宝塚歌劇宙組公演『王家に捧ぐ歌ーオペラ「アイーダ」よりー』
2回目の観劇です。
なんだか同じ作品のような気がしない。
ステージはもちろんだが客席も熱い、そんな空気が満ちていた。
初日は群舞が少ないと感じたのだがなかなかどうして、
エジプト戦士のダンスの圧倒的なことこの上ない。
ラダメスが「この広い戦場で私はなぜか孤独だ。」と銀橋で歌う時、
ステージでは戦いの真っただ中。
彼の心情が描かれる。
そんな孤独の中で彼は、アイーダに出会った。
戦いに勝つことが戦いを終わらせるとラダメスは思っている。
第二幕
第4場
一度目の銅鑼は明日への予感
二度目の銅鑼は明日への願い
三度目の銅鑼は我らの未来 (ル・サンク166 参照)
三度目の銅鑼とは何を指すのか、我らの未来とは。
エチオピアの不意打ちに(ファラオ暗殺)乱れるエジプト。
王女アムネリスがファラオを名乗り意気は上がる。
やはり巨大なエジプト軍にエチオピアは勝てなかった。
ラダメスが地下牢に閉じ込められる時、誰か助けに来ないかと結末を知っているくせに
願ってしまう。
朝夏まなとが美しい、将軍はもっといかついと思うが凛々しく美しい。
実咲凛音のアイーダ。聞いていて安心感のある歌声だ。
真風涼帆、存在感を感じた。
初日は出番が少ないと感じたけれど、2回目はそんな印象はなかった。
永久の国への旅立ちの白い衣装が際立って美しい。だから哀しい。
将軍のあの重い衣装から身軽になるからだろう。
アイーダと地下牢で再び会う。(暗闇だから声は聞こえても姿は見えないのだろう)
手探りで探しあう。涙を誘う場面だ。
二人は黄泉の国へ旅立つ。今できることは「祈ること」だと言う。
ならば現世の私たちは何ができるのか、祈るだけじゃだめなんだ。
考えなきゃ、争いのない世界はどうすれば訪れるのか。
考えさせられる作品です、重厚でした。
次はリラックスできる作品を宙組ALLでお願いしたいです。