先月、ウラジオストクでプーチン氏は金総書記を出迎えてあふれんばかりの笑顔で歓待しました(媚態外交とは言っていません?)。
金総書記とプーチン氏は、アメリカ帝国主義とともに戦う同志になりました。金同志はすっかりロシアが気に入ってしばらく滞在を伸ばしてロシアで羽を伸ばしていました。セルゲイ国防相がお相手をしていたと思います。
その結果?
北朝鮮、ロシアにコンテナ1000基以上の武器・弾薬…見返りに戦闘機やミサイル要望と米が指摘
2023/10/14 11:06
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231014-OYT1T50077/
どっさり武器を購入できました。アメリカは、金同志がこうしないように威嚇していましたが全然、効果はありませんでした。金同志がロシアへの武器売却を遅らせていたのは、見返りを多くするためです。プーチン同志が困れば見返りは、吊り上がります。余程困ったから、微笑外交になったわけです。
まあ、どっちも欲しいものが手に入ったのだからお互い良かったと思います。ロシアは、砲弾や大砲の砲身が不足していたと思います。銃弾も不足していたかもしれませんね。特に大砲の砲身は特殊な加工技術が必要なようでロシアは、量産できないようです。
困るのはウクライナです。大分、ロシアの大砲を破壊してロシア軍は大砲不足に陥っていました。多分、これで解消されると思います。
最近のプーチン氏には余裕が見られます。理由は、ここにきて戦車の月間生産台数が従来の20両から90両に増産体制が整い、既にその分が戦場に投入されているようです。最近、ウクライナ軍が破壊する戦車が新型のT-90が多いからです。破壊される新型のT-90が多いと言うことは、投入されている新型のT-90も多いという単純な理屈で分かります。
これは非常に不味いことです。一時期ロシアは半導体不足で困っていました。戦車は半導体をかなりの数組み込みます。つまり半導体が不足していたから戦車の生産台数を増産できなかったのであろうと思います。半導体を確保できるとミサイルや航空機など他の兵器も増産できるようになります。
この意味するところは何か?
ロシアは半導体や精密部品の密輸ルートを開拓したと言うことです。半導体や精密部品の確保に困らなくなったから戦車の生産台数を増やせたなら、他の兵器も同じです。
実はイランや北朝鮮も密輸ルートを持っています。イランのドローンに西側の半導体や部品が組み込まれているのがその証拠です。
密輸出入業者の仕事は、規制の穴を探すことです。どこかに穴を探してあるいは穴を作り出してそこから密輸出入をするわけです。イランか北朝鮮から横流ししてもらっているか。自前のルートを作ったかどちらかだと思います。長くなると規制にも穴が開き、規制回避が生まれます。
プーチン氏が最近余裕があるのは、兵器の増産が出来たからだと思います。増産しても足りない砲弾は北朝鮮から輸入できる目途も立ちました。
ウクライナの側に立って考えると、来年のロシア軍は兵器や装備不足はなく、今年のように兵器や装備が不足した状態ではないと思います。兵器や装備が十分にある分、ロシア軍は強化されます。そしてどこにいるのか不明の今年の応募兵30万人の問題があります。もし兵器と装備の不足から待機しているのなら、この30万人が戦場に増員されます。
それらの事を考慮に入れて来年の作戦計画を立てる必要があります。と言って西側の武器供与ももう限界に近いでしょう。と言うことはウクライナ軍は現在の武器と装備で戦うことになり、ロシア軍は強化され場合によっては30万人の新規の兵力が増員される可能性もあります。
と言うことは?
今現在ロシア軍に勝てない以上は、選択すべき作戦計画は自ずと決まってきます。自分より相手が強ければ?
攻めるのではなく、守るしかありません。
そうであるなら?
戦争が長引くことはロシア軍に有利であり、ウクライナ軍に不利である事になります。
戦力があり兵士の数が残っているうちに何をするべきかは既に決まっていると思います。
勝てるのなら勝つまで戦争を続けるのもいいでしょう。しかし、勝てないのなら?
アフガンのことを考えてみるのもいいかもしれません。
ムジャヒデインの時代から40年以上外敵と戦いました。最後は、やっとアメリカとNATOを追放して外敵を国外に追い出しました。
しかし40年以上の戦乱で国土は荒れ果てました。農地は荒れ果て生産設備は失われ多くの人々が死にました。戦争が終わった今でも国外に300万人以上のアフガン難民がいて帰国のめどすら立ちません。あるいは、違う選択もあったのかもしれません。
フィンランドの故事を思い出すのもいいかもしれません。フィンランドは第2次世界大戦でソ連の侵略を受けました。2回の戦争の末に国土を回復しました。しかしソ連との戦争に勝つために2回目の戦争ではナチスドイツと同盟するしかありませんでした。フィンランドは連合国と講和しました。条件の中には領土の割譲も含まれていました。フィンランドの国土の10分の1にあたる南の豊かな土地をソ連に割譲しました。
結果としてフィンランドの独立は守ることが出来て、現在に至っています。
ウクライナは、十分戦ったと思います。ウクライナのことを舐める国も軽く見る国もないでしょう。ウクライナ国民にとって、最も良い道を選ぶべきだと思います。