窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ゴマフアザラシの死体に集まるカラス

2019-07-07 19:30:32 | カラスの生態

爆弾低気圧が野付半島をかすめて行ったあと、一頭のゴマフアザラシの死体が防波堤の

上に転がっていました。百キロはある成獣です。波の力の強さを知る置き土産です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

         ◆  ゴマフアザラシの死体に集まるカラス  ◆

カラスが集まっていました。20羽以上がテトラポットの上や流木の上に止まっています。

カラスが集まっていると何かある、事件が起きている。これが野付半島で長年観察してきた

決めせりふです。

車を止めて、海岸に出てみると近くに集まっていたオジロワシが飛んで逃げました。一番

警戒心が強いのがワシです。ワシがいなくなると、すぐにハシブトガラスが死体の周りに

集まってきました。たぶん、怖くて、遠慮して周りで見ていたのでしょう。

ゴマフアザラシの死体は、皮膚に5、6か所穴が開いています。オジロワシが鉤状の嘴で

開けたものです。カラスやカモメ、キタキツネは穴は開けられません。

強者がいなくなると、待ってましたとばかりにカラスが集まり、穴に嘴を入れ、肉を引きち

ぎり喉に送り込みます。何回か繰り返し、喉を膨らませると飛んでいきます。別なところで

ゆっくり食べるのです。

もちろんカラスにも強い弱いがあり、順番待ちのようです。中にはずうずうしいやつもいます。

ワシがいなくなってやって来るのは他にもいます。キタキツネです。

さすがに体がカラスより大きいのですぐに食べだします。でも、カラスはキタキツネには

遠慮しません。反対側の穴にとり付き食べだします。一見仲良く食べているように見えます。

カラスはキタキツネを怖がっていないのです。警戒はしていますが。

私がいるために近寄ってこないオジロワシ。それを見ていて、カラスが次々に集まってきます。