窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

オオソリハシシギ Bar-tailed Godwit

2020-05-26 18:31:12 | シギ・チドリ

オオソリハシシギが今年も北上してきました。わずか7羽ですが、姿を見れた

だけで嬉しいです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

      ★ オオソリハシシギ Bar-tailed Godwit 北上 ★

毎年、多くはありませんが、野付湾に立ち寄ってくれる個体がいます。多くの

オオソリハシシギは中国と朝鮮半島に囲まれた黄海の干潟を経由して行きます。

広大な干潟が広がり、昔から多くのシギやチドリ、カモ類、サギ類などが渡り

途中に立ち寄って行く中継地です。

渡りの最中は干潟を真っ黒な雲のように見える群れが飛びまわる世界有数の干潟

です。一度は見ておかなけれなばらない大パノラマが展開されるところ。

その干潟が1950年代から埋め立てにより消失してきています。今では50%

ほどの干潟がなくなっているそうです。

それに伴い、干潟を使う多くの水辺の鳥が減少し、絶滅の危機にある種まで出て

きています。オオソリハシシギもそのうちの1種です。

オーストラリア、ボルネオ、マレーシア、ニュージーランド沿岸で越冬し、北上

してきて、シベリアの北極海沿岸に向かいます。その途中で寄ってくれるのです。

秋には見ることはありませんから、春は一生懸命観察します。

嘴が長く、根元は太くピンク色をしています。先に行くにつれて黒くなり、やや

上に反り返っています。名前の所以です。

干潮になりだすとさっそくアマモの生えた干潟にやってきます。長いくちばしを

突き刺してゴカイや他のシギがとれない地中の生き物を捕りだしています。

嘴の先は柔らかく、センサーになっていて泥や砂に潜む生き物を探せます。

砂がぎっしり固まった場所ではなく、水で緩やかになったところで探して

います。

オスは夏羽色になっていて、顔からお腹にかけ下面が赤錆色になっています。

それに比べるとオスより一回り大きく見えるメスは褐色が強く、白っぽく見え

ます。オスは締まって見えますが、メスはふんわりして、色っぽく見えます。

干潟では7羽がいつも一緒に行動していました。来週にはいないでしょう。