先日国際学力調査PISAで、わが国の15歳生徒の読解力が、前回の4位から15位に転落したことは、本ブログに書いた。
今度は、文科省の調査で、小中学生の体力が低下していることが明らかになった。つまり、文武両面で力が落ちていることになる。
能力の低下の原因は、何か一つに絞り込むことはできない。子どもの置かれた生活環境の変化、その中での生活様式の変化が全体として影響しているに違いない。能力の低下、青少年の不祥事というと、すぐに学校教育に責任を押しつける風潮があるが、それは責任転嫁というものであり、学校、教員を不当に苦しめるだけである。政治、経済、メディア、保護者などすべてが、我がこととして責任を痛感し、対応策を講じなくてはならない。
私の住む県の教育委員会は、体力向上のために、陸上競技の専門家を呼んで、速く走るための特訓をするという。教育関係の機関として、放置できない問題はへの苦肉の策であろうが、こういう対症療法で問題は解決しない。問題の本質的な解決のためには、もっと広い視野によって、教育の専門家、専門機関として、問題の所在と解決法を探り、外部(国、自治体、経済界、保護者等)に提言し、共同で取り組む努力をすべきであろう。