つうこのなにげない日々

札幌のおいしいもの、あちこちお出かけ、映画、音楽の感想、ボランティア、その他日記風なんでもあり・・・

優しい大人  桐野夏生著

2011-06-06 06:29:54 | 読書感想
イオンという、児童保護センターを脱走して
一人で生活(?)している少年が主人公

物語は「スープキッチン」という炊き出しのあるところに
行こうとするところからはじまる

少年が一人で生きていくことは可能か?

これは物語だから、もちろん現実ではないけれど
読んでいて 実際に起きていることではないかと
思わせられる

桐野夏生の文章力のすごさ・・・

食べ物は 炊き出しだったり、コンビニの廃棄された
弁当だったり・・・

寝る所は閉鎖された結婚式場だったりする

スープキッチンには、いわゆるホームレスも来るし
「マムズ」という、母子のホームレスも来る

「NGO」のモガミがイオン達を支援してくれて
児センに戻るように勧めてくれるが 児センには いじめや、虐待がある

「ロッカー屋」でアルバイトをするが、そこの婆さんの
拳銃を奪って アンダーグラウンドの潜る

幼い頃一緒にそだった「鉄」と「銅」を探しに・・・

その拳銃で闇人二人が死に イオンも撃たれる

イオンの生い立ちは
複数の親子、あるいは他人が一緒に暮らして
完全に共同で保育にあたると子供はどうなるか?

という「ハウス照葉における愛着の考察」という研究を
した人がいて、イオンはそこの生き残り

最後に大人には3種類ある
優しい大人、優しくない大人、どっちつかずの大人

ハラハラ、ドキドキしながら読みました