Aquascooter Maintenance for Spearfishing アクアスクーターで魚突き 全76回

使いこなそう、アクアスクーター整備ノートby KosakaNatsuki

**全76回で終了済み**

Blog第62回 スーパーマグナム1年間の実績と分解点検① =小坂夏樹=One Year of My SuperMagnum

2018年02月04日 | マニュアル
新規購入から1年経過したスーパーマグナム


アルコス ARKOS社から製造を引き継いだコメル COMER社は AS650の他に、AS650“マグナム” というモデルを短期間?作ったが不調で非常に評判が悪かったという。輸入もされなかった様だ。
それを改良してAS650“スーパーマグナム”としたのだから品質は良い筈だが、事はそう単純ではないようだ。

この1年間、AS650スーパーマグナムを毎月連続5日間程、長期遠征では連続10日以上使ってきた。水に浸かっていたのは250時間程だが、魚突きをしながらの実運転時間としてはせいぜい60~80時間だろう。遠征中は時々バケツ中または水を掛けながら数分間濯ぎ運転する程度で済ませ、持帰ってから更に浸漬状態で運転し、マフラ内をガソリンで濯ぎ、金属部に錆止を施している。
新品の内はそれ程故障は発生しないと期待しているが、細々とトラブルが起きている。


内容は既に本ブログにて紹介した通りで:
*付属プラグが初めからかなり汚れていて始動不安定となった=プラグ新替で解決した。
メーカーの出荷検査として運転している筈だから問題なしと考えていたが、実使用では注意したい。指定品のBP-4HSの替わりにBP-2HSを使っている。

*始動ロープの戻りが緩く感じられて巻きを増したところ、却ってゼンマイが抜けてしまった=ゼンマイ端を曲げ戻して調整した。

*燃料に水混入でエンストする=タンク口から浸水するので、必ずビニール片を嚙ませてキャップからの漏れを防ぐようにしている。

*スターターケースの“先端軸受け回り”及び“取付けブラケット”にひびが入っていた=浸水はしていなかったが、2回交換品を手配して貰ったものの、どれにもひびがあり、止むを得ず帯輪とバンドを接着して割れ止めとした。

*浸水などで不調のキャブ整備をした。


改造というか、予防整備もした:
*スタータ軸の内部樹脂円盤の滑り(空転)防止のためピンを挿入接着した
*スノーケルはOリング防水式を使用
*排気バルブを廃止し、ホースで空中排気方式に改造した

このような整備が奏功したか、最近半年ほどは安定し、トラブルは減っていた。
(その為、本Blogを更新する程のネタも無かった次第・・・・)

しかし最近の2回の遠征で、吹かしているのにエンジンが息継ぎする=一瞬失火?するようなことが時たまあった。ドキッとしたが、そのまま運転は出来て無事だった。
当然キャブの詰まりが原因だと予想した。
その後の遠征では症状が出なかったが、1年経過し、また春の長期遠征を前に全体の分解整備をすることにした。


分解整備に先立って圧縮比を確認
スーパーマグナムの新品購入時に、計測法も知らずに、軽く暖機後10回だけロープを引いて測った時は900kPa(9.2kg/㎠)だった。
今回はそれでは正しい値とは言えないと思い、暖機前後に、20回ずつロープを引いて圧力がサチるというか一杯のところで見た。値は暖気前が1.15MPa(12kg/㎠)で、暖機後は1.1MPaだった。
引いた回数が10回と20回とで違いはあるが・・・・これでほぼピピストン・シリンダは劣化無しと判断した。
なお、アクセルは全開で計測するのが正しいらしいが、アイドル位置のまま、しかも冷機時に測る方が実際の始動性が判るだろうと思って私は実行している。

そう言えば、今回は計測中にゲージが漏れるようになり、針が振れなくなってしまった。そこで構造原理が良く解らぬまま、圧力抜き(リセット)ボタンの内部に闇雲にシリコーングリスを塗ったところ復旧した。こんな状態ではゲージの指示値が正しいのかどうか甚だ疑問だ。
こんないい加減な計測なので、諸兄の参考にはならないだろうが、単に傾向であるとして理解して欲しい。



キャブレタ整備
本機全体の分解整備を予定しているが、まずは当然ながら最初に取外すキャブから見て行く。

浸水後の整備をしてから7カ月経過しただけだが、上記の様に息継ぎの失火?があったので、塩の析出などがひどいのかと想像し、上部蓋を外した。
流量調整膜はたいして歪んでいない。

珍しくガスケットがアルミ本体に固着していて調整膜を剥がすときに破れたが、燃料溜りも僅かな塩の析出を除き、きれいだ。



下部燃料ポンプ部の中心孔周りにはわずかな塩らしき粒子があった。


ポンプ膜を剥がしてみると、液体ガスケットのカスらしきものが3片、燃料流路にあり、これが息継ぎの原因だったかと感じた。しかしポンプ部の流路が塞がれても、上部燃料溜りには燃料があるので、一瞬だけ息継ぎということにはならないと思われるが、どうだろう。



ガスケットと蓋には塩が少々こびりついている。



蓋の塩をブラシで水洗し、ポンプ膜とガスケットは新替した



インテーク=エルボ側入口にはグリスらしきものが付着していたが、拭き取り、流路その他にパーツクリーナを吹き付けて清掃した



流量調整膜にはすぐ劣化するものと変形しにくい物がある様な気がする。本機のものは良さそう?なので、再使用とし、破れたガスケットのみ新替した。



回転軸などにシリコーングリスを塗布し、簡易的だがこれでキャブの整備は終了・・・実のところ、息継ぎも無くなって?いるのに、調子の良いキャブをいじりたくはなかった。それ故の簡単整備だ。



今回は取敢へずここまで。

ハッキリした不具合が無いのに分解して逆に不調になっても困るが、1年経過での分解整備をのんびり進めて順次投稿することにしている。

次回はスタータの改造部の確認、高圧部点検と同時に改造などを考えている。
以上


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