窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

キョウジョシギ Ruddy Turnstone・春の渡り

2020-05-09 18:48:13 | シギ・チドリ

シギとチドリの渡りのシーズン、真っ最中です。中でも4月の下旬からキョウ

ジョシギの群れがやってきました。毎年、春の渡りには100羽から300羽ほどの

群れがつぎつぎに到着します。

おばんです。小太郎でごじゃります。

      ★ キョウジョシギ Ruddy Turnstone・春の渡り ★

春はキョウジョシの群れが一番目立ちます。干潮時は砂地の干潟に集まり、

満潮になると砂嘴の砂浜にやってきてエサをあさります。

キョウジョシギは他のシギたちに比べると馬力があり、むれに力がみなぎってい

雰囲気が漂います。ほぼ単独でいることはなく、群れになって行動しています。

湿地の干潟はあまり好まず、砂や小石が混ざる干潟や海岸に集まってきます。

ヨーロッパでは1000羽から5000羽という大きな群れになるようですが、野付

半島では100羽から300羽くらいのこじんまりとした群れがばらばらになり飛ん

でいます。合わせれば、おそらく10000羽以上が通過して行くように思います。

北極海に面したツンドラ地帯で繁殖するせいか、他のシギ類に比べると少し長く

滞在する傾向があります。おかげで春のシーズンはキョウジョ祭りといっていい

くらいにぎやかです。

「キョウ」とか、「ケケ」、「キョッキョッ」と鳴く短節の声を出して飛ぶので

上空を通過して行く時はよく分かります。

半島の砂浜を歩くと群れがぱっと飛び立ちます。明るい茶色と黒色が混じる

まだら模様が特徴。ですが、海岸に降りてしまうと渾然一体化して砂や小石のに

同化してしまいます。見事な保護色です。

波ぎわの砂地に嘴を差し込み、中からゴカイやトビムシを掘り出して食べてい

ます。忙しい動きで、集中すると立っている私の方へどんどんやってきます。

くちばしが少し上向きに反り返っていて、石や打ち上げられたアマモをテコの

原理で押し上げ、下にいる虫を捕まえています。

押し上げる力を出すのに進化したのか脚はシギにしては短く、頑丈です。

群れが海岸線に沿い、細長く並ぶので、波が来ると広がっていた個々のシギが

押し寄せられるように一列になります。この動きは見事です。

ときどきオジロワシやトビが飛んでくると一斉に飛び立ち、海上に出て編隊

飛行をやらかします。直線飛びからいっせいに方向転換をして、翼の裏側を

見せるのが見物です。

体に比べ、翼が長いので、より大きく、白い裏羽が目立ちます。群れは同じ

場所に帰ってくる傾向があり、待っていると近くに降り立ってくれます。

メダイチドリやハマシギの編隊飛行も美しいですが、キョウジョシギの編隊飛行は

力強くて魅力的です。