古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

高齢者虐待について

2015-09-15 12:39:53 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

最近、痛ましい高齢者虐待のニュースが報道されています。

誤解を恐れずに言えば
虐待については、当院含め、どの施設でも発生し「う」ると思っています。

管理人個人的には

①人目に触れずに介護をし得る環境は、
職員から入居者への虐待に関して敷居が低くなる。(管理人は虐待防止の観点だけで言えば 
厚労省が誘導中のユニット型個室には懐疑的です。)
②トップのモラルが低いと 虐待が起きやすくなる。
③職場が恒常的に人手不足(少人数)で、いらいらしていると拍車がかかりやすくなる。
④職場の風通しが悪いと 虐待が起きやすくなる。
⑤抑制を安易に行う環境では 虐待が起きやすくなる。
⑥精神的に不安定(気質、余裕のないプライベート環境など)な状況の職員は 
虐待者となりやすい。
⑦患者さんに意識障害があると、被虐待の対象になりやすい(訴えることができないので)。
⑧患者さんに認知症があると、被虐待の対象になりやすい(手がかかるので)。
⑨職員にセンス(認知症研修を受けていなくても、その人を理解しようと思う気持ちがあれば
ある程度 上手に対応できる)がないと虐待への敷居が低くなる。


がリスク要因と思って居ます。

全介助の患者さんが多いので、介助や移乗や入浴の時に椅子やストレッチャーに
当たってしまい、打撲痕ができることもありますので、打撲痕=虐待とは言えないのですが・・
副腎皮質ステロイドホルモンを飲んでいる方、血液サラサラの薬を飲んでおられる方は
どこも打撲していなくても容易に出血する傾向があります。
点滴や採血などで皮下に青あざができることもあります。

当院では、
①夜勤人数を手厚くし、人目があるようにする。
②抑制をできるだけ回避し、人権を尊重する風潮を作る。
③監視カメラの部屋を作っており(10人分)、被虐待の可能性がある方は
その部屋に入れて録画撮影し、監視下に置くこととする。(幸いまだ対象者はいません)
④原因不明のあざが続く場合、予めご家族にお話し、病院が把握していることを
職員にも周知させる。
⑤役職者同士でコミュニケーションを密にとる風潮の養成。
⑥就業規則に 虐待を起こした場合について、対象職員が懲戒処分となる旨を
規定として書き込んでいる。
⑦年に一回は、人権擁護の講習を外部講師にお願いして行っている。
⑧打撲させた場合は、罰則を伴わないことを周知した上で、報告するよう
義務付けている。

ご家族の方が不審に思われるなら、施設側にお問い合わせいただければと思います。
良心的な施設であれば、真摯なお問い合わせにはきちんと対応すると思います。

古森病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

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