ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

1 神話探偵団誕生

2008-11-01 08:03:07 | Weblog
「神話探偵団をつくりたい。」 そろそろお開きにしたいな、と思っていた時に、ヒメが突然に切り出した。
盛り上がっていた4人は、「またー」、と顔を見合わした。
1年かけて、月1回、各地を回ったチームを解散し、やっと自分の仕事に集中できると思っていた矢先に、またまたヒメの提案である。
この臨時混成チームは、いい仕事をしたと思っているが、姫はいつも仕事を増やしてきた。正直、ボクはずいぶん迷惑を被った。姫の思いつき提案の3割方は、いい結果を残してきたことは認める。しかし、解散チームに延長戦はないんじゃない?
すぐさま反対意見を考えはじめたが、まず頭で考えをまとめ、それから口に出すタイプのボクは、いつもワンテンポ出遅れてしまう。
一方、いつもカントクのアクションは素早い。
「面白い。大賛成。このチームは残した方がいい」
この人は、個人的な好意からか、いつもヒメの意見を支持する。従って、反応だけはやたらと早い。しかも、賛成理由は「それ面白いねえ」か「ユニークでいいんじゃない」のどちらかに決まっている。いい歳こいて、面白ければいいのかよ。

ようやく、ボクの考えもまとまってきた。
「皆さんは忙しすぎますよ(本音:ボクは皆さんのスケジュール調整役はごめんですよ)。それと、これだけいろんな分野のメンバーが集まるメリットがありますか?(本音:素人の趣味に付き合っちゃあいられないよね)。」
ここで、ボクの意見をいつも受けることが多い、長老こと、八雲大学の大野靖教授の登場である。このメンバーのなかでは、ただ一人、論理的に物事が判断できる先生である。
「確かに、ヒメの忙しさに振り回されそうで、大変だなあ。いろんな発想、仮説が飛び交うのは面白いけど、それを記録してまとめるボクも迷惑でしょう。」
ちょっと待ってよ。ボクが記録係をやるなんて、仮定で話を進めないで下さいよ。だいたい、僕は高木なのに、それを「コウボク(公僕)」なんて、カントクが言い始めたから、世話役を押し付けられるじゃない。
最後は、いつもマルちゃん。カントクお気に入りの「丸め屋のマルちゃん」は、いつも、どんな激論をもものともせず、ニコニコと待っていましたとばかりに調整に入る。
「アメリカじゃあ、今時、パーティはネットで調整している時代よ。ホストの手間なんかかからないから。誰かが場所を提供して、つまみ1品とお酒1本をそれぞれみんなが持ち寄れば、簡単に研究会なんてできるじゃない。」
待ってよ。研究会じゃなくて、飲み会を皆さんは期待しているの?
「それと、もっといい方法は、みんなで会わなくても、ブログで意見交換したらいいじゃない?これだと、ボクが記録してまとめ、参加できない人に配付する手間はかからないよね。普段はネット探偵団、時には現場捜査班、時にはノミ研でどうかしら。」
やはり、マルちゃんは丸めるのがうまい。
「マルちゃん、それ、面白い。グッドアイデア。映像も一緒に送って見て貰えるの?」 女性意見には同調するクセのあるカントクの反応は素早い。
「もちろんよ。ハイビジョンカメラではなく、画素数の小さなおもちゃカメラを買って下さいね。カントク」
長老「遠く出雲に島流しの私としては、メールだと参加しやすいね。」
いつもは、AかBかとなると、Cと答えてしまいたいヒメも、今回は提案者だけに、Cとは言えない。
「ありがとう。ボクちゃん、ブログの開設と管理人、お願いね。欠食児童に、時々、食事をオゴるからさ。」
ちょっと、ちょっと。「欠食児童」なんてカントクの時代の話でしょ。書きかけの小説とごっちゃにしないでよ。ボクなんて給食世代で、それも、自校方式世代なんですよ。

「今日、欠席のホビットさんにも、是非、連絡してね。ボクちゃん。遺跡探しには、欠かせない人だから」
「ブログ開設と管理、ホビットさんへの連絡、了解しました。だけど、現地調査やノミニケーション研究会は、それぞれ主催者を決めて下さいね。」
「それと、1つ、提案があるのですが。せっかくですから、もう一人加えて、『七人の侍』にしませんか?」
「ははん、彼女でも紹介してくれるのかな?」
こういう時のカントクは鋭い。
カントクの支持を取り付けるには、若いかわいい女性が参加する、ということをアピールするに限る。
「財団で、時々、調査のアルバイトをしてもらっている西北大学史学科大学院の朝比奈優さんです。ボクよりははるかにカンがいいし、頭もよくてかわいいですよ。」
「ひなちゃん、いいねえ。皆さん、異議なしですね?」 100%、狙いどおりにカントクは支持してくれるんだな、これが。
「では、神話探偵団の発足と、この栄えある会の活動を通してボクちゃんの恋が実ることを祝って、乾杯!」
またまた、カントクの鴨にされてしまった。

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