政府の調査発表によると、「Jアラート」によって避難した人は、わずかに5パーセントに過ぎなかったという。(読売新聞)
その理由の大半を占めるのが「避難先不明」と「無意味」だという。国民の判断が正しいというほかない。
そもそも無意味な調査である。その昔、大学による調査の一つに、「ペットは飼い主を認識できるか」という珍妙なものがあり、投書の中に、「そんなことは調査するまでもない。うちのペットは俺を認識している」というものがあり、納得して笑ってしまった。
この程度のことが調査なしで判断できない政府にはあきれかえるほかない。「ミサイルが飛んできたらどこに逃げるか」という答えが、「とりあえず屋内へ」というのでは、国民の生命・財産を守る責務を担う政治家や役人の存在意義はない。飛んできたら万事休すで、95パーセントの国民は覚悟を決めている(政府など当てにしていない)のである。そもそも「飛んでこないような工夫を」凝らすのが外交、防衛というものではなかろうか。ミサイルを地震や洪水と同列において避難訓練をしてみせるなどとは、悪い冗談としか受け取れない。
この調査結果について、政府は、次のように考えているという。
「政府は『逃げる理由そのものを理解してもらう必要がある』(内閣官房)として、 訓練動画などを『国民保護ポータルサイト』で公開し、啓発活動を強化する考えだ。」
国民の側から、政府に問いただしてみたい。
「逃げる理由とは?」
「どんな風に、どこに逃げるのか?」
こんな当然の問いに対する答えもないのに、啓発活動もないであろう
ちょっと意地悪に聴いてみたい、「政府首脳や議員用には、『核シェルター』という避難先があるのでしょうね」と。