教会は島の高い所に建てられているから湖を見下ろすことが出来るのと同時に、遠くに白
いアルプスの峰々が抜けるような青空をバックに聳(そび)えている。添乗員は教会の歴史
や見どころを説明してくれているが私には、寒さを我慢しながら綺麗な風景をビデオに納
めるのに忙しかった。教会の中に小さな土産物屋があった。ヨーロッパでは何処の国に行
っても小さな陶器の人形や飾り物があり、その種類は多いから先は可愛らしさと共に小さな
華やかさを振りまき、通りかかるとついつい足止めを食らう。ここでも同様に窓際に並べら
れた小物たちが目を引いた。
外から眺めると綺麗な教会でも礼拝堂を除く場所は、ただの古い建物にしか見えず、よほ
ど興味を持っている人以外には面白くないから、こうした売店は引き止めるのに効果があり
そうだ。帰りには少しだけ温度が上がったのか湖上の移動は、行きの時より寒さが和らいだ
ように感じた。陸に上がりその足で近くにある、名物の岩塩やそれを使った製品の専門店
に立ち寄った。私は必ずのように塩を買って帰るので渡りに船で、岩塩とそれを砕く木造り
の杵と臼のようなもののセットを購入した。妻は珍しいと塩チョコレートを買っていた。
時間の余裕が少しあるという事で近くのスーパーに立ち寄り、チョコレート、クッキーなどを
物色する。小さなスーパーは現地の客の姿は殆ど見られないのに、遠く日本からやって来
た36人の観光客で急に賑やかになった。お土産に十分使えるチョコレートは高いもので60
0円くらい、クッキーなどは300円出せばバラマキ土産に使える。
生活用品や食料品などの値段をチェックしてみると総じて安く、目に入った乾燥ポルチーニ
茸は400円程度格安だったから自分用の土産に購入する。茸は水に戻し、戻し汁にコンソメ
スープで味付け軽く煮立てパスタのソースにして頂く。私はこれがお気に入りで時々、ネット
で買い求めている。そうした価格に比べれば比較はできないほど安いことを言うまでもない。
他のメンバーも安さにつられて大量に買い込んで、今時はこんな片田舎のスーパーマーケッ
トでも支払いはクレジットカードで可能だった。
ある人は旅先での支払いは出来る限りクレジットカードなので、現地通貨は必要最低限しか
換金しないと言っていた。換金手数料、国によっては日本で再両替出来ないこともあり確か
に煩わしいがカードではそんなことから解放される。
その代り日本に帰り口座から引き落とされる時『こんなに使っていたのか』と後悔することもあ
るとも言っていた。便利だと思うが私たちは損得、便利不便ではなく現地通貨を使うことは非
日常的で旅行を楽しむ一つの要素だと思うから、現地通貨を持ち歩くことにしている。
聖マリア教会の土産売り場
ブレッド湖上からの眺
bled lake