州の一部を実質的にバーターしたと言えます。
余りウクライナにとって割のいい取引ではありません。
バーターで獲得したクルスク州の一部の領土をウクライナ軍が守れるかどうかは、まだ未定です。
ウクライナ軍がクルスク州の一部の領土から追い払われると、単にドネツク中部・南部を放棄した結果だけが残ります。
ロシア軍は、相当得をしたと言えます。
だから今となっては、ポクロウシクPokrovsk戦線やトレツクТорецьк方面の戦況を気にすることには意味がありません。放棄する予定であれば、それほど真剣に防衛するとは思えません。
トレツクТорецькに至っては、もう半分廃墟になっており地域住民が、まだ3000人強残っているようです。いつウクライナ軍が撤退するかの問題になっているようです。
デイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskも、やがては似たようなことになるだろうと思います。
※関連日記
ウクライナはクルスク侵攻作戦で何を目論んでいたのか❓<ウクライナ紛争2024/08/28
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/200f8ad306c4672a9ce0e10e27713647
ポクロウシクPokrovsk戦線、南部も根こそぎ制圧するらしい欲深ロシア軍<ウクライナ紛争2024/08/28
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/b71816f217e32ef8896417c1d54874e0
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27