窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

夕暮れのヤマシギ

2019-07-01 23:31:15 | 山野の鳥

ヤマシギは春に渡ってくる渡り鳥。5月に入ると我が家の上を「チキィッ」「チキィッ」

と単発の声を出し飛んでくる鳥がヤマシギ。高音で切れがよく、遠くからよく聞こえ

ます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ◆  夕暮れのヤマシギ  ◆

鳴きだすのは決まって夕方。太陽が沈む20分前あたりから、林の上を飛び回り

ます。飛び方は悠長で、羽ばたきもゆっくりです。直線的に飛んできます。ふわ

ふわという感じでのんびりした飛び方です。

 

飛んでいるコースを見ていると決まったコースがあるのではないかと思えるほど

同じ場所をぐるぐる回っているように見えます。縄張りと決めた範囲を周遊して、

隣接したライバルの侵入を阻止しているように見えます。

渡ってきたころは、1羽ではなく、2、3羽が同時に飛び回っていることがあります。

これはオスがメスに求愛するフライングディスプレイです。メスにアピールしてさえ

ずり、引き付けてから追いかけるという行動がみられます。

北海道に来るまでヤマシギがこれほど身近な鳥だとは、思いもいませんでした。

鳴き声の主がヤマシギだと分かったとき、すごく感激しました。

中学の頃読んだビアンキの「森の新聞」に出てきたヤマシギの記事を思い出して

いました。ロシアの森に住むビアンキの父親が夕方、鉄砲を持ってヤマシギを

撃ちに行くシーン。夕飯のご馳走にヤマシギを捕って来るのです。

すばやく飛ぶシギをどうやって撃ち落とせるのか、いつも疑問に持っていました。

それが簡単に理解できたのです。

同じコースを飛んでくるので、待機して狙えるのです。腕が良ければ、確かに撃ち

落すことができるのです。ヤマシギの習性を理解して、ヤンシギが渡って来て、

フライングディスプレイを始めだすと打ちに出かけるのです。

おそらく1年で一番楽しい猟だったと思います。