シギの渡りも中盤に差し掛かってきました。7月から始まった南帰航はトウネ
ンやキョウジョシギ、ハマシギなどの小型シギ類から中、大型シギ類に移って
きました。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ オオソリハシシギの羽のお手入れ ★
野付半島は砂地の干潟が大半なので中、大型のシギ類はあまり立ち寄らないの
ですが、それでもぱらぱらと立ち寄って行くシギがいます。
大形のホウロクシギやチュウシャクシギ、オオソリハシシギ、オグロシギなどが
観察されます。秋の渡りは群れで見ることがあまりなく、ほとんどが単独です。
8月の中旬にオオソリハシシギを見つけました。上げ潮のときで、干潟で採餌
していた個体が砂嘴と砂嘴の間の泥の干潟で水浴をしていました。
汽水の水に胸まで入り、入念に水浴びをしていました。長い脚を折るようにして、
翼を開きバシャバシャ、羽毛の中に水を摂りこみ洗っています。入念に繰り返し、
水しぶきを上げ、気持ちよさそうです。
終ると浅瀬にやってきて、お手入れが始まりました。尾羽の付け根にある皮脂腺
に嘴の先を当て、脂を絞り出しています。
脂のついたくちばしの先を胸羽やお腹羽、脇羽などに挿しこみ、柔らかなくち
ばしの先で丁寧に塗り付けていきます。
薄く延ばし、艶が出るような塗り方です。ついでに汚れもとり、空気が溜まり
やすく、保温がきくようにしています。
一通り塗る作業が終わると、最後に嘴がどうしても届かない頭の周辺に脂を塗る
作業に入ります。これがなかなかユニーク。頭を後方に思い切り伸ばし、頭頂部
が皮脂腺に当たるように擦りつけます。喉を上に向け、頭の羽に脂を擦りつけて
います。
さらに後頭部に塗るために嘴を上の方へ立て、翼の硬い羽に当てて脂を引き延
ばして行きます。
見事な器用さです。顔をねじらせ、頬の方まで伸ばし塗り付けています。
頭は水の中に入れ、エサを探すのによく使うので、ここに塗る脂は大切な役目を
になっているのです。
丁寧で、ダイナミックな一連の羽のお手入れを見終わったときは、感心と感激の
感動です。生きていくための体の手入れを怠っては生きてはいけません。
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